“意識的な食事”という健康法が与える成果とは? 『クラブゼロ』不気味さが残る本編シーン公開

映画『クラブゼロ』より

(C)COOP99, CLUB ZERO LTD., ESSENTIAL FILMS, PARISIENNE DE PRODUCTION, PALOMA PRODUCTIONS, BRITISH BROADCASTING CORPORATION, ARTE FRANCE CINEMA 2023

 ミア・ワシコウスカ主演映画『クラブゼロ』より、ミア演じる栄養学の教師ノヴァクが説く健康法を実践する生徒たちが、暗闇で生気のない笑みを浮かべながら成果報告をし合う不気味なシーンを収めた本編映像が解禁された。

 本作は、ミヒャエル・ハネケに師事し、物議を醸すテーマ設定と鮮烈なビジュアルで強いインパクトを放つ作品を次々と発表している気鋭監督ジェシカ・ハウスナーが、ミア・ワシコウスカ(『アリス・イン・ワンダーランド』)を主演に迎えたイニシエーション・スリラー。第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品されている。

 名門校に赴任してきた栄養学の教師、ノヴァク。彼女は“意識的な食事/conscious eating”という、「少食は健康的であり、社会の束縛から自分を解放することができる」という食事法を生徒たちに教える。無垢な生徒たちはその教えにのめり込んでいき、事態は次第にエスカレート。両親たちが異変に気づきはじめた頃には時すでに遅く、遂に生徒たちはノヴァクとともに【クラブゼロ】と呼ばれる謎のクラブに参加することになる。生徒たちが最後に選択する、究極の健康法とは? そしてノヴァクの目的とは?

 この度解禁されたのは、栄養学を履修しノヴァクが説く健康法を実践する5人の生徒たちが、暗闇の中でその成果を報告しあう本編シーンの一部。

 その驚くべき成果に「信じられないくらい気分が良い」「革命的な瞬間の一部になっている」などと、嬉々として語る生徒たち。しかし、それぞれの努力の結果を讃え合い、喜び合う最高の瞬間であるにも関わらず、生徒たちの表情にはどこか覇気がない。

 また、当初は奨学金目当てで栄養学を選択したことから授業に後ろ向きだったものの今や【意識的な食事】にのめり込むベン、「最高な気分」と語るベンの姿に疑いの目を向けるラグナ、さらに糖尿病を患うフレッドが意識的な食事のおかげでインスリンが不要になったと明かすも、よろめくような足取りを見せる姿も…。

 ノヴァクが説く“最新の健康法”のおかげで充実した毎日を送っていることを明かす言葉に反し、終始重たい空気を漂わせ、暗闇の中で生気のない笑みを浮かべる生徒たちの姿に違和感を覚える、不気味なシーンに仕上がっている。

 一方、そんな暗闇の中で一際目を惹くのが、ポップな色味の生徒たちの制服だ。衣装を手がけたターニャ・ハウスナーは監督ジェシカの姉でもあり、2人はほぼ全ての作品でタッグを組む唯一無二のバディ。本作が普遍的な物語であることを伝えるために、時代や場所が特定できないユニークさが必要だと考えるジェシカに対して、ターニャはイギリスの伝統的な制服とは真逆の、カジュアルで明るい配色を基調とした制服を提案したそう。

 その結果、本シーンでも象徴的な制服に仕上がり、ターニャは「黄色い制服を着た子供たちが、暗い壁の前で光り輝くミツバチのようにブンブンと飛び回るのが素敵だと思いました」と満足げに語っている。

 映画『クラブゼロ』は、12月6日より全国公開。

ジャンルで探す