バロック音楽の楽しみがここに! 第103回 グローバルクラシックコンサート

クラシック音楽の歴史の中でも、最も古い時代に分類されるバロック時代。中世・ルネサンスなどと共に「古楽(アーリーミュージック)」などと呼ばれることの多いバロックの言葉の意味は、「歪んだ真珠」を意味するポルトガル語だ。

アートや建築に音楽など、さまざまな分野へと広がったこの言葉は、当時流行のキーワードとなったことも興味深い。これはまさに、文化の発展途上を意味する言葉であり、完成に至る前の“いびつでバランスの悪い時代”を象徴する言葉だ。そして、その溌剌としたバランスの悪さこそが、バロック時代の面白さに違いない。

そのバロック時代を代表する作曲家が、ヨハン・セバスティアン・バッハ(J.S.バッハ)であることは言うまでもない。21世紀の今においても、“音楽の父”と称えられる彼の存在抜きに、クラシック音楽の歴史は語れない。そのJ.S.バッハが遺した名作の数々をたっぷり堪能しようというコンサートが開催される。

バッハ演奏のスペシャリスト、寺神戸亮(ヴァイオリン)率いる「富山バッハ管弦楽団」が演奏するプログラムは、「管弦楽組曲第2番」「ヴァイオリン協奏曲第1番」「ブランデンブルク協奏曲第5番」に「G線上のアリア」他という、バッハの代表作のオンパレード。バッハ好きはもとより、これからバッハ作品に親しもうという初心者にも楽しめること請け合いの内容だ。音楽室に飾られていた厳しい表情のバッハ像とは一味違う、優雅ではつらつとしたバッハの世界がここにある。

第103回グローバルクラシックコンサート

10月22日(火) 14:00開演
紀尾井ホール

●寺神戸亮(ヴァイオリン)

1961年生まれ。桐朋学園大学に学び、在学中の83年に日本音楽コンクール・ヴァイオリン部門で第3位入賞、84年同大学を首席で卒業すると同時に東京フィルハーモニー交響楽団にコンサートマスターとして入団、所謂モダン・ヴァイオリニストとしても将来を嘱望される存在だった。しかし、在学中より興味を抱いていたオリジナル楽器によるバロック演奏に専心するために86年に退団、オランダのデン・ハーグ王立音楽院に留学、シギスヴァルト・クイケンの下で研鑽を積む。同院在学中から演奏活動を始めると、直ちにその才能は広く認められる所となり、「レザール・フロリサン」「シャペル・ロワイヤル」「コレギウム・ヴォカーレ」などのヨーロッパを代表する古楽器アンサンブルのコンサートマスターを歴任、現在はシギスヴァルト・クイケンの絶大な信頼を得て「ラ・プティット・バンド」のコンサートマスターを務める。

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