朝ドラ「虎に翼」最終回(9月27日)あらすじ 花江ちゃん(森田望智)はひ孫に囲まれ、優未(川床明日香)は兼業で多忙、航一(岡田将生)は子供たちに見守られ…

NHK連続テレビ小説「虎に翼」(総合など)の本編最終話(第130回)が27日、放送される。

日本初の女性弁護士で、のちに裁判官になった三淵嘉子さんの人生をもとに、主人公の佐田寅子(伊藤沙莉)が、激動の時代に翻弄されながらも法律を味方につけ、学友や職場の仲間と協力しながら、女性や子供、弱い立場の人々に寄り添ってさまざまな問題を解決に導くさまを描いてきた。

「虎に翼」第26週「虎に翼」振り返り

昭和47(1972)年、寅子は、補導された並木美雪(片岡凜)の審判を担当。寅子が新潟・三条にいた頃に知り合った森口美佐江(片岡)の娘である美雪は、「どうして人を殺しちゃいけないのか」という疑問をぶつけた。それは美佐江が20年近く前に寅子にしたのと全く同じ質問だった。寅子の答えに納得できない美雪はナイフを取り出すも、かつて美佐江に恐怖を感じて距離をとってしまった失敗を繰り返したくない寅子は一歩も引かず、正面から美雪と向き合った。その後、民間の施設での試験観察期間を経て、美雪が「おばあちゃんと一緒にいたい」と本音を話せるようになった様子を見て、寅子は彼女の不処分を決めた。

一方、同年から翌年にかけて、山田よね(土居志央梨)と轟太一(戸塚純貴)が弁護を担当する尊属殺の重罰規定をめぐる斧ヶ岳美位子(石橋菜津美)の上告審が進行。最高裁大法廷に立ったよねは、15人の最高裁判事たちを前に、重罰規定が憲法違反だと断言し、「もし今もなお、尊属殺の重罰規定が憲法第十四条に違反しないものとするならば…無力な憲法を、無力な司法を、無力なこの社会を嘆かざるをえない! 著しく正義に反した原判決は破棄されるべきです」と主張した。判決の日、裁判長を務める最高裁長官、桂場等一郎(松山ケンイチ)は、原判決を破棄し、被告に3年間の執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。昭和25年の合憲判決から23年、歴史が塗り替わった瞬間に立ち会い、目に涙をためるよね。その翌月、桂場は定年を迎えて長官を退任し、裁判官人生に幕を下ろした。美位子が産んだ2人の子供は彼女の母親が引き取って育ててくれることになり、よねは「もう誰にも奪われるな、お前が全部決めるんだ」と再起にエールを送った。

少年法改正を議論する法制審議会少年法部会は結論が出ないまま平行線をたどっていた。寅子は学生運動も下火になり、首相も法務大臣も代わって、言い出しっぺがいなくなったのに形骸化した議論を続けるよりも、非行少年の健全な育成を図るために集まっているのだから、「愛」について語り合おうと提案。それは「家庭裁判所の父」と言われた多岐川幸四郎(滝藤賢一)の口癖だった。結局、少年法対象年齢の引き下げは見送られたものの、その後も大きな少年事件が起きる度に少年法改正論議は繰り返されていくことになる。

寅子の娘の優未(川床明日香)とのどか(尾碕真花)は、喫茶店「ライトハウス」で働くことになった美位子に、餞別として洋服をプレゼント。美位子は、寅子の学友、桜川涼子(桜井ユキ)が営む新潟の店でお金を貯め、次こそは自分だけの力で新天地に移るつもりだと話した。その後、「人生に失敗したことがない人たちは格好いいな」と美位子がつぶやくと、優未が大学院を中退した自分の人生は失敗だったとため息をもらした。これに寅子が反応。優未の人生は失敗ではなく、そう思っているなら育て方を間違った自分のせいで、自身を責めてつらくなるくらいなら、誰かのせいにしていい権利が頑張ってきたあなたたちにはある、失敗なんかじゃないと力説した。

優未と美位子を送り出した後、最初の夫、優三(仲野太賀)の遺影に向かう寅子。母親としてうまく立ち回れない自分を責め落ち込んだ。そこへ優未が戻ってきて、学者の道を諦めた後、あちこちを忙しく手伝ってまわってはいるが、いまかかわっているすべてのことが好きで、やりたいことがたくさんあると、いまだ何者にもなっていない自分を心配する寅子に説明した。そして、この先の自分は何にだってなれるので、自分の人生は最高で、最高に育ててもらったと思っていると続け、たくさん拠り所を作ってほしいという幼少期の教えに従っているのだから心配はいらないとなだめた。感激した寅子は泣きながら優未を抱きしめ、再度送り出した。その傍らに、優三の幽霊が現れ「トラちゃん、約束守ってくれてありがとうね」と声をかけ、2人は笑い合った。

寅子は横浜家裁の所長に就任することが決まり、早速猪爪家に出向き、女性初の裁判所長という快挙を義姉の花江(森田望智)に報告。2人は亡き母、はる(石田ゆり子)の言葉を思い出した。ちょうど花江の次男、直治(今井悠貴)がアメリカから帰ってくるタイミングと重なり、猪爪家3世代の家族が勢ぞろいする、久しぶりににぎやかな食卓となった。

寅子の昇進を祝うために、明律大女子部のなつかしい面々も「笹竹」に集まった。旧交を温めていると常連の桂場が来店。寅子は桂場に近寄り、若いころから話し合ってきた「法とは何か」という定義について、現時点での考えを述べた。「人が人らしくあるために尊厳や権利を運ぶ船。社会という激流に飲み込まれないための船。船の使い方は乗り手次第。人らしさを失い沈むことも、誰かを沈めることも、間違うこともある。人生という船旅を快適に幸せに終えるために、乗り手の私たちは、船を改造したり、修繕したりしながら進む」とたとえ、「生い立ちや信念や格好、男か女かそれ以外か、すべての人が快適でいられる船にするよう法を司る者として不断の努力を続けます」と決意を語った。すると桂場は「私は今でも、ご婦人が法律を学ぶことも職にすることも反対だ」と返し…。

「虎に翼」第130話あらすじ

さまざまな仕事を掛け持ちし、多忙な毎日を送る優未。花江もひ孫に囲まれ平穏に暮らす。航一のことはのどか(尾碕真花)、朋一(井上祐貴)、優未ら子供たち3人が気にかけていた。寅子は皆の暮らしぶりを見守りながら、桂場と「法律とは何か」について語り合ってきたことを振り返る。

ジャンルで探す