『株式会社嵐』設立で整った嵐としての活動の基盤 デビュー25周年の記念日に向けて高まる期待

『株式会社嵐』設立。嵐の5人の第二章が始まる

 活動休止中の嵐のメンバー5人が新会社「株式会社嵐」を設立した。果たして活動再開はあるのだろうか──コラムニストで放送作家の山田美保子さんが、嵐の今と今後について綴る。

【写真】「会社を設立致しました」5人が発表した文書にはメンバー全員の名前が!

「主体性」や「主体的」という言葉が文言に3度も出てきた“理由”

 STARTO ENTERTAINMENT(以下、スタートエンタ)が本格始動した4月10日の朝5時5分、嵐がメンバー5人の連名でファンクラブ会員向けのメールを配信。会社設立を報告しました。

 なぜ、この日だったのかといえば、同日夜に東京ドームで松本潤クン(40才)とSUPER EIGHT・大倉忠義クン(38才)の演出によるライブイベント『WE ARE! Let’s get the party STARTO!!』が開催されたからだと思われます。

 一部では、嵐のライブより負担が少ないため、大野智クン(43才)がステージに立ってくれるのではないかという期待を込めた報道もありましたが、嵐の出演はナシ。それでは、ますますファンの皆さんを不安に思わせてしまうのではないかと、メンバーにもファンにもなじみのある「5」にこだわった5時5分の発表になったのでしょう。

 事前に会社設立の情報は流れていたものの、「ファンへのサプライズを守りたかったので、スポーツ紙はどこも書けなかった」とはスタートエンタ担当の記者さん。その分、翌日の紙面には『WE ARE〜』の模様とともに嵐についての記事がたっぷり書かれていたものです。

 嵐が発表した文書で気になったのは「主体性」や「主体的」という言葉が3度も出てきたこと。昨年来、旧ジャニーズ事務所に所属するアーティストさんの多くが異口同音に言っていた「自由になった」先にあるのが「主体性」や「主体的」だったのだと思います。それらのワードは、ほかのグループの名称変更や今後の方針などを見聞きするたびに同様に感じたものでもあります。

 そうした中で、嵐のメンバーは何度も何度も話し合いを重ね、「株式会社嵐」を3月25日に設立。4月10日の発表となったのです。

 ファンの皆さんは5時5分だけでなく、文末の5人の名前が「AMNOS」の順になっていたことにも沸きました。

 五十音順でも年齢順でもない「相葉雅紀(41才)、松本潤、二宮和也(40才)、大野智、櫻井翔(42才)」の頭文字をアルファベット順にした並びもまた、ファンの皆さんにはおなじみのもの。嵐の楽曲『La tormenta 2004』に出てくるフレーズでもあります。

 これだけでも充分に胸熱なうえに、スタートエンタの公式サイトに大野クンのプロフィールと写真が掲載されていたことにも安堵の声を上げるかたが少なくありませんでした。

 ファンの皆さんの間で「大野くんの夏休み」と称された嵐の活動休止期間はすでに3年以上にも及び、多くの皆さんがもっとも心配していたのは、もう大野クンが戻ってきてくれないのではないかということ。

 各メディアでたびたび報じられてきた「大野くんの夏休み」の様子を見ても、正直、彼の心はもうエンタメ界にはないように見えたものですし、たとえ、そうであったとしても近年の芸能界の流れを考えれば、それは大野クンの自由なのでは?という気持ちになるかたも少なくなかったでしょう。

デビュー25周年記念日の11月3日に向けて動き出す!?

 でも昨秋あたりから嵐が話し合いのために集まっていることや、大野クンの東京での目撃情報が出ていたのです。何より、メンバーの口から「大野サン」の名前が出たり、「会った」という話も出始めました。

 昨年10月26日にスタートした相葉雅紀クンがメインキャストを務めるバラエティー番組『相葉◎×部』(フジテレビ系)の初回でのこと。13文字の手紙で差出人と受取人がお互いの絆を確かめ合う企画「一筆啓上部」に二宮和也クンが出た際にも、大野クンを交えたほっこりエピソードが何度も出てきて、大野クンに会える日がもうすぐ来るのかもしれないと思っていたところです。

 とはいえ、「株式会社嵐」の四宮隆史社長は各メディアの取材に対し、「具体的にはこれから」と答えていらっしゃいます。「嵐」としての活動の基盤を作ったということなのだそうです。

 でもその「基盤」がしっかりできたということもまたファンの皆さんにとっては朗報ではないでしょうか。

 なんといっても今年はデビュー25周年のメモリアルイヤー。「25」といえば、「5×5」の答えですから、デビュー記念日の11月3日に向けて、ファンの皆さんが嵐を近くに感じられる瞬間が必ずあると私は信じます。

 新会社の業務内容にはファンクラブ運営や管理も含まれています。現在、嵐のファンクラブの会員数は200万人で年間収入は100億円以上ともいわれます。

 この金額が活動休止期間中の3年4か月もの間、宙に浮いたような状態になっていることに、批判的な報道もずいぶんありました。そして、会費を払い続けるファンの皆さんがあまりにも気の毒だとも……。

 そうした報道を嵐のメンバーが見ていなかったハズはなく、「株式会社嵐」設立の大きな理由の1つになっていると思われます。

 会社設立を発表した当日、櫻井翔クンが個人の公式ホームページを開設しました。仕事の依頼や問い合わせの窓口ということで、これでテレビCMのお仕事も復活するのではないでしょうか。

 すでに独立している二宮クンのいい意味での“立ち回り”もほかの4人には刺激になっているハズ。二宮クンが独立時に示していた「ぼくは明日からも嵐です」もその通りになり、嵐は気心の知れたスタッフとともに再び5人で歩み出すことになりました。

 やはり、いちばん期待されるのは音楽活動ですよね。全員40才超えとなった5人がイベントやライブ、チャリティー活動などで、どんな嵐を世界中に巻き起こしてくれるのか、期待しています!

構成/山田美保子
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!+』(メ〜テレ)、『1周回って知らない話』(日本テレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)に出演中。CM各賞の審査員も務める。

※女性セブン2024年5月2日号

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