シェーンベルクの名作を聴く 兵庫芸術文化センター管弦楽団 第152回定期演奏会

兵庫芸術文化センター管弦楽団(PAC)2023-24シーズン最終公演となる今回は、芸術監督、佐渡裕が指揮するシェーンベルクの大作『ペレアスとメリザンド』に注目だ。

今年生誕150年を迎えるウィーンの作曲家シェーンベルク(1874-1951)は、今年の“クラシック界の顔”といった存在だ。その彼が手掛けた交響詩『ペレアスとメリザンド』は、『青い鳥』で名高いベルギーの劇作家、メーテルリンクの戯曲を題材とした悲劇的な物語だ。

過去には、フォーレやドビュッシー、シベリウスなどがこの物語を音楽化してきただけに、作曲家たちの創作意欲を刺激する魅力的な素材に違いない。さてさてシェーンベルクの音楽やいかに。佐渡裕率いるPACの熱演が期待される。

この公演のもうひとつの注目が、ソリストとして参加するセリーナ・オット(トランペット)だ。オーストリア出身の彼女は、2018年のミュンヘン国際音楽コンクールにおいて、わずか20歳で、そしてコンクールの歴史の中で初の女性として、トランペット部門の1位を獲得した逸材だ。彼女がソロを務める、アルチュニアンの「トランペット協奏曲」と、ベルステッドの、「ナポリ〜トランペットのためのナポリ民謡の変奏曲」は聴き応え十分。今シーズンのラスト公演に華を添える素敵なステージが楽しみだ。

兵庫芸術文化センター管弦楽団
第152回定期演奏会 佐渡 裕 ペレアスとメリザンド

■チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2310189

8月2日(金)、3日(土)、4日(日) 15:00開演
兵庫県立芸術文化センター

アルチュニアン:トランペット協奏曲
ベルステッド:ナポリ~トランペットのためのナポリ民謡の変奏曲
シェーンベルク:交響詩「ペレアスとメリザンド」op.5

指揮・芸術監督/佐渡裕
トランペット/セリーナ・オット
管弦楽/兵庫芸術文化センター管弦楽団

●セリーナ・オットSelina Ott(トランペット)
オーストリア出身。2018年、ミュンヘン国際音楽コンクールにわずか20歳で、そしてコンクールの70年の歴史の中で初の女性として、トランペット部門の1位を獲得。以降、マリインスキー劇場交響楽団、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン交響楽団、佐渡裕指揮トーンキュンストラー管弦楽団、ウィーン放送交響楽団、WDR交響楽団、ベルリン・ドイツ交響楽団など、欧州の一流オーケストラにソリストとして次々に招かれている。
ウィーン国立音楽大学でマルティン・ミュールフェルナーに師事。カールスルーエ音楽大学でラインホルト・フリードリヒに師事。ウィーン市立音楽芸術大学でローマン・リンドベルガーに師事。
2020年10月、Orfeoレーベルより、アルチュニアン、ペスキン、デセンクロスの作品を収録したデビュー・アルバム「トランペット協奏曲」(パテルノストロ指揮ウィーン放送交響楽団/Orfeo)をリリース。本作で2021年のオーパス・クラシック賞≪コンチェルト録音(トランペット部門)≫部門を受賞した。現在までにOrfeoより3枚のアルバムをリリースしている。

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