田中将大 ヤクルトが移籍候補に浮上も「引退を早める球場」の懸念

 

 楽天を退団することになった田中将大だが、いまだ来季の所属先にメドが立っていない。

 

「どうしても楽天と同じパ・リーグには移籍しづらいということで、当初は、投手力が充実している阪神を除いたセ・リーグの5チームへの移籍が濃厚と見られていました。なかでもエースの菅野智之がメジャー移籍を志望している巨人と、投手陣の立て直しが急務のヤクルトが有力候補として挙げられていました。

 

 でも、巨人はフロントが『獲得は絶対にない』と否定しました。当初は巨人も、田中の実績や知名度は獲得に値すると考えていたし、あと3勝に迫った200勝で、イベントやグッズ販売などの商売もできますからね。

 

 

 ところが日が経つにつれ、田中のわがままぶりや扱いにくさも聞こえてきて、流れが変わったのです。というのも、巨人は2021年夏、後輩選手に暴力を働いた日ハムの中田翔を禊が終わらないうちに獲得した。このとき、球団には相当数の抗議電話が殺到し、対応に追われました。その二の舞はもうゴメンということでしょう」(スポーツ紙デスク)

 

 となると、移籍先はヤクルト一本になるが……。

 

「11月28日に小川淳司GMが『獲得に向けた調査をしている段階ではない』と発言したことで、獲得に向けてはやや停滞気味と見られています。

 

 とはいえヤクルトは、2021年と2022年のセ・リーグで連覇しながら、この2年は続けて5位。不振の要因は多くありますが、先発投手不足も挙げられます。その意味でも田中獲得は理にかなっています。

 

 しかもヤクルトには、楽天時代にバッテリーを組んでいた嶋基宏がヘッドコーチとしていますから、孤立することもないはず。ヤクルトが本命であることは間違いないでしょう」(ヤクルト担当記者)

 

 しかし、「ベテラン投手にとってヤクルトの本拠地である神宮球場は厳しいものがある」と続ける。

 

「神宮球場は両翼97.5m、センター120m、左右中間112.3mで、横浜スタジアムの両翼94.2m、センター117.7m、左右中間111.4mと並んで狭い球場なんです。ただ、神宮球場のフェンスの高さが3.3mに対し、横浜スタジアムは5.0~5.3mとセ・リーグでは最も高い。スタンドまでの距離が短い分、フェンスを高くして、ホームランが出過ぎないようにしているわけです。

 

 その結果、2023年シーズンの横浜スタジアムで出た本塁打数は3位の91本。ところが神宮球場は168本と、最も本塁打が出やすい球場となってしまいました。球場の条件からいえば、球威の落ちたベテラン投手にとって鬼門の球場。そのため、『引退を早める球場』ともいわれるんです。全盛期の球威からは明らかに落ちている田中投手にとっても、同じことが言えます」

 

 退団についての“上から発言”で楽天ファンからは批判も多い田中。ヤクルトは、救世主となるだろうか。

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