故障者続出乗り越えドジャースが3年連続地区優勝…投手陣は崩壊寸前でこらえたロバーツ監督の手腕【番記者が現地で見た】

ドジャース・ロバーツ監督

◆米大リーグ ドジャース7―2パドレス(26日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャースが、3月20日に韓国・ソウルで行われた開幕戦に勝利してから1度も首位の座を明け渡すことなく、3年連続のナ・リーグ西地区優勝を決めた。

 開幕前には大谷、山本を筆頭に、グラスノー、T・ヘルナンデス、パクストンらを大型補強。新型コロナウイルスの影響で短縮シーズンだった20年以来のワールドチャンピオンへ向けて、11年連続でプレーオフに進出していたが、さらに戦力を整えた。

 だが、前年の手術などの影響で開幕から先発ではビューラー、カーショー、ゴンソリン、メイらが不在。開幕2戦を故障歴の多いグラスノー、メジャー1年目の山本と、新加入2人に託さざるを得ない布陣だった。

 さらに開幕後も故障者が続出する負の連鎖は止まらなかった。山本は順調に白星を積み重ねていたが、6月から約3か月間離脱。11勝のストーン、9勝のグラスノーは事実上すでに今季の復帰は絶望的になった。代わって抜てきした若手有望株のライアンも右肘を痛めて離脱。負担の増えた救援陣も次から次へと離脱していった。抑えは今でも固定することは出来ておらず、プレーオフでも投手陣のやりくりには苦戦しそうだ。

 頼みの打線もベッツが6月に右手を骨折。三塁手・マンシーの長期離脱もあった。その中で、欠場が休養目的の3試合だけという大谷は、圧巻の活躍ぶりを見せた。そんな限られた戦力になった中でも、今季9年目となるロバーツ監督の手腕が光った。

 開幕からベッツ、大谷、フリーマンで固定していた上位のMVPトリオ。だが、ベッツが離脱した際に1番で存在感を示した大谷の1番起用をベッツの復帰後も継続。9月に入ってからは相手先発が左腕だった際に、フリーマンを4番に配置する新たなプランも試した。先発投手はどれだけやりくりが厳しくなっても必要以上の負担はかけなかった。山本はこれまでメジャーのスタンダードとされる中4日の登板はなし。球数も100球を上回る先発はほぼなかった。その分救援は負担が増えたが、巧みなマネジメントでなんとか乗り切った。時には「もう投げられる投手がいなかった」という状況になったこともあったが、最低限の登板間隔を確保した。

ジャンルで探す