この世界では、人は、動物になる―フランスで大ヒットしたスリラー映画『動物界』日本版予告解禁
(C)2023 NORD-OUEST FILMS ‐ STUDIOCANAL ‐ FRANCE 2 CINEMA ‐ ARTEMIS PRODUCTIONS.
フランスで観客動員100万人越えのヒットを記録し、2023年度第49回セザール賞で最多12部門ノミネートを果たした映画『動物界』より、予告と場面写真が解禁された。
本作は、人間がさまざまな動物に変異する奇病が蔓延する近未来を舞台に描く、人種差別、移民、ルッキズム、感染症など現代的なテーマを内包した“突然変異”のアニマライズ・スリラー。監督・脚本を務めたのは、2014年のデビュー作『Les Combattants(英題:Love at First Fight)』で数々の賞に輝いた新鋭トマ・カイエ。
近未来。人類は原因不明の突然変異によって、徐々に身体が動物と化していくパンデミックに見舞われていた。“新生物”はその凶暴性ゆえに施設で隔離されており、フランソワの妻ラナもそのひとりだった。しかしある日、移送中の事故によって、彼らは野に放たれる。フランソワは16歳の息子エミールとともにラナの行方を必死に探すが、次第にエミールの身体に変化が出始める…。
最愛の家族を守り抜こうとするフランソワを演じるのは、ジャック・オディアール監督作『真夜中のピアニスト』や、フランソワ・オゾン監督作『彼は秘密の女ともだち』などでセザール賞主演男優賞に5度ノミネートされたロマン・デュリス。息子エミールを、名優イレーヌ・ジャコブの息子であり、クリストフ・オノレ監督作『Winter boy』でセザール賞有望若手男優賞候補になった新星ポール・キルシェが演じる。さらに、『アデル、ブルーは熱い色』のアデル・エグザルコブロスら、フランス映画界を代表する実力派が集結した。
日本版オリジナルの予告編では、人間が動物化する奇病が蔓延する世界で行方不明となった母を探す親子のドラマが明かされる。さらに最新VFX技術と特殊メイクで誕生した“新生物”の姿もお披露目となる。
フランソワとエミールの親子は、病に侵され“新生物”となった母・ラナと新しい家族の形を模索していた。ある日、ラナを乗せた輸送車が事故にあい、40名以上の患者が失踪。親子は自力でラナを探し始める。やがて逃走した新生物たちは町を混乱の渦に陥れ、対立と分断が進んでいく最中、エミールの身体にも変化が訪れる…。
社会性をはらむテーマとスリリングなドラマ、青々とした緑が魅惑的なフランス南西部の大自然、そして人間と動物を掛け合わせ作り上げられたリアリティあふれるカメレオン、鳥、タコ、センザンコウ、さらにはクマのような新生物の姿など、印象的な映像の数々が目を引く。
また、場面写真6点では、親子が対立しながらも母を探し出すために奮闘する姿と、その道中で出会う人々の姿が映し出される。フランソワは失踪者の捜索を指揮するアデル・エグザルコプロス扮する憲兵隊の曹長ジュリアと協力し、エミールはクラスメートのニナと次第に惹かれあっていく。特殊な状況下においても普遍的に語られる人々との出会いのドラマも映画を盛り上げる要素のひとつ。そして、彼らを取り巻く極限状況がいっそう緊迫化するクライマックスに向け、奇跡的なまでに純度の高いエモーションをほとばしらせていくのだ。
エミールを演じたポールは、最新作『Leurs Enfants apres eux(英題:And Their Children After Them)』での演技が先日の第81回ヴェネチア国際映画祭で高評価を受け、見事マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を獲得。現在世界から多くの関心を集めるポールの才能が開花するきっかけとなった本作は、見逃せない注目の作品となっている。
映画『動物界』は、11月8日より公開。
09/19 10:00
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