【高校野球】掛川西が8強進出…石川大峨一塁手が逆転の2点三塁打…静岡県秋季大会

8回1死一、三塁で掛川西・石川が逆転の2点三塁打を放つ(カメラ・里見 祐司)

◆高校野球◇静岡県秋季大会 ▽3回戦 御殿場西3-6掛川西(21日・掛川球場)

 県大会3回戦が行われ、8強が出そろった。今夏の甲子園に出場した掛川西は6―3で御殿場西に逆転勝ち。1点を追う8回に5番・石川大峨一塁手(2年)が逆転の2点三塁打を放った。東海大静岡翔洋は磐田東に、日大三島は浜名に競り勝った。準々決勝は22日に行われる。

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 手負いの背番号3がチームを救った。1点を追う8回1死一、三塁。掛川西・石川が初球ストレートを強振した。「来た球を打つだけ」と無心で放った打球は左中間を深々と破った。逆転の2点適時三塁打だ。187センチ、83キロのスラッガーは三塁ベース上で両拳を握りしめ、大きくほえた。

 アクシデントにもめげなかった。三塁で先発も3回から一塁に回った。すると5回の守備だった。相手の先頭打者が三塁ゴロ。代わった三塁手からの送球が本塁側に少しそれた。石川が左手を伸ばしてキャッチしたが、そのままタッチに行った際に激しく走者と接触。あまりの痛みに左腕を抱えて倒れ込み、担架で救護室へ運ばれた。

 それでも約15分後には腕にテーピングを施した状態でグラウンドに復帰。スタンドの大歓声を浴びて「この野球部は応援されているな、と思いました。掛西に来て本当によかった」と頭を下げた。そんな感謝の思いが、8回の逆転打につながった。

 甲子園では日本航空(山梨)との初戦で2安打2打点と活躍も、続く岡山学芸館戦は快音が出ず2三振。その反省から、この秋は1球への集中力を研ぎ澄ませて練習してきた。「余裕を持ってボールを見ることができています」。大石卓哉監督(44)も「負傷で力が抜けて、リラックスして打てたのかな」と笑った。22日は静岡商と対戦する。同じ伝統校との対戦に石川は「全力で立ち向かう」と力をこめた。(里見 祐司)

 ○…常葉大菊川は湖西に9-0(7回コールド)。背番号19の1年生左腕・井口陽向(ひなた)が公式戦初先発。「緊張しました」と言いながらも、5回を3安打無失点に抑えて勝利に貢献した。5回には1死一、三塁と攻められたが、自信のある直球を内角に投げ込み、三振と遊ゴロでピンチを切り抜けた。「変化球の精度が悪かった」と自己採点は70点だったが、石岡諒哉監督(35)は「コントロールがよかった」と合格点を与えていた。

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