佐藤流司×橋本祥平が俳優として大切にしていること「相手のためにお芝居をする」

舞台『邪魚隊/ジャッコタイ』が8月9日(金) よりサンシャイン劇場にて上演される。映画と舞台を完全連動させるプロジェクト【東映ムビ×ステ】の最新作で、今までにない「ミュージカル時代劇」となっている。

物語の舞台となるのは天下泰平の江戸時代。しかし、その平和な暮らしの影には、ごく一部の人間しか知らない特殊部隊「邪魚隊(ジャッコタイ)」がいた。全員が死刑囚である邪魚隊は、死刑免除と引き換えに闇仕事を請け負っていた。
そんな彼らの今回の任務は「誘拐された幕府要人の奪還」。さらに、向かう先となる謎だらけの孤島には、邪魚隊の一員であるスルメの過去が隠されていた。

今回、邪魚隊のリーダー・鱗蔵を演じる佐藤流司、今作のキーマンとなるスルメを演じる橋本祥平にインタビュー。
舞台『邪魚隊/ジャッコタイ』の魅力、現在行われている稽古の様子について聞いた。

映画から舞台へ。役の深まり方は?

――今回の舞台は映画に引き続き、というところですが、改めておふたりが演じられる役どころについてお聞かせください。

佐藤流司(以下、佐藤) 邪魚隊という悪党集団をまとめあげるリーダーが鱗蔵です。こちらの主観で見れば英雄に見えるし、あちら側からは悪役に見える。ダークなルフィという感じですね。

橋本祥平(以下、橋本) 僕演じるスルメは、ざっくり言うとカラクリと拷問が好きな役どころです。映画では人を拷問して楽しんでいたり、望遠鏡を使ったり、ローラーシューズを使ったり……自分で作ったカラクリを使って、ミッションをクリアしていく。戦闘員というよりもサポート系の役どころですね。

顔が隠れていたり、とわりと謎多き役なんですけど、舞台ではなぜ顔を隠していたのかがわかります。スルメの故郷である島に行って、いろんな人と出会い、映画のスルメとはまた違うような姿が見られるかと。
見てくださるお客さんは多分、驚きの連続なのかな、と思います。その辺を楽しんでいただけたら嬉しいですね。

――映画とから舞台へ、という形になりますが、役の深め方に変化はあったのでしょうか。

橋本 スルメの場合は、舞台の本をもらってだいぶ変わりましたね。でも、映画はもう公開されているものなので、その軸からブレないように、というところはあります。

映画のときは、ある程度は自分で「こういう過去があったんじゃないかな」というバックボーンを組み立てていたんですけど、今回の本をもらって「なるほど、そういうことなのか」ということもありました。大きく変わった部分と、変わらずに残そう、と思う部分がありましたね。

――変わらずに残そう、と思われたのはどういうところに?

橋本 やっぱり悪党ですし、映画では拷問のシーンは印象的だったので、そういう狂気的な部分は舞台でも垣間見える瞬間があるといいな、と思いますね。

――佐藤さんはいかがですか?

佐藤 変わらないですかね。鱗蔵という主人公を演じさせてもらうことで、プロデューサーさんや監督さん、今回だと演出家の方とお話をする機会がほかのキャストのみんなよりは少し多いんです。設定に関する話もしていますし、あまりぶれることはないかな、と思います。

カンパニー全体で作り上げていく

――スルメのルーツをたどることになるような物語かと思うのですが、脚本を読まれていかがでしたか?

橋本 「そうやってつながるのか!」だとか、いろいろと思いましたが、最初にもらった台本とはいろいろと中身が変わっているので、さらに物語を深めやすくなっていると思います。

――佐藤さんは鱗蔵として今回のスルメをどのように捉えていらっしゃいますか。

佐藤 スルメがどうなるかを、カンパニーで話し合って作っている最中なんですよ。大筋は決まっているんですけど、細かいところをもう少しみんなで詰めていこうかな、というところです。スルメをどう受け止めてもらえるかが、この作品の根幹に関わると思うのでみんなで丁寧に作っている最中です。きっと作中で麟蔵が感じることと、観に来てくださったお客様が同じ目線になる気がしていますね。

――映画でもみなさんでディスカッションしながら、ということだったかと思うんですけど、やはり今回も丁寧に話し合いをしながら進めていらっしゃるんですね。

佐藤 そうですね。やっぱり人間が作る作品ですし、しかもファンタジーの要素も入っていると、どうしても矛盾点なども出てきます。最初は、我々も一人のオーディエンスとして台本を読んでいるので、そのときに生じた「これってどういうことなんだろう?」という疑問をひとつずつ潰していっている感じですね。

――現在、稽古中というところで、難しいと感じていることだったり、上演に当たって楽しみにしていることをお聞かせください。

橋本 今回、2人でのパートがあって、すごく嬉しいんですけど、最近そのパートの振り付けをしたんです。彼が隣で踊っているわけじゃないですか。振り覚えが速すぎて、大変なんですよ、本当に!

佐藤 ははは!

橋本 ちょっと待ってくれよ! って。でも、できない人はできる人に合わせないといけないんで、もうヒーヒーです。

佐藤 なんだろうなあ。演出自体、最後までついていないんですよね。まだギリギリ、コメディパートの段階までぐらいなんです。起承転結の転のところに差し掛かっているところ。いまのところ、小柳心くんがずーっとふざけています(笑)。

そろそろ真面目なシーンにシフトしていくので、楽しみですね。個人的にシリアスなところが好きなんです。そこに心をおきたいので、大事に演じていきたいなと思いますね。

実は一緒にがっつりとお芝居をするのは初めて?

