横澤夏子「ママも開き直っていいんだ」藤本美貴から教わった育児で、軽くなった肩の荷。2人が噛みしめる子育ての喜び
〈『夫が寝たあとに』異例の拡大はなぜ?藤本美貴&横澤夏子に聞いた番組ヒットの「3つの要因」〉から続く
放送開始時は17分の番組だったが、わずか1年で1時間番組へと異例のスピードで急拡大。“育児”や“家事”をテーマに掲げる深夜バラエティ番組『夫が寝たあとに』(テレビ朝日系/毎週火曜深夜0時15分 ※一部地域除く)が支持を集めている。番組の人気を支えるのは、MCの藤本美貴と横澤夏子が繰り広げるトークだ。なぜ、2人は幅広い層から共感を得るのか、その理由を探るべく、本人たちに話を聞いた。
藤本美貴の子育て方法で救われた横澤夏子
藤本美貴と横澤夏子がMCを務める深夜のバラエティ番組『夫が寝たあとに』の勢いが止まらない。
TVerのバラエティ番組視聴ランキングでは常に上位に入り、YouTubeやTikTokなど同番組の公式アカウントが配信する切り抜き動画は総再生数が5億回を突破している。
その人気の要因は何か、2人に質問したところ、横澤から「ミキティさんの子育てを世に知らしめたこと!」と答えが返ってきた。
横澤「よく、“怒らない育児って大事ですよ”って言われるじゃないですか。でも、ミキティさんは、“いや、大事なのわかるけど、怒らない育児ってできないよね”って開き直って言ってくれるのがすごいうれしくて(笑)。
それで心が軽くなるママが、いくらでもいると思う。私がその実例で、肩の荷がフッと下りるというか、めちゃくちゃ心が軽くなるんです。“ミキティさんもこう言ってたな”って」
藤本「はははは。番組のイベントとかでも“これでいいんだ、私も頑張れます”って言われる(笑)」
藤本と横澤はどちらも3児の子どもを持つママだが、「タイプは真逆」と2人は話す。
育児への取り組み方、そして子どもの年齢の違いは、トークの幅を広げる効果を生み出しており、藤本の子どもは現在、長男12歳、長女9歳、次女4歳。
一方、横澤の子どもは全員女の子で、上から5歳、3歳、1歳という構成だ。
「イライラ期」「反抗期」といった子どもの成長過程で訪れる様々な“壁”を一足先に経験している藤本の話は、横澤にとって貴重な学びや気づきになっているという。
藤本「私たちは、結構真逆な子育てだよね。私は適当(笑)。なっちゃんは、3人も子どもがいてそこまでしっかりやってるの?っていうくらいちゃんとしてる。
なっちゃんって、家に帰ったらすぐお風呂で(子どもたちの)足を洗わせるんですよ!」
横澤「そうなの。それが当たり前だと思ってたけど、ミキティさんは“床をぺろぺろ舐めるんじゃないんだから大丈夫でしょ”って(笑)」
藤本「なんなら菌を取り入れたら丈夫な子になるよ、みたいに冗談をかぶせたりね(笑)」
横澤「ちょっと昔というか、おばあちゃんの子育てみたいな(笑)。そういう考えもあるんだ、やっぱりすごく強いなって、毎回驚きますね」
「頑張りすぎている子育て世代をほぐしてくれる」
藤本の子育て方法に肩が軽くなったと話す横澤は、早速とあることを実践しただとか。
横澤「ミキティさんから聞いた話で実践しているのは、“ジャムは添えるだけ”っていうので(笑)。
パンにジャムを塗って小さな子どもに食べさせると、手がベトベトになっちゃうじゃないですか。ミキティさんは、まずパンを1口サイズに小さくして、ジャムはお刺身を食べるときの醤油みたいに、添えるそうなんです。
実際に試してみたら、手を汚さずに楽しそうに食べたんですよ!」
藤本「すいません、ろくでもないエピソードばっかりなんですよ~(笑)」
横澤「いや、そういう発想を教えてくれるところがすっごくうれしくて (笑)。
ミキティさんは、ちゃんと愛情は注いでるけど、壁にぶち当たった時に乗り越えなくていいんだよ、壁の横をすり抜ければいいんだよといった教え方。
その手の差し伸べ方が、ちょっと頑張りすぎている子育て世代をほぐしてくれるんです」
藤本の発想の転換や肩の力の抜き方に感銘を受けたと話す横澤。2人は笑顔で続ける。
藤本「私からすると、やっぱりなっちゃんはすごいなと思って。そんな丁寧にできない」
横澤「これでも、3人目になってだいぶ開き直れたんですよ。ママも開き直っていいんだって、新しい世界をミキティさんは教えてくれるんですよ!
本当、ミキティさんが芸能人になってくれて、この子育てをしている時に出会えてよかったってすごい思います」
藤本「こういうジャンルの違う2人のエピソードがあるので、話ががるっていうのもあると思います。似たような考え方だったら、こうはならなかったなって。そして、すごくなっちゃんは聞き上手なの。ママ会に、なっちゃんがいたら絶対盛り上がる(笑)」
横澤 「ははは、なにそれ~。でもそれでいうと、普通のママ会にミキティさんは絶対いないんですよ。ここまで開き直ってってくれる人はいないから稀な存在。だから、こういうママがテレビで出てくれていることがうれしいんです」
悩みや不安はあるものの、それを上回る喜びがあるのも子育てだ。最後に、子育てをしていてうれしかった瞬間を聞いた。
横澤「子どもたちの“初めて”の瞬間に立ち会えることですね。
例えば、自分が初めて雪を見た瞬間ってもう覚えてないじゃないですか。でも、子どもが初めて雪を見た瞬間、“怖い怖い”って言ったんです。
3歳の子が誕生日でイクラを初めて食べた瞬間も、“こういう顔するんだ”って感じました。そんな初めてがこれからいっぱいありますし、さらに3人分あるので楽しみです」
藤本 「大人になると達成感ってあまりなくなってくるけど、子育てをしてると、例えば自転車に乗れたねとか、それぞれの達成感を一緒に経験できる。喜びが自分だけじゃなく、人数分増えるっていうのはすごい思います」
番組内にて2人は、「まだまだ話し足りない」とよく口にしている。今回のインタビューも同様で話は尽きず、「お迎えの時間があるから」と終了することとなった。
2人が育児を通じて様々な経験を重ねていくことで、この番組はさらに面白くなり、多くの人の共感を得ていくのではないか。そんな風に感じさせてくれるインタビューとなった。
ヘアメイク:氏家恵子(藤本美貴)、豊田小百合(横澤夏子)
スタイリスト:大瀧彩乃(横澤夏子)
取材・文/羽田健治
10/31 06:00
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