名作『コーラスライン』の作者エドワード・クレバンの自伝的ミュージカル『クラスアクト』本日開幕

ミュージカル史に燦然と輝く『コーラスライン』の作詞家エドワード・クレバンの人生を、彼自身が作詞・作曲した楽曲によって描き、2000年にオフ・ブロードウェイで初演されたのちにブロードウェイ進出も果たした『クラスアクト』。日本でも何度か上演歴のあるこの自伝的ミュージカルを、新たに西田直木が翻訳・演出するプロダクションが、本日5月30日(木)にサンシャイン劇場で開幕する東京公演を皮切りに全国を回る。

物語の舞台は1988年のブロードウェイ。『コーラスライン』を上演中のシューバート劇場で、前年に亡くなった同作の作詞家、エド・クレバン(筧利夫)のお別れの会が開かれている。故人に思いを馳せる、最初の恋人ソフィ(紫吹淳)、最後の恋人ルーシー(高橋由美子)、『コーラスライン』の作曲家マーヴィン(吉田要士)、エドらが学んだワークショップのリーマン先生(ブラザートム)ら。エドと切磋琢磨してきた友人たちは、エドからそれぞれに贈られた最後のメッセージを受け取り、初めて彼の真実の姿を知ることとなる――。

ブロードウェイミュージカル『クラスアクト』稽古より(撮影:嶋田真己)

ブロードウェイミュージカル『クラスアクト』稽古より(撮影:嶋田真己)

『コーラスライン』と言えば、1976年のトニー賞で『シカゴ』などを抑えて主要部門を独占し、1984年には当時のブロードウェイ史上最長のロングラン記録を樹立した名作。最終的に足掛け16年に及んだ記録は今なお、『美女と野獣』や『RENT』を抑えて歴代7位の座に君臨する。エドワード・クレバンは同作で作詞家としてトニー賞に輝いたが、『クラスアクト』で明かされるように、本人は作詞以上に作曲で認められたがっていたという。48歳の若さで病死したため、その夢が生前に叶うことはなかったが、彼の遺した楽曲で構成された『クラスアクト』は、2001年のトニー賞で作品賞や楽曲賞にノミネートされた。

名作のバックステージが垣間見えるミュージカルであると共に、その生みの親の夢を死後に叶えたという側面も持つ『クラスアクト』。その物語は、エドワード・クレバンの死後40年近くが経った今の日本の観客の胸に、果たしてどのように響くのだろうか。

文:熊田音子

<公演情報>
ブロードウェイミュージカル『クラスアクト』

作曲・作詞:エドワード・クレバン
脚本:リンダ・クライン、ロニー・プライス
オリジナル・ブロードウェイ版演出:ロニー・プライス

<日本版スタッフ>
日本語台本(訳詞含)・演出:西田直木
振付:川崎悦子
音楽監督:宮崎誠

出演:筧利夫 / 紫吹淳 /
高橋由美子 / 吉田要士 / ブラザートム /
松岡美桔 / 星野真衣 / 広田勇二 / 平山トオル / 吉田潔 / 市川由希

2024年5月30日(木)~6月2日(日)
会場:東京・サンシャイン劇場
※8/3(土)まで全国ツアー公演あり

チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2449754

公式サイト:
https://aclassact.jp/

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