自転車声優・野島裕史、富士ヒル記録更新を目指して愛車改良 ハンドル、サドル、クランク交換で手応え十分!
声優界随一のサイクリスト・野島裕史がパーソナリティをつとめ、自転車をテーマにお届けするTOKYO FMのラジオ番組「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」。6月9日(日)放送は、野島裕史のサイクルコラム「富士ヒルに向けた自転車カスタム」をお届けしました。
◆約10年乗っている愛車にガタが…
野島:この放送をお届けしている頃には終わっているであろう「富士の国やまなし 第20回Mt.富士ヒルクライム(以下、富士ヒル)」(6月2日(日)開催)。果たしてどうなっていることやら……この収録の段階ではまだわからないのですが、僕はこれまで何回挑戦しても目標タイムには届きませんでした。
とはいえ、収録している現段階では体の調子は最高なんです。なんとかこの状態を維持して、健康面に細心の注意を払いながら無理のない範囲でトレーニングをしているのですが、最近、自転車の故障がちょっと多いんですよね。
どうもマシンの調子が悪いなと思っていたんです。でも、それもそのはず、僕のメインマシンであるチタンボディのオーダーフレームの自転車、これはヒルクライム用に作った自転車なんですが、もう乗り始めて9年以上、そろそろ10年になるくらい長く乗っているので、さすがにガタがきているようです。
全てのパーツを自分でこだわって集めた自転車だけあってすごく愛着があり、(約10年間)乗っていても飽きるどころか今見ても惚れ惚れしてしまう、というくらい気に入っています。しかし、いくら大事に扱っていてもガタはきてしまいます。そこで「メンテナンスをしよう! ついでにカスタムもしてしまえ!」 ということで、実際にカスタムをしました。今回はそれについてお話したいと思います。
まずは、ハンドルを変えました。以前は自転車本体とハンドルをつなぐステムが一体となった「ステム一体型エアロハンドル」を使っていたのですが、今回はステムを別の仕様にしました。これは先日の「石垣島トライアスロン2024」に出たときに、“DHバー”(ハンドルの中心部分に付ける肘置き付きの2本の棒で、より深い前傾ポジションが可能になる)を付けるために変えたのですが、今回新しいハンドルにしたことで100gの軽量化にもなったので、「富士ヒル」に向けて役立っているなと思います。
実は、僕はもっと軽いステムとハンドルのパーツを持っているんですよ。でも、僕は見た目も気に入っているものにしたいんですよね。見た目なので完全に自己満足の世界ですが、(見た目で選んだがために)一番軽いものを使ったわけではないんですけど、結果として100g軽量化することができました。僕は軽さよりもモチベーションを重視する傾向があるものの、それでも軽くなったのは嬉しいですね。
続いては、ボロボロになりつつあったサドルも交換しました。サドルはもともと付いていたものも充分軽かったので同じものが欲しかったんですけど、約10年前に売られていたものなのでなかなか探すのが難しくて。別に新しいものを買ってもよかったんですけど、気に入っている形、そして軽さだったのでフリマサイトやオークションサイト、中古ショップなどを探していたら新品同様のものが見つかり、それに交換しました。
◆野島もビックリ! たった5mmの違いでも…
そしてメイン、今回最大のカスタムがクランクです。クランクというのはペダルとギアをつなぐ部分なんですが、これまでは170mmという標準的な長さのものを使っていたんです。ほとんどの人に合うサイズのですが、僕の身長と脚の長さに対しては若干長かったんですよね。とはいえ、170mm以下のサイズのクランクは市場になかなか出回っていなくて、この自転車を作った当時は仕方なく今のクランクを購入して装着したという経緯があるんです。乗っている間に体も慣れていくかなと思っていたのですが、やっぱりちょっと大きいなという違和感も抱いていました。
さらにいうと、僕は日頃からペダルを漕ぐ力“トルク”よリ、ペダルを漕ぐ回転数“ケイデンス”で登りを攻めていくタイプで、そうなるとクランクの長さが大事なんじゃないかと思っていたのですが、これまた10年以上前のパーツで、もともと市場に少ないだけになかなか出会えなかったんです。ですが、幸運なことに中古自転車ショップで状態のいい中古の165mm、これまで使っていたものと同じブランドCampagnolo(カンパニョーロ)の10年前のクランクを見つけ、「これはレアだ!」と思ってすぐに買っちゃいました。
レアなパーツを見つけるとやってしまうことがあるんですよね。今回も(購入後)数日間、そのクランクを手に持ちながらお酒を飲んでしまいました(笑)。「これはなかなか手に入らないものなんだよな~」とか言いながらニヤニヤと(クランクを)見つめ、ビールやワインを飲んだりしていたわけなんですが、「このパーツはそっちじゃない。『富士ヒル』とかレースに使うために買ったんだ!」と心を入れ直し、自分でクランク交換に初挑戦しました。
