《熊本移住14年の変化》シングルマザーとなった井上晴美が温泉地で始めていた「会員制スナック」 更年期を和らげた「自分の時間」
「少し前に、結婚生活を終え、只今、シングルマザーとして、3人の大切な子供たちとの新生活をスタートしています!」──10月10日に自身のInstagramで突然、離婚を発表したタレント・井上晴美さん(50)。国際結婚後、田舎暮らしを満喫していたはずの彼女の“人生の選択”は、多くの人々を驚かせた。「私は更年期(笑) 3人の子供たちはそれぞれ思春期、反抗期と 1人2役、時に苦しい時もありますが、自分自身をやっと取り戻せたような、そんな前向きな気持ちでいます」と、コメントを残して清々しさを漂わせていた。井上さんに何があったのか。大切な子どもたちとの新生活とは? 今の心境を含め、話を聞いた。【全3回の第1回】
【写真】現在50歳の井上晴美。スナックを経営している姿や神社巡りを満喫する様子も
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「シングルマザーというと寂しい感じがするかもしれませんが、周りの人に助けてもらいながら子育てを楽しんでいます」
井上さんは現在、故郷・熊本で暮らしている。実家の家族や友人、近所の人など、頼りになる人たちが支えになってくれているようだ。
「実は、生活は以前とそんなに変わっていません。朝はまだ暗い5時に起きて朝食を作り、子どもたちに食べさせ、中学と高校に車で送って……」
子どもは3人。長男は高校2年生、長女は中学3年生、次女は中学1年生。通学の送り迎えもしなければならない。
「子どもたちが大きくなってきて部活に入ったりしているので、それぞれの活動に合わせて、送り迎えの時間を調整しなくてはいけないので。ただ、その車中で、今日学校であったこととか、いろんな話ができるのはいいですよ。
帰宅してからも、私が台所で家事をしていると、子どもたちが1人ずつそばに来て『はい、次はお姉ちゃんね』なんて言って順番にいろんな話をしていくんです(笑)。ウチは会話が多いと思いますよ。みんな、あまり大きな秘密はもっていないんじゃないかな」
Instagramのコメントから受ける印象とは少々違い、思春期や反抗期のピリピリした感じではなく、賑やかで楽しそうだ。もう気持ちは新生活に切り替わっていた。
「子どもたちがイライラしているな、と感じたら、身体に余計なエネルギーがたまっているのだと思うので、『外を走ってきたら?』と促したりしています。私にぶつけられても困るので(笑)。自分から『散歩してくる』と言って、外で発散して帰ってくることもあります。私自身の更年期というのも、少し気分の浮き沈みがあるな、というくらいで、ほとんど自覚がないほどなんです」
自然のなかで早寝早起きをしてよく眠り、新鮮なものをいただく、という健康的な生活を長年続けてきたおかげかもしれない。
「人に会うときは、会いたい人にだけ会う。限られた時間を大事にしたいんです。ボーイフレンド? いません。ここでは周りにいるのは70、80歳のおじいちゃんばかりなんですよ(笑)」
井上さんが過ごす「自分の時間」
バタバタと子どもたちを送り出した後は、井上さんの“自分の時間”。畑仕事をしたり、飼っている鶏の世話をしたり、陶芸やパン作りなどにも挑戦してきたという。
「電気やガスなんかは通っていますが、自給自足のような生活なんで(笑)。畑はけっこうな広さがありますよ。耕したり、肥料をやったり、草取りはしない自然農法で育てているので、雑草が私の背丈より伸びてボーボー(笑)。
育てるのはナスやキュウリ、トマト、インゲン豆など夏野菜だけ。住んでいる地域は冬の寒さが厳しいので、私の畑では冬野菜は育たないようなんです。ただ、今年は夏野菜も酷暑と大雨で全滅でした。近所の方が分けてくださるので、食べるのには困らなかったんですけどね」
自然農法なだけに、気候の影響を直に受けてしまう。井上さんは自然にこだわった生活をしている。
「陶芸も買ってきたなめらかな土を使うんじゃなくて、陶芸の師匠が山で取ってきた小石なども混ざった土を使う方法で作っているんです。ザラザラ、ボコボコしているから大皿を作るのは難しくて、今のところ茶碗や中皿を作って、師匠の工房などで売ってもらったりもしています」
陶芸への取り組みも“自然流”。コレを作ろう、と考えるのではなく、そのときどきの心の赴くままに土と向き合うのだそうだ。
「楽しいとき、モヤモヤしたり落ち込んでいるとき……そのときどきの心のままに手を動かしているうちにカタチになる、という作り方。瞑想に似ています。自然の土を触るのは気持ちがいいですよ。陶芸教室もできたらいいのですが、忙しい師匠の工房を借りなくてはいけないので難しいかな……」
陶芸歴はもう何年にもなる。ここ1年、とくに熱心に取り組んでいたのはヨガだそう。
「年齢を重ねてくると自律神経が乱れてきますよね。身体も硬くなるし、硬くなれば病気にもなりやすくなる。私はぎっくり腰を繰り返しているし。だから健康維持のために、ストレッチの延長だと思って、去年からヨガのレッスンによく通っていました。ヨガを初めて経験したのは、結婚前のまだ若い頃。それからずっと間があいて、今回は毎週、オンラインでヨガの哲学を学ぶ授業もしっかり受けて、インストラクターのライセンスを取りました」
もうひとつ、ここ1年で始めたことがある。スナック経営だ。
「ひなびた温泉地でひっそりと(笑)。1人でやっているので会員制にして、友だちの友だちとか、InstagramのDMで身元をきちんと明かしてくれた方の予約が入った日だけ開けています。人と話をするのがすごく好きなんですよね」
最近は神社巡りにもハマっている。高千穂神社(宮崎県)、猿田彦神社(三重県)、疋野神社(熊本県)、天岩戸神社(宮崎県)……1人旅で県外の神社へも足を運ぶほどだ。
「今年は生まれて初めて伊勢神宮に参拝できたんです! これまでにも行く時間はあったと思うんですけど、なぜ今年、実現したかというと、考えることがたくさんあるなかで『呼ばれているんだな』って。今年はこれだけで、もうじゅうぶん幸せだな、と思えるほど素晴らしい旅でした」
家族や友人だけでなく、神様も井上さんを守ってくれているのかもしれない!?
第2回では、井上さんが受けた熊本地震でのSNSバッシング、テレビのない子育て生活をしながら「失敗する大切さ」について語っている。
(第2回に続く)
◆取材・文/中野裕子(ジャーナリスト)
11/04 16:12
NEWSポストセブン