戦後日本の合唱界をリードした指揮者で文化功労者の田中信昭さん死去、96歳

 戦後日本の合唱界をリードした指揮者で文化功労者の田中信昭(たなか・のぶあき)さんが12日死去した。96歳だった。葬儀は近親者で行う。5日に自宅で転倒して入院後、退院したばかりだった。

田中信昭さん

 1956年、東京芸術大卒業と同時に東京混声合唱団を設立し、常任指揮者に就任。柴田南雄、武満徹、三善晃ら多くの作曲家に新作を委嘱し、計460曲に及ぶ現代曲を初演した。たびたび海外公演を行い、オペラ指揮も手がけた。

 97年に同合唱団の 桂冠けいかん 指揮者となり、2007~13年には音楽監督を務めた。母校のほか、桐朋学園大や国立音楽大でも教べんを執るなど、晩年まで日本の合唱界を代表する顔として活躍した。

 今年8月31日、東京で同合唱団を指揮したのが最後の公演となった。16年文化功労者。

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