「全く笑えなかった」と批判続出した『水ダウ』の“コロナ対策イジり”企画にTBSが示した「見解」

8月28日放送のバラエティ番組『水曜日のダウンタウン』(TBS系)で特集された、ドッキリ企画「コロナ対策、いまだに現役バリバリの現場があっても従わざるを得ない説」。当日午前中にXで告知された番組アカウントにも批判の声が寄せられるなど、放送前から物議を醸していた。

新型コロナの感染拡大がピークだった時期には、テレビ界でも消毒や検温、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保など感染症対策が徹底されていた。だが昨年5月に新型コロナの位置付けが「5類感染症」に引き下げられてからは、マスク着用の判断が個人に委ねられるなど行動制限が緩和されることに。

番組冒頭ではプレゼンターのサバンナ・高橋茂雄(48)が、「全く制限もなく収録しているこの光景を、当たり前だと思っておられませんか?」と提起。コロナ禍での収録を振り返りつつ、「今、あの頃の制限をもっかい持ってきたら、芸人は果たしてツッコむのかどうか」と企画の趣旨を説明していた。

そして最初のVTRで放送されたのは、コロナ禍で徹底されていた感染症対策を復活させたニセのグルメロケ。ドッキリでターゲットとなったのは、モグライダー・ともしげ(42)とスピードワゴン・井戸田潤(51)だった。

2人ともフェイスシールドの着用を求められ、共演者との間にはアクリル板も設置。井戸田は持ちネタのセリフ「ハンバーグ!」を大きく叫ぶも、飛沫防止のため声量を下げるよう求められていた。いっぽうともしげは、食レポでソースの隠し味がわからず、“味覚障害”を疑われてPCR検査を実施。マネージャーから陰性の結果を伝えられるも、共演した山下真司(72)が陽性だったため、濃厚接触者としてホテルで隔離生活をするよう指示を受けていた。

次に放送された「やりすぎコロナ対策」ドッキリのVTRでは、チャンス大城(49)とコンピューター宇宙・はっしーはっぴー(29)がターゲットに。

“新型コロナの感染者ゼロ”という村を訪れ、手洗い以外にも鼻うがいや“消毒プール”に浸かることまで求められた2人。さらにぎょう虫検査の実施や、ニセの儀式で「無病息災、ウイルス退散」と唱えさせられるなど、感染症対策をイジるような演出もあった。

いっぽう現在も新型コロナの感染者は日々報告されており、医療現場では医師や看護師らがマスクやフェイスシールド、防護服などを着用して患者対応に臨んでいる。

放送前から物議を醸していた本企画だが、放送後もXで《全く笑えなかった》《医療従事者をバカにしてる》《コロナで亡くなった人がいるのに》と不快感を示す声が続出。「#水曜日のダウンタウンの放送中止を求めます」のハッシュタグも出現し、なかには“BPOに通報した”“TBSに抗議した”といった書き込みも散見された。

そこで本誌は翌29日に、TBSを取材。まず、企画の立案・放送をした狙いや意図はどういうものか、次に番組に対してどれくらい抗議の声が寄せられているのか、そして批判の声に対する同社の見解を聞いた。

すると30日正午までに、TBS広報より文書で次の回答が寄せられた。

「番組に様々なご意見が寄せられていることは承知しております。今回の企画に対して頂いた批判的なご意見に真摯に耳を傾け、今後の番組制作に生かしてまいります。」

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