「そういうことだったのか…」田中敦子さん 逝去9カ月前に語った“涙のメッセージ”にファン慟哭

《令和6年8月20日、私の実母であります声優 田中敦子が永眠いたしました。田中敦子を愛してくださったファンの皆様、生前お世話になりました業界関係者の皆様、 本人に変わりまして深謝いたします》

8月20日、声優の田中光がXを更新し、投稿した書面で母であり声優の田中敦子さんの訃報を伝えた。

会社員時代を経て、1990年代初頭から声優活動をスタートさせた田中さん。多くの洋画作品で吹き替えを担当し、アニメでも『ジョジョの奇妙な冒険』リサリサ、『葬送のフリーレン』フランメなど多数の人気作品に出演してきた。

とりわけ代表作の一つとして名高いのが、アニメ『攻殻機動隊』シリーズの主人公である草薙素子役だろう。田中さん演じる草薙は世界中のアニメファンから愛されており、61歳という若さでの訃報に衝撃を受けるファンが相次いだ。

同シリーズでトグサ役として共演した声優の山寺宏一(63)も、20日にXで《田中敦子さんはかけがえのない友人でした 悲しくて悲しくて仕方ありません 攻殻機動隊では沢山の思い出があります もう「少佐」と呼べないんだね 10日前、直接話せて嬉しかった 最期まで、美しくて、カッコ良くて、優しくて、素敵だったあっちゃん 良く頑張ったね ありがとう!》と悼んだ。

そんな同シリーズの現時点での最新作が、昨年11月23日に公開された映画『攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間』。これはNetflixで独占配信されている「攻殻機動隊 SAC_2045 シーズン2」を、映画監督の藤井道人氏が再構成した作品だ。

公開初日には舞台あいさつが行われ、山寺ら共演者とともに田中さんも登壇。出演者が一人ひとり挨拶を述べ、自身の番になると田中さんは「ここにこうやって立っていられるだけで、心から幸せです」と語り、こう続けた。

「皆さん、攻殻機動隊はこの『最後の人間』でいったん結末を迎えるのかもしれません。でも、どうか忘れないでください。みなさんがネットにアクセスする時、攻殻機動隊にアクセスする時、私たちは、私はいつでもみなさんのそばにいます。どうか、忘れないでください」

涙ながらにファンへのメッセージを打ち明けた田中さん。息子の田中光は今回の訃報を伝える書面のなかで、《本人の意向により具体的な病名は伏せさせていただきますが、約1年に及ぶ闘病生活も含め、真面目で凛々しく、ちょっぴりお茶目な、田中らしい人生だったように思います》と綴っている。

このことから、舞台挨拶が行われた昨年11月はすでに田中さんは闘病中だったことがうかがえる。そのため、田中さんが送ったファンへの切実なメッセージにあらためて慟哭するファンの声が相次いでいる。

《全然見方変わりました 泣いてもた》
《そういうことだったのか…これは…きついなぁ》
《どうか忘れないでください。 この時、田中敦子さんはもうわかっていたんでしょうね…今このコメントを聞くとそう思えてなりません》
《田中敦子さん去年のこの時もう自分の死期を悟っていたのかもしれない… 早すぎるよ…》

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