初回1番は絶対出塁…選手に求める体勢を崩されながら打てるコツ【巨人・駒田3軍監督の眼】

巨人・平山功太

 今季79試合で57勝14敗8分け(4月以降)の巨人3軍を駒田徳広3軍監督(62)が総括。ソフトバンク・王貞治球団会長兼特別チームアドバイザーの助言を参考に、選手に求めている打撃を明かし、ナインに「有終の美で終われるように」と期待した。

 チームは夏場まで非常に状態良く来ていましたが、集大成の終盤を迎えて選手には夏の疲れが残っているように見えます。例えば社会人との対戦では、相手の方が打球の勢いや捉え方が非常に良かった。試合に出続けるパワーと体力を鍛えることが今後の課題です。

 現代のように球速があり、鋭く曲がり、落ちる球はきれいな形で打つことはなかなか難しい。昔、王さんがおっしゃっていた「スタンドティーのような練習だけでは絶対に打てない。速い球に差し込まれ、遅い球に泳がされる中でHランプをつけるのが打撃であり野球」という言葉を思い出しました。例えば、広島の菊池選手やDeNAの桑原選手のような、体勢を崩されながら打てるコツをつかませたいと考えています。3軍では平山がそのタイプで、彼が打てば勝てるという内容を見せていますので、継続していってほしいです。

 1、2、9番の出塁率も課題です。私が1番を任された時には「ビジターの1番はザーザー汗をかくぐらいの準備を」と言われたものです。例えば、甲子園で1番が見逃し三振に倒れたら、チームは「5回まではダメだ」という空気になる。逆に安打で得点機を作れた時には野球人冥利(みょうり)に尽きる感情がありました。

 3軍はそういう場面を想定して準備をしなければいけない予備軍です。打席の立ち位置、バットを短く持つなどの準備を習慣にする必要があります。鈴木(大和)や宇都宮が役割の重要さを理解できれば、浅野のように1軍の緊張感の中でも「やるべきことをやる」と挑戦できると思います。

 集大成を見せられなければ、来季の編成にも影響が出ることはプロとしての宿命です。有終の美で終われるように我々も「頑張れ!」と最後まで背中を押したいです。(巨人3軍監督・駒田徳広)

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