【阪神】8回ベンチワーク失敗で悪夢の4点差逆転負け 岡田彰布監督「ゲラいくぞ言うたら『漆原しかやってません』て」助っ人投入できず

8回に逆転され、ぶ然とする岡田彰布監督(カメラ・清水 武)

◆JERAセ・リーグ ヤクルト6―5阪神(30日・神宮)

 普段は敗れた瞬間にベンチを出る阪神・岡田彰布監督(66)が、しばらくその場に立ち尽くした。試合後は「信じられへん」と「ビックリしたわ」を連発。ベンチワークの失敗による逆転負けで、コーチ陣に激怒した。4点リードの8回にドタバタの継投の末、今季ワーストタイの1イニング5失点。先制、中押しと最高の展開が崩壊し「大変な負けやで」と“痛恨の一敗”を認めた。

 「準備の問題やろ」。悪夢の8回は桐敷が村上に適時打を浴び、なおも2死一、二塁で漆原に継投した。サンタナの四球の後、満塁で長岡に走者一掃の同点二塁打。さらに一、三塁とされ、慌てて投入した岩崎が代打・山田に決勝打を浴びた。

 岡田監督はサンタナに対し、漆原ではなく、ゲラを使いたかった。だが、ブルペンで備えていたのは漆原と島本。「ゲラいくぞ言うたら『漆原しかやってません』て。ええっ?て。なんで準備せえへんの。きのう2回投げた島本? ええっ? 漆原も酷やで」。結果的に岩崎も準備不足。ベンチの安藤、ブルペンの久保田両投手コーチの判断と連携に何度も首をかしげた。「教育やな。そこまで全部やらなあかんのやな」と自身の指示も悔やんだが「そこまでやらなあかんか?」とため息。主戦の岩崎とゲラが生きず「一番悔い残る、出し惜しみで負け」とぼやいた。

 9回は2死一塁から佐藤輝の左越え二塁打で、代走・植田が本塁憤死。完全にアウトのタイミングで突入を指示した藤本三塁ベースコーチにも「ええっ?て思ったわ。二、三塁でええんちゃうの。(次打者の梅野は)2本打ってるバッターやで今日」と苦言を呈した。悩みの種である打線の13安打5得点の奮起も水の泡と化し、4位に転落。2日からの首位・広島戦(マツダ)を前に貯金も消え「当たり前のことを継続するからいい方向にいくのに、歯車を崩して。簡単な一つの負けではすまんよ」と、後味の悪さに怒りが収まらなかった。(安藤 理)

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