――ちなみに、お2人は共演機会というのは……

佐藤 共演ってしたことある?

橋本 実は、舞台は初めてなんですよね。映像では……。

佐藤 ありました?

橋本 あるんですよ。我々、F4みたいなのやっているので。

佐藤 F4……どれ?

橋本 サクセス荘。

佐藤 あぁ!(笑)。あれジャッコタイの前ですか?

橋本 前だね。それが初めてかな。

佐藤 祥平くんとはロクマチ(「ろくにんよれば町内会」)が初めてだと思っていたんで。

橋本 あー、そっか。

佐藤 だから共演がないなとずっと思ってて。

――なんとなく、おふたりは共演機会が多いのかな、というイメージがありました。

佐藤 そうなんですよね。

橋本 確かに。

佐藤 ちょっと待って、サクセス荘(『映画演劇 サクセス荘』)のほうが早いですか?

橋本 たぶん早い。

佐藤 もうわかんないな(笑)。正直、ちゃんとお芝居を見るのは今回が始めてなんですよね。サクセス荘は一発撮りということもあって人の芝居を気にしている余裕はなかったんですよ。自分のことでいっぱいいっぱいでした(笑)。
で、映画はあんまり一緒のシーンも多くなかったし、今回、初めてお芝居を見ている気がします。

――お互いお芝居を見られていかがですか?

橋本 「だから、いまのポジションあるんだよな」ということは感じています。居方というか、向き合い方というか……しっかりと旗を振ってくれるので、我々としてもついていきやすいですし、何をやらせてもできてしまう。カリスマ性は感じています。

佐藤 とは言え、まだ本域を見ていないんでね。お互いにまだ台本を持っていますし、作品を作っている最中なので。
でも本読みの段階で、7、8割ぐらい出しているな、って思っていました。俺は本を持っちゃうと2割ぐらいしか出せないんで。いやでも、祥平くんももしかしたら2割ぐらいなのかもしれないんですけど。

――ちなみに橋本さんご自身としては何割ぐらいなんですか?

橋本 でも、そうですね。7割ぐらいです(笑)

自分がいま、生きていると思える

――おふたりとも本当にいろんな役を演じていらっしゃるかと思うのですが、演じる上で大切にされているところ、芯としてずっと持っているものはどういったものでしょう?

橋本 相手のためにお芝居をする。

佐藤 間違いないですね。あとは、最初に思いついた芝居はしないようにしています。抑揚ひとつをとってもそうですし、立ち位置もそうですし、誰でも思いつく芝居はしないようにしています。

――もう1歩踏み込んだお芝居を。

佐藤 そうですね。自分で言うのもなんですけど、プロフェッショナルの仕事として心掛けています。お仕事としていただいている以上は「これはできないわ」と思わせなきゃいけない、という意気込みでやっています。

――最後に、映画と舞台、それぞれどういったところにおもしろさを感じるか、お聞かせください。

橋本 映画には映画の臨場感がありますよね。細かい表情を撮れるのがやっぱりいいところだと思いますし、舞台は舞台で、全体の絵としてその役全身を感じられます。両方に楽しさがありますけど、ナマモノだというところも舞台の魅力かな、と思います。

佐藤 主観的なことで言うと、映像は舞台のように、例えば稽古を1ヶ月半できます、というような時間は当然ないので、その日、そのときに役者が持ってきたお芝居によって、変わってくるし、相手がどういう芝居をするかによっても変わります。その瞬間の、本当のライブ感を個人的には感じることができて、映像は楽しいなって思いますね。

舞台は2時間なら2時間、3時間なら3時間、ぶっ通しでその役柄の人生を生き続けるし、止まれないので、自分自身がしんどければしんどいほど、「ああ、いま、生きているな」ということが実感できるのが非常に楽しいですね。
どちらにしても、自分が生きていると思えることが個人的には映像も舞台も含め、役者として好きなところですかね。

橋本 です!(笑)

――ありがとうございました!

撮影/友野雄、取材・文/ふくだりょうこ

佐藤流司
ヘアメイク:橋本紗希
スタイリスト:吉田ナオキ

橋本祥平
ヘアメイク:遠田ひとみ
スタイリスト:ヨシダミホ

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<公演情報>
舞台『邪魚隊/ジャッコタイ』

脚本:小西麻友
脚色・演出:毛利亘宏(少年社中)
音楽:和田俊輔
歌詞:藤林聖子

出演:
佐藤流司
阿久津仁愛 橋本祥平 小柳 心 廣瀬智紀
蘭舞ゆう 舟木 健(NORD) 竹野留里 井俣太良 小林郁大
松本寛也 森 大 中村誠治郎 輝馬 玉城裕規

【東京公演】
日程:2024年8月9日(金)~25日(日)
会場:サンシャイン劇場

【大阪公演】
日程:2024年8月30日(金)~9月1日(日)
会場:サンケイホールブリーゼ

【愛知公演】
日程:2024年9月4日(水)
会場:一宮市民会館

【石川公演】
日程:2024年9月7日(土)・8日(日)
会場:石川県立音楽堂 邦楽ホール

※各会場、開場は開演45分前より

価格 <全席指定> 9,500円(税込)※未就学児入場不可

チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2451160

<配信情報>
各種配信サービスにて映画『邪魚隊/ジャッコタイ』を先行配信中

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