《オリコンデイリー6位》声優・青山なぎさが1stアルバム『解放』をリリース「周囲を信頼していくようになった私の心が変わったわけ」

青山なぎさのリリースイベントに独占密着(写真/藤岡雅樹)

 人気アニメ『ラブライブ!スーパースター!!』の葉月 恋役や、『めざましテレビ』(フジテレビ系列)のイマドキガール、ミュージカル『ナビレラ』などで幅広い活躍を見せる声優・青山なぎさ(26)が10月16日、1stアルバム『解放』をリリースした。同日に実施された発売記念イベント・ミニライブは、平日夕方でありながら800人以上のファンが駆けつけていた。

【独占写真】「一目で心奪われる」「この笑顔、反則級」ここでしか見られない青山なぎさ

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 今年5月に配信シングル『解放』でアーティストデビューしてから、わずか5か月で全10曲の1stアルバムをリリース。ハイペースでのアルバムリリースに「早いですよね」と率直な感想を投げかけると、青山は笑顔でこう口にした。

「何よりもライブを早く開催したいという気持ちが大きかったんです。応援してくださっているファンの皆さんに、少しでも早く、直接歌声を届けたい。そのためにはアルバムという選択肢が最適だと思ったんです。その第一歩が今日、やっと叶いました」(青山。以下同)

 青山は1stアルバムに収録された楽曲10曲すべての作詞を担当している。

「きっかけは2023年11月のミーティングです。アーティスト活動を始めていこうかと話し合っていて、事務所の社長から『せっかくだったら作詞を自分でやってみたら?』という言葉をいただきました。もともと、自分で作詞をしようと考えたことがなかったので、『あれ、意外と面白いかもしれない』『いけんじゃね?』と思って。いま思えば、結構軽いノリだったのかもしれません(笑)」

 言葉ではおちゃらけるが、行動は正反対なのが青山の魅力でもあるのかもしれない。それから多忙の合間を縫って作詞と向き合う日々が始まった。移動中に思いついたフレーズをスマホのメモ帳に登録するなどし、歌詞作りに入るのは自宅に帰った深夜だった。

「10分に一度、(外から)車の音が聞こえるような夜更けに、ときには椅子に座りながら、ときには布団に入りながら、ああでもないこうでもないと言いながら作っていました。気づいたら朝5時になって“やばい!”と焦ることも多かったです」

 アルバム内の楽曲『シャドウ』は、大人の難しい恋愛に身を投じてしまった女性をイメージして作詞したという。

「ちょうどコンペで曲を聴いた時、TikTokでこうした恋愛をテーマにしたドラマの切り抜き動画がバズっていたんです。その動画についていたコメントが、むき出しの生きた感情ばかりで。“こんな思いをしている人たちがいるのか”って驚いたことがあったんです。この楽曲の大人なメロディーラインになら、そういう感情を乗せられるかもしれない。そう思ってドラマの役になりきって作詞してみました」

 その頑張りを目にしていたのが、音楽制作スタッフだ。レコーディング前のプリプロで、青山が作った歌詞に「こっちのフレーズのほうが響きがいい」などとアドバイスしていたという。ときには青山の歌詞を活かすために、息継ぎしやすい曲調に変更するなど、労を惜しまなかった。

「困った時に私が“助けて”って言ったら、すぐに手を差し伸べてくれる方々なので。不安はあまりなかったですね」

棘をむき出しにしていたデビュー当時

 会場の池袋サンシャインシティ地下1階噴水広場には日中から優先入場券を求めたファンが長蛇の列を築いた。同広場は3階まで吹き抜け構造になっているため、優先入場券を入手できなかったファンは開演数時間前から上階の席を確保。開演直前には会場四方が埋まり、目視で800人以上が確認できた。

 この日歌ったのは先行配信されていた『解放』『キミと』と、本日初披露となった『wake up』の計3曲。ライブは当然ながら、MCも盛り上がり。男性ファンから「どうしたら青山さんのように綺麗になれますか?」という質問が寄せられると、会場も青山も爆笑に包まれた。当人は取材時こう振り返る。

「実家では“解放”しすぎてて、お休みの日はTシャツ1枚で布団に寝っ転がって、お母さんから『服を着なさい!』と怒られる26歳なんですけどね。まともにならないと(笑)。

 でも、こうしてファンの方々が喜んでくれるのが本当にありがたくて。『私に会える瞬間は、仕事や嫌なことも全部忘れられて楽しい』という声をSNSやお便りでいただくんですよ。笑って、『明日も頑張るか!』という気持ちになってくれたら嬉しいですね」

 今回のアルバムの中に「歌詞だから恥ずかしがらずに伝えられる」と、青山なりの感謝の気持ちを込めた楽曲がある。

「『幸せ』という曲は、『魔除けのように棘をむき出しにして見透かされないように強がった』という歌詞から始まるんですが、これはこの業界に入った時の自分の気持ちを表現しました。周囲から『人のことを信頼してないよね』って言われることが多かったんです。いま振り返ると、右も左もわからない中でこのお仕事を始めて、あまり人のことをすぐに信用できなくて。心を開けないタイプだったんです。

 でも、この4年間、本当に信頼できるスタッフさんとお仕事をさせていただき、ずっとファンの方々が応援してくれました。そうした人の温かさに触れるうちに、“みんなとだったら大丈夫だろうな”みたいな感じで警戒心がとけてきて、いまの『青山なぎさ』になることができました。

 その一方で、どこかのタイミングで“私から離れていっちゃうんじゃないかな”っていう不安もあるんです。あまり言ってこなかった複雑な私の本心、それを歌詞にギュッと詰め込んだ楽曲なんです」

 11月4日には1stLIVE『KAIHOU』(豊洲PIT)も開催予定で、上記の楽曲も披露する予定だ。

「今回はバンドによる生演奏を考えています。せっかく生バンドでやるんだったら、音楽を楽しむ時間にしてほしいなと思っていて、曲を披露する順番や繋ぎなどにもこだわっています。ライブ全体を通して、私の姿を皆さんにお届けできたらいいなって思っていますので楽しみにしてください」

◆取材・文/赤木雅彦

【プロフィール】青山なぎさ(あおやま・なぎさ)/1998年5月16日生まれ。東京都出身。2020年12月『ラブライブ!スーパースター‼︎』葉月恋役で声優デビュー。特技はクラシックバレエ。趣味はミュージカル鑑賞・小鳥と戯れること。SNSのフォロワー数はX(旧Twitter):18.9万人、Instagram:12.7万人。

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