『キングオージャー』酒井大成&『ドンブラザーズ』樋口幸平のレッド対談 10年後に思い描くイメージとは?

(左から)酒井大成&樋口幸平

 クランクイン! 写真:松林満美

 2月25日に最終回を迎えた『王様戦隊キングオージャー』と、2022~2023年に放送された『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』がコラボを果たしたVシネクスト『キングオージャーVSドンブラザーズ』が、新宿バルト9ほかで期間限定上映中。さらに、今年は『キングオージャーVSキョウリュウジャー』も同時上映されるという豪華2本立て仕様だ。今回は『キングオージャー』でギラ・ハスティー/クワガタオージャーを演じた酒井大成と、『ドンブラザーズ』で桃井タロウ/ドンモモタロウを演じた樋口幸平のレッド対談が実現。お互いのチームの印象や作品の見どころなどを語り合った。

■台本を読んですぐに感じられた「何やってんだ感」

――個性的な世界観をもつ『キングオージャー』と『ドンブラザーズ』がコラボしました。本作の台本を読んでどんな印象を持ちましたか?

樋口:『ドンブラザーズ』の「何やってんだ感」が最初から感じとることができたので、すごく嬉しかったです。改めて「懐かしいな~」と思える台本でしたね。

酒井:かなり面白い台本だなと思いました(笑)。いろんな理由で死ぬのですが、そういう『ドンブラザーズ』の世界を体験できるのが、とてもワクワクしました。

――視聴者としてそれぞれのチームの作品はどのように見えていましたか? また、現場に入ってその印象は変わりましたか?

樋口:作品を拝見していて『キングオージャー』のカッコいい世界観は感じていました。現場に入ってからも、カッコよさというのはすごく感じとることができたので、そこは想像通りというか、さらに「カッコいいな」と思いました。あとはキャストの皆さんが、すごく和気あいあいとしていて仲の良さを感じましたし、お芝居に対してはすごくまっすぐな印象を受けたので、ご一緒して楽しかったです。

酒井:とにかく『ドンブラザーズ』は、かなり個性的で異例な作品というイメージがありましたので、映画になってコラボしたらどんな感じになるんだろうというワクワクはありました。でも、僕が演じたギラが目の前のことに対して素直に受け止める役だったので、そんな世界観にも違和感なくすんなり入り込むことができました。

――お互いのチームを見ていて、何か印象に残っている撮影でのエピソードはありましたか?

樋口:撮影の合間でカメラが止まっているとき、『キングオージャー』チームは単体で誰かのところに行くのではなく、本当にみんなで一緒にワイワイやっている姿が印象的でしたね。本当に作品をみんなで作り上げていくんだという姿が素敵だなと思って見ていました。

酒井:僕らも仲がいいですが『ドンブラザーズ』チームも「すごく仲がいいな」と感じました。僕は幸平とのシーンが多かったのですが、1日だけ『ドンブラザーズ』チームの皆さんとご一緒する日がありまして。幸平が中心になって盛り上がっていましたし、『ドンブラザーズ』チームが頑張ってくれていたおかげで、僕らもバトンを受け継いで1年間やり遂げることができました。

■成長している姿をしっかり観て欲しい

――新戦隊の『爆上戦隊ブンブンジャー』もスタートしましたが、酒井さんは『王様戦隊キングオージャー』で過ごした1年間でどんなことを得られたと感じていますか?

酒井:分かりやすくどこが成長したかというのはあまり実感がないのですが、こうしたインタビューでも1年前は何をしゃべったらいいのか分からずにアタフタしていたんです。ですが、ここ最近は自分の考えを言葉で伝えることができるようになってきた気がします。

――樋口さんからみて『キングオージャー』チームの成長はどう感じていましたか?

樋口:僕個人の考えですが、あまりチームごとで何かを比べるということは意識のなかにないんですよね。『ドンブラザーズ』も『キングオージャー』も作ろうとしていたものが違いますから。でも1年前の自分を考えると、大成はすごいなと思いました。大成が現場に対して真面目に取り組んできたからこそ、『キングオージャー』のほかのメンバーもしっかり付いていったのかなとは思っています。

――本作のどんなところに注目してほしいですか?

樋口:僕ら『ドンブラザーズ』チームはもちろんですが、大成を含めた『キングオージャー』チームも、1年間の撮影で成長していなければいけないだろうし、逆に成長していなかったら「何だよ」ってなってしまうと思うんです。そういう意味では、この作品は僕らの成長している姿をしっかり視聴者の方に観ていただけたらなと思っています。「なんか目つきが変わったな」「雰囲気が1年前と全然違うね」と感じていただければ、すごく僕らにとって意味がある作品になると思います。

酒井:幸平が言ったような目線で観ていただくのは面白いですね。あとは本当に個性が強いチーム同士のぶつかり合いなので、そこはぜひ楽しみにしてほしいです。
■思い描く10年後のビジョンは?

――今回は2本立てで、『キングオージャーVSキョウリュウジャー』も同時上映されます。『キョウリュウジャー』は放送から10周年という節目を迎えますが、お2人は「10年後こうなっていたい」というビジョンはありますか?

樋口:俳優としてしっかり10年後も生きていけているということが1番だと思います。さらにみんなが大きくなって、スーパー戦隊シリーズという歴史ある作品に戻ってこられたら最高ですよね。そうなれるように「頑張りたい!」というのは常に現場で話していました。

――同志みたいな感覚でしょうか?

樋口:そうですね。やっぱりほかのキャストが活躍しているのは嬉しいですし、僕はチェックしています。自分が作品の座長であった以上、僕も負けないように頑張らなければいけないと思っています。『ドンブラザーズ』のキャストのみんなとこれから先も高め合って頑張っていきたいです。

――酒井さんは『キョウリュウジャー』チームと共演してみていかがでしたか?

酒井:変身とかもバシッと1発で決めるし、ご一緒させていただいて素敵だなと感じました。僕も10年後『キョウリュウジャー』の皆さんのようになっていたいなと思いました。

――酒井さんにとって『キングオージャー』で共演した皆さんはどんな存在でしたか?

酒井:不思議な感覚です。家族でも友達という感じでもない。仲間に近いですかね。絆で結ばれているなというのは感じました。もちろんライバル心もありますし、なかなか言葉で例えるのは難しい関係性です。

――最後に本作を楽しみにしている方にメッセージをお願いします。

樋口:『ドンブラザーズ』をいつも応援してくださってありがとうございます。もしかしたら『ドンブラザーズ』のメンバーみんなで変身できるのはしばらく見られないかもしれません。『キングオージャー』の皆さんと作り上げた素敵な作品をぜひご覧になってください。

酒井:『ドンブラザーズ』と『キングオージャー』という個性の強いキャラクターが上手く融合した作品になっていると思いますので、劇場で思う存分楽しんでくれると嬉しいです。

(取材・文:磯部正和 写真:松林満美)

 Vシネクスト『キングオージャーVSドンブラザーズ』は、『キングオージャーVSキョウリュウジャー』と同時上映で新宿バルト9ほかにて期間限定上映中。

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