古いクランクを外すのはネジがさびかけていたのこともあって、少し手間取りましたが、取ってしまえば意外と簡単でしたね。そして、クランクを取った状態の自転車を見ることもなかなかないので、とてもいい経験でした。でも、クランクを外してみると、それを支えているボトムブラケット、BBと呼ばれる部分と接触する大事な駆動部分、ベアリングになんとサビがあってボロボロな状態でした。
普段、自転車を漕いでいて「ちょっとゴリッとするな」とは思っていたんですが、実際にその部分を見てみるとかなりガリガリと回っている状態だったので、これはクランクを交換してよかったなと改めて思いました。もちろんクランクを外してしっかりと洗浄し、グリスもたっぷりと塗ってから新しいベアリングを装着し、クランクをセットしました。普段はあまり見えない部分なので、サビを見つけただけでも交換してよかったなと思いましたね。
そして、その自転車に実際に乗ってみると、クランクを170mmから165mm、たった5mmしか変わらないんですけど、漕いだ感じがめちゃくちゃフィットしました。なんでもっと早く交換しなかったのかって思うくらい体にフィットしました。普段からこの番組で「自転車のサイズは大事!」とか言っていますが、たった5mmでも違うんだと改めて感じました。
ぶっちゃけ、ネットなどで調べてみると「ヒルクライムは長めのクランクのほうが、トルクが効いていい」という説もあるんですけど、個人的には短くしたほうが脚が回りやすくて、体のブレも少なくなって圧倒的によくなりました。
自転車も万全、体も万全ということで、これだけ条件が揃えば、この放送の頃には僕は「富士ヒル」で90分を切り、おいしいお酒を飲んでいるんだろうなあ……。それは後日わかりますが。
6月16日(日)「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」は、5月に開催された日本最大の自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン」について、大会組織委員会委員長の栗村修さんとともに振り返ります。どうぞお楽しみに。
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▶▶この日の放送内容を「AuDee(オーディー)」でチェック!
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<番組概要>
番組名:サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国24局ネット
放送日時:TOKYO FMは毎週日曜 朝5:00~5:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトおよびアプリ「AuDee(オーディー)」でご確認ください)
パーソナリティ:野島裕史
◆約10年乗っている愛車にガタが…
野島:この放送をお届けしている頃には終わっているであろう「富士の国やまなし 第20回Mt.富士ヒルクライム(以下、富士ヒル)」(6月2日(日)開催)。果たしてどうなっていることやら……この収録の段階ではまだわからないのですが、僕はこれまで何回挑戦しても目標タイムには届きませんでした。
とはいえ、収録している現段階では体の調子は最高なんです。なんとかこの状態を維持して、健康面に細心の注意を払いながら無理のない範囲でトレーニングをしているのですが、最近、自転車の故障がちょっと多いんですよね。
どうもマシンの調子が悪いなと思っていたんです。でも、それもそのはず、僕のメインマシンであるチタンボディのオーダーフレームの自転車、これはヒルクライム用に作った自転車なんですが、もう乗り始めて9年以上、そろそろ10年になるくらい長く乗っているので、さすがにガタがきているようです。
全てのパーツを自分でこだわって集めた自転車だけあってすごく愛着があり、(約10年間)乗っていても飽きるどころか今見ても惚れ惚れしてしまう、というくらい気に入っています。しかし、いくら大事に扱っていてもガタはきてしまいます。そこで「メンテナンスをしよう! ついでにカスタムもしてしまえ!」 ということで、実際にカスタムをしました。今回はそれについてお話したいと思います。
まずは、ハンドルを変えました。以前は自転車本体とハンドルをつなぐステムが一体となった「ステム一体型エアロハンドル」を使っていたのですが、今回はステムを別の仕様にしました。これは先日の「石垣島トライアスロン2024」に出たときに、“DHバー”(ハンドルの中心部分に付ける肘置き付きの2本の棒で、より深い前傾ポジションが可能になる)を付けるために変えたのですが、今回新しいハンドルにしたことで100gの軽量化にもなったので、「富士ヒル」に向けて役立っているなと思います。
実は、僕はもっと軽いステムとハンドルのパーツを持っているんですよ。でも、僕は見た目も気に入っているものにしたいんですよね。見た目なので完全に自己満足の世界ですが、(見た目で選んだがために)一番軽いものを使ったわけではないんですけど、結果として100g軽量化することができました。僕は軽さよりもモチベーションを重視する傾向があるものの、それでも軽くなったのは嬉しいですね。
