山本由伸、高い修正力が試合を作れた要因「短時間で出来るの並外れた能力」髙橋尚成氏が称賛

◆米大リーグ ブレーブス0―9ドジャース(16日、米ジョージア州アトランタ=トゥルイストパーク)

 ドジャース山本由伸はメジャー復帰登板で4回8K1失点と抜群の投球を見せた前回のカブス戦時と比べると、この日は調子自体はあまりよくなかった方だろう。75球程度がメドとなっていた中で4回まで毎回得点圏に走者を背負ったが、それでも無失点で粘った。ある程度試合を作れたのは、修正力の高さのたまものだと言える。

 この日はスプリット、カットボールを含めた直球系の精度を欠いた。初回、先頭・ハリスへの初球、2球目と直球を低めに引っかけていたが、3球目に高めの直球、4球目にカーブを投げた。高めの直球でリリースの位置をやや高くし、カーブで全体のフォームのバランス、力の入れ具合を調整。わずか2球で修正できたのはさすがだ。

 決め球のスプリットもいい時は真下にストンと落ちるが、立ち上がりはシュート気味に抜けていた。リリースがやや早くなっていたところを、逆の動きになるカットボールや速いカーブを多く使って微調整し、3、4回は自分の思うような所に投げられるようになっていた。スプリットは特殊な球だから、修正するのに時間がかかるものだが、試合中に、しかも短時間でそれが出来るのだから並外れた能力を持っていると改めて確認出来た。(野球評論家・髙橋尚成)

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