エミー賞席巻「SHOGUN 将軍」劇中曲、那須の作曲家・石田多朗さんが全て編曲…「自信深まった」

 米テレビ界最高の栄誉とされる「エミー賞」で、史上最多となる18冠を果たしたハリウッド時代劇「SHOGUN 将軍」。その劇中曲の編曲を手がけた栃木県那須町の作曲家、石田多朗さん(44)が17日、読売新聞の取材に応じ、喜びを語った。

 SHOGUNは乱世の日本を舞台にしたドラマで、米ウォルト・ディズニー傘下のFXが制作。俳優の真田広之さんが主演・プロデュースした。石田さんは、電子音楽とともに雅楽曲の作曲も専門的に扱うフリーの作曲家。ユニークな経歴がSHOGUN制作陣の目に留まり、全楽曲の編曲を行う「総合アレンジャー」として起用されていた。

 エミー賞では、真田さんが日本人初の主演男優賞を受賞したほか、作品賞や音響編集賞など計18部門で受賞した。

 石田さんは16日(現地時間15日)に米ロサンゼルスで行われた授賞式に参加。式の終盤で作品賞が発表されると、会場は「地鳴りがするくらい」の拍手と歓声に包まれ、涙を流す俳優陣の姿もあったという。

 「これまでの仕事や考え方が間違っていなかったと証明されたように感じ、自信が深まった。これまで一緒に活動してきた演奏者たちの実力が評価を受けたことにも誇りを感じる」と石田さん。今回の経験を踏まえ、「異なる文化を持つ人が何を求めるのか理解した上で日本の音楽の素晴らしさを伝える。その姿勢を大切にして、今後の制作にあたりたい」と思いを新たにしている。

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