大谷翔平が明かしてきた葛藤「このままでは勝てないのではないか」…フロントに補強訴えも【番記者が現地で見た】

◆米大リーグ ドジャース7―2パドレス(26日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャースが、3月20日に韓国・ソウルで行われた開幕戦に勝利してから1度も首位の座を明け渡すことなく、3年連続のナ・リーグ西地区優勝を決めた。

 メジャー7年目。ドジャース移籍1年目で、ようやく地区優勝という歓喜の瞬間を迎えた。18年にエンゼルス入り。1年目に4勝&22本塁打で新人王に輝くと、21年には46本塁打を放って本塁打王争いを演じ、投打同時出場のリアル二刀流にも挑戦して9勝を挙げてMVPに輝いた。22年には「10勝&34発」でダブル2ケタ、ダブル規定到達。二刀流も軌道に乗せ、23年には10勝&44発で日本人初の本塁打王に輝き、2度目のMVPにも輝いた。

 一見、スター街道を突き進んでいるように見える大谷のメジャーでの歩み。だが、18年10月、23年9月と右肘の手術を受けて投手としては長期間の離脱を余儀なくされた。さらに19年9月には左膝も手術。20年には打率1割台という屈辱も味わった。そしてなにより求め続けていたのがチームの勝利だった。エンゼルスでの6年間では、9月に本格的なプレーオフ進出争いすらほぼ加わることが出来なかった。

 チームの中心になった21年9月には珍しくバットをたたきつけ「もっと楽しいというか、ヒリヒリするような9月を過ごしたい。このままでは勝てないのではないか」と胸の内を包み隠さず明かした。22年シーズン終了後にも「8、9月は目指すところが見えなくなってくる、そういう難しさがあった。今日(レギュラーシーズン最終戦)で終わってしまうのは不本意。勝ちたいなっていうのが一番ですね」と話し、「オフシーズンの(チームの)動きに期待はしています」と、球団フロントへの補強についても口を開いた。

 だからこそ、FAとなった昨季終了後は「勝てるチーム」を念頭に置いた。今年7月で30歳。野球選手としてはもう決して若いとは言えない。待っている時間はなかった。昨年12月にドジャース入団が決まった際には、球団を通じて「ドジャースと私は、ワールドシリーズの優勝パレードをロサンゼルスで行うという同じゴールを共有していると、100%言い切れます」とコメントした大谷。ワールドシリーズ制覇へ向けては、まだ第一関門を突破したにすぎない。

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