監督として5度の日本シリーズ制覇! 工藤公康“選手の育成”と“子育て”の共通点は「時間をつくってあげること」その真意とは?
藤木直人、高見侑里がパーソナリティをつとめ、アスリートやスポーツに情熱を注ぐ人たちの挑戦、勝利にかける熱いビートに肉迫するTOKYO FMのラジオ番組「SPORTS BEAT supported by TOYOTA」(毎週土曜 10:00~10:50)。6月15日(土)の放送は、元プロ野球選手の工藤公康(くどう・きみやす)さんをゲストに迎えて、お届けしました。
工藤さんは、1963年生まれ愛知県出身の61歳。1982年に名古屋電気高校(現:愛知工業大学名電高等学校)卒業後、西武ライオンズ(現:埼玉西武ライオンズ)に入団。以降、福岡ダイエーホークス(現:福岡ソフトバンクホークス)、読売ジャイアンツ、横浜ベイスターズ(現:横浜DeNAベイスターズ)などに在籍し、現役中に14度のリーグ優勝、11度の日本一に輝き“優勝請負人”とも呼ばれています。
プロ野球選手として実働29年間もマウンドに立ち続け、2011年に正式に引退表明。通算224勝のほか、最優秀選手(MVP)2回、最優秀防御率4回、最高勝率4回など数多くのタイトルに輝き、2016年には野球殿堂入り。また、2015年から福岡ソフトバンクホークスの監督に就任し、2021年退任までの7年間に5度の日本シリーズを制覇しました。
◆名選手・名監督の子育て法とは?
藤木:工藤さんのお子さまも活躍されていて、長女の工藤遥加(くどう・はるか)選手はプロゴルファーとして、去年ステップ・アップ・ツアーで優勝、長男の工藤阿須加(くどう・あすか)さんは、テニスを頑張っていらっしゃいましたけれども(俳優として)芸能界に進まれました。(進路について)相談されたことはありましたか?
工藤:相談は受けたことがあって、そのとき妻は「大学を卒業してからでも……」という話をしていましたが、僕はどちらかというと“その道に進みたい!”と思った瞬間を大事にしてあげたくて。だから、ちゃんと“大学を卒業すること”という条件はつけたんですけど、(相談されたタイミングで)僕が「うん」と言ってしまったので、後で妻に怒られました(苦笑)。
子どもの頃からずっと伝えてきたことは、最終的にはすべて(自分で決断したことは)自分で責任を取らなければならないし、家族ができたら家族を守っていかなければならない。
だから、しっかり責任を持てるのであれば、親として反対することは何もなくて、その道に進みたいんだったら、頼るところは頼って、頑張るところはしっかり頑張って(その姿を)しっかり見せていかなきゃいけない、ということは伝えていました。
藤木:選手だけではなく、監督としても輝かしい実績を残された工藤さんですが、監督としての“選手育成”と親としての“子育て”というところで、何か共通点はあったりしますか?
工藤:“ちゃんと時間をつくってあげる”ということですね。考える時間や決断する時間をつくってあげる。例えば、親に何か聞かれたとき、すぐに「こうしたいと思う」と明確に答えることってなかなか難しいじゃないですか。でも、時間が経てば自分の考えがまとまってくるので、(意見が)言えるようになるんですよ。
だから、パっと言われてもすぐに動けなかったり、自分の言葉として伝えられないときは、時間をつくってあげればいいんです。そして(質問した側も)「どうするんだ!?」「すぐに答えを出せ」じゃなくて、「じゃあ考えておこうな」と。
◆モチベーションを維持するために必要なこと
藤木:試合に出られる選手、特にスタメンの選手はDHを含めても10人しかいません。そのなかで、選手みんなのモチベーションをずっと保ち続けさせるのは、とてつもない作業ですよね。
工藤:そうなんですけど、一人ひとり必ず役割があるので。“試合に出られないからやることがない”ではなくて、ベンチにいるんだったら、試合の状況に合わせて、自分の出番をしっかり選手に考えてもらったり、僕らが「お前はこういうところで使うよ」と言ってあげたりして、出てもらう場面をちゃんと伝えてあげると、選手はそれなりの用意をするんですよ。
それがルーティン化できると、何も言わなくても選手が勝手に自分で(考える時間を)つくるようになるんです。すると、今度は自分のやるべき仕事に集中できるようになるので成績も残りやすい、というところはあります。
藤木:6月23日(日)に出版される工藤さんの著書「プロ野球の監督は中間管理職である」(日本能率協会マネジメントセンター)を拝読したのですが、監督は中間管理職のようだということですか?
工藤:僕はそう思っているんですけど、人によっては“チームのトップ”だと思っていらっしゃる方もいるかもしれない(笑)。ただ、今の球団のシステムとして(一番上に)社長がいて、その次にGM(ジェネラルマネージャー)がいます。
今メジャーでは30球団どこもGM制度を使っているのですが、その人が昔でいう「球団統括本部長」などと呼ばれていた人たちで、ある意味、現場に近い人たちのトップなんです。その下が監督になるので、そう考えると監督は中間管理職かなと僕は思っています。
藤木:GMからは、どのような要望があるのですか? チーム戦術とかに関しては、すべて(監督に)任されているとか?
