野島裕史「富士ヒル」大反省会 念願の90分切りはならずも醍醐味を再確認「大人数で参加するのは本当に楽しかった」

声優界随一のサイクリスト・野島裕史がパーソナリティをつとめ、自転車をテーマにお届けするTOKYO FMのラジオ番組「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」。7月7日(日)の放送は、6月2日(日)に開催された「FUNRiDE presents 富士の国やまなし 第20回Mt.富士ヒルクライム」の振り返り特集をお届けしました。


パーソナリティの野島裕史



◆富士ヒルこぼれ話、大会前日の夜は…

野島:今回は6月2日(日)に開催された「FUNRiDE presents 富士の国やまなし 第20回Mt.富士ヒルクライム(以下、富士ヒル)」を振り返りながら、個人的に多々ある反省点を洗い出しつつ、参加メンバーとのこぼれ話もお話していきたいと思っております。

改めて「富士ヒル」の紹介をしますと、これは富士山の5合目を目指して富士スバルラインを駆け登る全長約24km、標高差1,255m、日本最大級のヒルクライムレースです。しかも、今年は記念すべき20回大会ということで、番組からは過去最多の豪華メンバーで参戦しました。

参加メンバーは私・野島と声優自転車チーム「VOICYCLE」のメンバー、イトケンこと伊藤健太郎くん、勝杏里くん、井上和彦大先輩。そして、石垣島トライアスロン仲間の石田純治さん、アニメーション監督の大地丙太郎さん。この番組の小西プロデューサーの計7人ということで、大地さんが名付けたのは“富士ヒルセブン”。レースの上位7人みたいな感じですが、そんなことはありません。エンジョイ富士ヒルセブンでございます(笑)。

そんな富士ヒルセブン、行きは車何台かに分かれて大会会場である富士北麓公園に向かいました。先週も話しましたけど、去年も行ったうどん屋さんで合流し、そこでカーボローディングをして英気を養ったわけですが、会場に着いたときは本当に天気が良くて。サイクルエキスポも出店数が多くてめちゃくちゃ楽しかったです。

それと、「富士ヒル」20回記念の仮装パレード走行もあったんですよね。皆さん富士山をテーマにした仮装をされていて面白かったんですが、意外や意外、結構顔見知りが多くて。自転車業界に知り合いがかなり増えてきたなと思ったりもしました。自転車ショップの店員さんやヒルクライムの練習仲間なんかもいて、ワイワイガヤガヤと楽しいパレード走行でしたね。僕は参加しなかったんですけど、機会があったら出てみたいなと思いました。

その後、みんなで夕食を食べに行ったんですけど、サイクルエキスポでは小西プロデューサーが「富士ヒル」に合わせて自転車のフィッティングをしてもらったので、その際にフィッティングの先生にいろいろお話を伺ったんですよ。大会前日は何を食べたらいいのかとかたくさんご教授くださって、(大会前日は)避けたほうがいい食べ物に“焼肉”があったんです。なのに、この日の夕食、みんなで行ったのは焼肉屋さんだったんですよね(笑)。

僕らはそこまでストイックではなくエンジョイライドのチームですから、みんなで楽しく焼肉をいただいたわけですが、僕はちょっといつもの焼肉の食べ方とは変えました。普段は一切ご飯(白米)を食べず、肉ばかり食べるタイプなんですよ。でも、この日は大盛りご飯と一緒に焼肉をいただきました。大会前日には食べないほうがいいという焼肉を控えつつ、カーボローディングできるように白飯をたっぷりいただきました。

あと、(大会前日に)アルコールは絶対にダメだと思っていたんですけど、そのフィッティングの先生から「ちょっとならいいんじゃないですかね」という頼もしいお言葉をいただいたので、ビールを1杯だけいただきました。本当に1杯でやめて、あとはノンアルコールビールで宴会を楽しみました。

いつもだったらその後もみんなで集まって、朝まで部屋飲みしたいところなんですが、この日はさすがにそれを控え、みんな22時くらいには就寝。なにしろ翌朝は4時起床だったので、僕もしっかり寝ることができました。

それが功を奏したのか、我々富士ヒルセブンは翌日全員完走。ですが、私・野島と小西プロデューサーの2人だけが目標達成ならず……。その原因はどこにあったのか、自己分析していきたいと思います。

◆自転車のカスタマイズは成功! しかし、体のほうは…

他のメンバーよりも少し高い目標だったとはいえ、我々2人はなぜ目標を達成できなかったのか。今回は本当に悔しかったですね。今年こそ90分切りと何回言ってきたか……という感じですが、改めて自己分析していくと、バイク自体は事前にカスタマイズに成功していたんですよ。

今回はハンドルをつなげるステムを若干短くし、より自分の体に合った長さにしました。僕はケイデンス(ペダルの回転数)を上げて登っていくタイプなので、クランクというペダルをつけてグルグル回すところの長さも自分の足に合わせて若干短くしたり、さらにはペダルも変えました。

これはお気に入りのペダルがあったからなんですが、Wahoo(ワフー)さんのペダルに変えたらすごいですね。踏み込むときの密着度というか、パワーの伝わり方が良くて。ぶっちゃけ、あまり効果は期待していなかったんですけど、踏み込んだときの力のかかり具合が最新のペダルのほうがいいんだなと改めて感じました。ということで、バイクは特に問題ないですね。

