史上初の甲子園とプロでノーノー、両リーグ奪三振王…記録づくめのFA巨人入り左腕

 創立90周年を迎えた巨人。巨人での出場試合が多い野手、投手を中心に記録にも記憶にも残る歴代の「偉人」を紹介します。第97回は杉内俊哉。

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 杉内俊哉桑田真澄が付けていた背番号「18」を譲り受け、菅野智之にバトンを渡した。

 1980年10月30日、福岡県出身。鹿児島実3年夏の甲子園でノーヒットノーランを達成し、三菱重工長崎から01年ドラフト3巡目でダイエー入り。03年には日本シリーズMVPに輝いた。05年には最多勝、最優秀防御率、沢村賞、MVPなど数々の勲章を手にし、11年オフにFAで巨人入りした。

 12年は開幕2連敗で迎えた3戦目の4月1日のヤクルト戦(東京D)に先発し、7回途中まで好投して勝利投手となった。圧巻は5月30日の楽天戦(東京D)。ゆったりとしたフォームから繰り出すストレートと、切れ味鋭いスライダー、チェンジアップを武器に9回2死までパーフェクト投球。27人目の打者にフルカウントから四球を与えて大記録を逃したが、次打者を三振に仕留めてノーヒットノーランを達成。甲子園とプロの両方での偉業は史上初の快挙となった。

 この年、172奪三振で最多奪三振。08、09年にも同タイトルを獲得しており、両リーグでの勲章も史上初のことだった。18年限りで引退し、19年からはコーチを務めている。

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