大谷翔平が49号、4安打5打点2盗塁 球団最多タイ&盗塁成功で「49―51」 サイクル安打もリーチ

◆米大リーグ マーリンズ―ドジャース(19日、米フロリダ州マイアミ=ローンデポパーク)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が19日(日本時間20日)、敵地・マーリンズ戦に「1番・指名打者」でスタメン出場し、2試合ぶりの本塁打となる49号2ランを放って「49発&51盗塁」となり、前人未到「50―50」にリーチをかけた。49本塁打は、01年のS・グリーンに並ぶ球団記録となった。

 初回先頭の1打席目では、カウント2―2から真ん中付近に甘く入ったチェンジアップを強振。打球速度114・6マイル(約184・4キロ)という強烈な打球で右中間フェンスに直撃する二塁打となった。データサイト「Baseball Savant」によると、本拠地(ドジャースタジアム)など13球場であれば本塁打だったという。1死一、二塁で三盗を決めて50個目の盗塁を決めた。敵地ながら大きく盛り上がった。1点をリードした2回2死一、二塁の2打席目は右前適時打。リードを2点に広げると、2死一、三塁でベッツの打席で二盗を決め、51個目の盗塁となった。3回2死一、三塁では左中間への2点適時二塁打。三塁を狙ったが惜しくもタッチアウトだった。

 そして勢い止まらず出たのがホームラン。4点をリードした6回1死二塁の4打席目だ。3番手右腕・ソリアーノの1ストライクからの2球目、85・4マイル(約137・4キロ)のスライダーを完璧に捉えた。打球速度111・2マイル(約179・0キロ)、打球角度36度で飛び出した打球は、飛距離438フィート(約134メートル)で右翼席に消えていった。この打席終了時点で4打数4安打5打点、2盗塁。19年6月以来2度目となるサイクル安打へも三塁打を残すのみとリーチをかけた。松井秀喜が06年にマークした日本人最多116打点にも115打点となってあと1に迫った。

 2試合ぶりのアーチとなった自己最多を更新する49本塁打は、01年のグリーンに並ぶ球団記録。ドジャースの歴史に加入1年目ながら、勝てば12年連続のプレーオフ進出が決まる一戦で、名を刻んだ。

 17日(同18日)には、4点を追う3回1死一塁の2打席目に、右翼へ飛距離123メートルの、完璧に捉えた48号2ラン。5試合、23打席ぶりのアーチを放つと、18日(同19日)には、初回先頭の1打席目に左前安打で出塁すると、49個目の盗塁となる二盗を決めた。

 思い出の球場での49号だ。マイアミのローンデポパークは、23年3月にWBC準決勝・メキシコ戦、決勝のアメリカ戦を戦った球場。準決勝では1点を追う9回先頭で二塁打を放って「カモーン!」と叫んでベンチのナインを鼓舞して、村上(ヤクルト)の劇的な逆転サヨナラ打につなげた。決勝では指名打者でスタメン出場しながら、ベンチと左翼のブルペンを行き来しながら準備を進め、1点リードの9回にマウンドに上がり、最後は2死走者なしで同僚だったトラウト(エンゼルス)から空振り三振を奪うと帽子とグラブを投げ捨て、胴上げ投手となった。

 ちょうど1年前の9月19日(同20日)には右肘を手術。リハビリを続けて打者に専念したシーズンで「40―40」ですら、メジャー史上6人目の快挙だったが、「49―51」となって、誰も成し遂げていない「50―50」の大台へも本塁打1本1つを残すのみの”マジック1”となった。この試合を含めてレギュラーシーズンは残り10試合。記録と戦う重圧について「あまりないですかね。いい打席を1打席でも多く重ねたいと思っている。それはシーズン始まってから今まで変わらない。そこはあまり変わらないかなと思います」と話していた大谷が、偉業へ足を止める気配はない。

 ◆大谷の年度別本塁打数

 ▽18年 22

 ▽19年 18

 ▽20年 7

 ▽21年 46

 ▽22年 34

 ▽23年 44

 ▽24年 49

 ◆ドジャースのシーズン球団本塁打上位

 ①49 24年大谷

     01年グリーン

 ③48 04年ベルトレ

 ④47 19年ベリンジャー

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