つまり、僕の体に問題があるということなんですね。事前のトレーニングは職業柄時間が全然取れず、以前ゲストに来ていただいたヤマケンさんこと、スポーツ自転車専門のWEBメディア「FUNRiDE」のスタッフ兼サイクルジャーナリスト・山本健一さんにトレーニング方法を伺って、大会1ヵ月前、1週間前、前日はどうしたらいいかみたいなことを聞いていたのですが、全然その通りにことが運ばず……そこは大きく反省すべきところです。

しかもですよ、今回特に反省すべきところは、今年の初ヒルクライムが「富士ヒル」だったんです。毎年(「富士ヒル」前に)1回ないし2回はどこかに登っているんですけど、今年は全然時間が取れず、あとは体調不良とかいろいろ重なりまして……。1月にはコロナに罹り体力が落ち、回復後しばらくしてインフルエンザになったり。そうして早い段階で体調不良があり、その後は仕事が忙しくなってしまい……トレーニング不足は完全に認めるところです。

その後、5月に入って慌ててジムに行き、遠くまで登りに行けないのでエアロバイクを重めに設定して回していたのですが、その点はちょっと効果があったのかなと思いました。ジムも24時間やっているところで、ロードバイクというよりママチャリスタイルで漕がないといけなかったんですけど、何もしないよりはいいだろうと頑張りました。あと、通勤はできるだけ自転車に乗り、普段よりも重めのギアで筋トレをするかのように漕いでいたんですけどね。なかなかそれだけでは足りなかったのかなと思います。

◆目標が達成できなかった要因は…?

改めてレースを振り返ってみると、前半の段階で心拍を上げすぎない、力を出しすぎないことを心がけていたのですが、それは正解でしたね。今回、一番気をつけていたのが心拍数でした。なぜかというと、去年出走したときに心拍が上がりすぎて、苦しくて苦しくて力を出しきれなかった印象があったんです。なので心拍数が上がりすぎないように、今回はずっと心拍計を、なんなら10秒~20秒に1回のペースで見ながら登っていたら確かに楽に登ることができました。

しかも、しっかりと足の筋肉を使い切った感じでゴールすることができました。ただ、ちょっと脚が売り切れるのが早かった印象もあります。その原因は完全にトレーニング不足。ヒルクライムのための筋肉不足&スタミナ不足だと感じましたけど、今まで「富士ヒル」に参加したなかで、今回は自分の欠点を具体的に感じることができ、冷静に自分を見ることができたのは、多分心拍が上がりすぎないように抑えていたからかなと思います。

実際、心拍のデータを去年と今年で見比べてみたんですけど、去年は前半に心拍が上がりすぎて、後半につれて下がり、パワーが出ないという状態に陥っていたんですね。しかし、今年は心拍を徐々に上げていって、後半も下げることなくゴールまでたどり着いているんです。ということは、パワーがあれば後半もパワーを落とさず、速度を落とさずにいくことができたんじゃないかと思うのですが、まあ単純な話、トレーニングをすればいいんですけどね(笑)。

今回、実は上りながらトレーニング不足を感じていました。「これはもう声優を辞めるしかないのかな……」と思うくらいトレーニング不足を痛感しました。声優を辞めるのは大袈裟ですけど、(目標達成のためには)若干仕事を抑えないといけないのかなと思ったのですが、やはり仕事を続けながらトレーニングをする方法、両立する方法を改めて考え直していかなきゃいけないなと思いました。

ただ、その点では先ほどのジムでのエアロバイクは大いに取り入れていきたいと思います。ジムで1時間半、本気でパワーを出して漕ぎ続けていけば、とりあえず足を回す筋肉、スタミナをつけることができるんじゃないかと思っているので、それはやっていきたいと思います。

あとは、自宅にスペースを作って、Zwift環境を整えたい! Zwiftというのは、ロードバイクを使った室内トレーニングなんですけど、それをすれば声優業を続けながら、忙しい中でもトレーニングができるんじゃないかと思いますが、やはり反省点はトレーニングしかないですね。

(今年のタイムは)98分、(目標の90分切りまで)残り8分、これは短いようでやはり大きいですね。どうしたら縮められるだろうかと思いますが、やっぱりトレーニングだなと感じました。あと、これは言い訳なんですけど、やっぱり若い頃よりトレーニングをしても体力アップが遅いですね(苦笑)。前は1週間トレーニングをすればグッと体力が上がったんですけど、今は1週間や2週間じゃなかなか上がらないと痛感しました。

かつてこの番組で(日本最大の自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン(TOJ)」大会組織委員会委員長の)栗村修さんと話をした50代の体力を受け入れることとか、いろいろなことを反省点とともに走馬灯のように思い出した今回の「富士ヒル」でしたが、来年に向けた課題は具体的になりましたし、全然へこむことはありませんでした。

いい意味でへこまず、90分切りへのモチベーションはより一層上がったので、過去最多のメンバー、富士ヒルセブンで参加した今回は本当にエンジョイできたなと思いました。なにより大人数で参加するのは本当に楽しかったですし、これこそ「富士ヒル」の醍醐味だと改めて思いました。ということで、来年こそ90分切りを頑張るぞ!

7月14日(日)の放送は、「Mt.富士ヒルクライム」の企画協力をおこなっているスポーツ自転車専門のWebメディア「FUNRiDE」の山本健一さんをゲストに迎えて、記念すべき今年の20回大会を一緒に振り返ります。お楽しみに。

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<番組概要>
番組名:サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国24局ネット
放送日時:TOKYO FMは毎週日曜 朝5:00~5:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトおよびアプリ「AuDee(オーディー)」でご確認ください)
パーソナリティ:野島裕史
番組Webサイト:http://www.jfn.jp/toj

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