「練習をやり残して帰っちゃうとその日1日ストレスがたまる」巨人V戦線に帰ってきた左腕の高い意識

3回2死一、三塁、森敬を空振り三振に仕留め雄たけびを上げる横川(カメラ・相川 和寛)

◆JERA セ・リーグ DeNA4―12巨人(26日・横浜)

 横川が流れを止めた。快勝ムードが一転、先発・山崎伊がピリッとせずに2点差まで迫られた3回2死一、三塁から2番手でマウンドへ。森敬を空振り三振に抑えて危機を断った。その後も走者を1人も出さない完全救援を披露。2回1/3、31球を投げて無安打無失点で今季3勝目をマークした。「目の前のバッターにしっかり向かって行って一つのアウトをしっかり取ろうと思いました」とお立ち台で爽やかに笑った。

 前回21日の広島戦(マツダ)で先発し、6回1失点(自責0)の好投から中4日での登板。疲労を感じさせない抜群の安定感で、防御率も0・94とした。杉内投手チーフコーチは「できれば広島に取っておきたかったですけど。明日は外そうと思う」と救ってくれた左腕に最敬礼だ。

 5月に登録を抹消されてからはファームで調整。G球場で全体練習が終わってからもブルペンで一人、シャドーピッチングを繰り返した。その裏には高い意識があった。「練習は好きです。やり残して帰っちゃうと、その日1日ストレスがたまる。自分が納得した形で終わらないと次の日迎えられない。それに僕、練習している感覚じゃないんですよね。自分がやりたいからやってる」。やらされる練習ではないから、実になる。日々の小さな成長を喜び、1軍で再び戦力となる日を待ちわびていた。「自分のことをしっかりやっていたら必ず出番が回ってくると信じています」。7日に再登録され、優勝への確かなピースになっている。

 「優勝争いは初めてですし、一戦一戦の重みを感じながらプロ野球ってこんな感じなのかなって」と左腕。与えられた場所で全力を出し尽くす。(水上 智恵)

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