続いては、ボロボロになりつつあったサドルも交換しました。サドルはもともと付いていたものも充分軽かったので同じものが欲しかったんですけど、約10年前に売られていたものなのでなかなか探すのが難しくて。別に新しいものを買ってもよかったんですけど、気に入っている形、そして軽さだったのでフリマサイトやオークションサイト、中古ショップなどを探していたら新品同様のものが見つかり、それに交換しました。
◆野島もビックリ! たった5mmの違いでも…
そしてメイン、今回最大のカスタムがクランクです。クランクというのはペダルとギアをつなぐ部分なんですが、これまでは170mmという標準的な長さのものを使っていたんです。ほとんどの人に合うサイズのですが、僕の身長と脚の長さに対しては若干長かったんですよね。とはいえ、170mm以下のサイズのクランクは市場になかなか出回っていなくて、この自転車を作った当時は仕方なく今のクランクを購入して装着したという経緯があるんです。乗っている間に体も慣れていくかなと思っていたのですが、やっぱりちょっと大きいなという違和感も抱いていました。
さらにいうと、僕は日頃からペダルを漕ぐ力“トルク”よリ、ペダルを漕ぐ回転数“ケイデンス”で登りを攻めていくタイプで、そうなるとクランクの長さが大事なんじゃないかと思っていたのですが、これまた10年以上前のパーツで、もともと市場に少ないだけになかなか出会えなかったんです。ですが、幸運なことに中古自転車ショップで状態のいい中古の165mm、これまで使っていたものと同じブランドCampagnolo(カンパニョーロ)の10年前のクランクを見つけ、「これはレアだ!」と思ってすぐに買っちゃいました。
レアなパーツを見つけるとやってしまうことがあるんですよね。今回も(購入後)数日間、そのクランクを手に持ちながらお酒を飲んでしまいました(笑)。「これはなかなか手に入らないものなんだよな~」とか言いながらニヤニヤと(クランクを)見つめ、ビールやワインを飲んだりしていたわけなんですが、「このパーツはそっちじゃない。『富士ヒル』とかレースに使うために買ったんだ!」と心を入れ直し、自分でクランク交換に初挑戦しました。
古いクランクを外すのはネジがさびかけていたのこともあって、少し手間取りましたが、取ってしまえば意外と簡単でしたね。そして、クランクを取った状態の自転車を見ることもなかなかないので、とてもいい経験でした。でも、クランクを外してみると、それを支えているボトムブラケット、BBと呼ばれる部分と接触する大事な駆動部分、ベアリングになんとサビがあってボロボロな状態でした。
普段、自転車を漕いでいて「ちょっとゴリッとするな」とは思っていたんですが、実際にその部分を見てみるとかなりガリガリと回っている状態だったので、これはクランクを交換してよかったなと改めて思いました。もちろんクランクを外してしっかりと洗浄し、グリスもたっぷりと塗ってから新しいベアリングを装着し、クランクをセットしました。普段はあまり見えない部分なので、サビを見つけただけでも交換してよかったなと思いましたね。
そして、その自転車に実際に乗ってみると、クランクを170mmから165mm、たった5mmしか変わらないんですけど、漕いだ感じがめちゃくちゃフィットしました。なんでもっと早く交換しなかったのかって思うくらい体にフィットしました。普段からこの番組で「自転車のサイズは大事!」とか言っていますが、たった5mmでも違うんだと改めて感じました。
ぶっちゃけ、ネットなどで調べてみると「ヒルクライムは長めのクランクのほうが、トルクが効いていい」という説もあるんですけど、個人的には短くしたほうが脚が回りやすくて、体のブレも少なくなって圧倒的によくなりました。
自転車も万全、体も万全ということで、これだけ条件が揃えば、この放送の頃には僕は「富士ヒル」で90分を切り、おいしいお酒を飲んでいるんだろうなあ……。それは後日わかりますが。
6月16日(日)「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」は、5月に開催された日本最大の自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン」について、大会組織委員会委員長の栗村修さんとともに振り返ります。どうぞお楽しみに。
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<番組概要>
番組名:サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国24局ネット
放送日時:TOKYO FMは毎週日曜 朝5:00~5:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトおよびアプリ「AuDee(オーディー)」でご確認ください)
パーソナリティ:野島裕史
番組Webサイト:http://www.jfn.jp/toj
06/15 11:47
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