工藤:現場に関しては任されているんですけど、例えば、今年は(チーム成績が)順調だったとしても、来年に向けて、どの選手を1軍にあげて起用するかとか、2軍でどんな選手が育っていて、今後どんな選手を使えるようにしていくかなど、先々の戦術も考えなきゃいけないので、そういったことをGMといろいろ話をして、2軍の監督やコーチとも連携しながらやっていましたね。
次回6月22日(土)の放送も、引き続き工藤さんをゲストに迎えてお届けします。
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6月15日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
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<番組概要>
番組名:SPORTS BEAT supported by TOYOTA
放送日時:毎週土曜 10:00~10:50
パーソナリティ:藤木直人、高見侑里
工藤さんは、1963年生まれ愛知県出身の61歳。1982年に名古屋電気高校(現:愛知工業大学名電高等学校)卒業後、西武ライオンズ(現:埼玉西武ライオンズ)に入団。以降、福岡ダイエーホークス(現:福岡ソフトバンクホークス)、読売ジャイアンツ、横浜ベイスターズ(現:横浜DeNAベイスターズ)などに在籍し、現役中に14度のリーグ優勝、11度の日本一に輝き“優勝請負人”とも呼ばれています。
プロ野球選手として実働29年間もマウンドに立ち続け、2011年に正式に引退表明。通算224勝のほか、最優秀選手(MVP)2回、最優秀防御率4回、最高勝率4回など数多くのタイトルに輝き、2016年には野球殿堂入り。また、2015年から福岡ソフトバンクホークスの監督に就任し、2021年退任までの7年間に5度の日本シリーズを制覇しました。
◆名選手・名監督の子育て法とは?
藤木:工藤さんのお子さまも活躍されていて、長女の工藤遥加(くどう・はるか)選手はプロゴルファーとして、去年ステップ・アップ・ツアーで優勝、長男の工藤阿須加(くどう・あすか)さんは、テニスを頑張っていらっしゃいましたけれども(俳優として)芸能界に進まれました。(進路について)相談されたことはありましたか?
工藤:相談は受けたことがあって、そのとき妻は「大学を卒業してからでも……」という話をしていましたが、僕はどちらかというと“その道に進みたい!”と思った瞬間を大事にしてあげたくて。だから、ちゃんと“大学を卒業すること”という条件はつけたんですけど、(相談されたタイミングで)僕が「うん」と言ってしまったので、後で妻に怒られました(苦笑)。
子どもの頃からずっと伝えてきたことは、最終的にはすべて(自分で決断したことは)自分で責任を取らなければならないし、家族ができたら家族を守っていかなければならない。
だから、しっかり責任を持てるのであれば、親として反対することは何もなくて、その道に進みたいんだったら、頼るところは頼って、頑張るところはしっかり頑張って(その姿を)しっかり見せていかなきゃいけない、ということは伝えていました。
藤木:選手だけではなく、監督としても輝かしい実績を残された工藤さんですが、監督としての“選手育成”と親としての“子育て”というところで、何か共通点はあったりしますか?
工藤:“ちゃんと時間をつくってあげる”ということですね。考える時間や決断する時間をつくってあげる。例えば、親に何か聞かれたとき、すぐに「こうしたいと思う」と明確に答えることってなかなか難しいじゃないですか。でも、時間が経てば自分の考えがまとまってくるので、(意見が)言えるようになるんですよ。
だから、パっと言われてもすぐに動けなかったり、自分の言葉として伝えられないときは、時間をつくってあげればいいんです。そして(質問した側も)「どうするんだ!?」「すぐに答えを出せ」じゃなくて、「じゃあ考えておこうな」と。
◆モチベーションを維持するために必要なこと
藤木:試合に出られる選手、特にスタメンの選手はDHを含めても10人しかいません。そのなかで、選手みんなのモチベーションをずっと保ち続けさせるのは、とてつもない作業ですよね。
工藤:そうなんですけど、一人ひとり必ず役割があるので。“試合に出られないからやることがない”ではなくて、ベンチにいるんだったら、試合の状況に合わせて、自分の出番をしっかり選手に考えてもらったり、僕らが「お前はこういうところで使うよ」と言ってあげたりして、出てもらう場面をちゃんと伝えてあげると、選手はそれなりの用意をするんですよ。
それがルーティン化できると、何も言わなくても選手が勝手に自分で(考える時間を)つくるようになるんです。すると、今度は自分のやるべき仕事に集中できるようになるので成績も残りやすい、というところはあります。
藤木:6月23日(日)に出版される工藤さんの著書「プロ野球の監督は中間管理職である」(日本能率協会マネジメントセンター)を拝読したのですが、監督は中間管理職のようだということですか?
工藤:僕はそう思っているんですけど、人によっては“チームのトップ”だと思っていらっしゃる方もいるかもしれない(笑)。ただ、今の球団のシステムとして(一番上に)社長がいて、その次にGM(ジェネラルマネージャー)がいます。
今メジャーでは30球団どこもGM制度を使っているのですが、その人が昔でいう「球団統括本部長」などと呼ばれていた人たちで、ある意味、現場に近い人たちのトップなんです。その下が監督になるので、そう考えると監督は中間管理職かなと僕は思っています。
藤木:GMからは、どのような要望があるのですか? チーム戦術とかに関しては、すべて(監督に)任されているとか?
工藤:現場に関しては任されているんですけど、例えば、今年は(チーム成績が)順調だったとしても、来年に向けて、どの選手を1軍にあげて起用するかとか、2軍でどんな選手が育っていて、今後どんな選手を使えるようにしていくかなど、先々の戦術も考えなきゃいけないので、そういったことをGMといろいろ話をして、2軍の監督やコーチとも連携しながらやっていましたね。
次回6月22日(土)の放送も、引き続き工藤さんをゲストに迎えてお届けします。
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6月15日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年6月23日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:SPORTS BEAT supported by TOYOTA
放送日時:毎週土曜 10:00~10:50
パーソナリティ:藤木直人、高見侑里
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/beat/
06/22 06:00
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