北村匠海、初監督作品に手応え 次なる肩書への願望は…!?

初監督作品「世界征服やめた」の上映イベントに登壇した(左から)北村匠海監督、萩原利久、藤堂日向

 「DISH//」のメンバーで俳優の北村匠海が初めて企画・脚本・監督を務めた短編映画「世界征服やめた」の上映イベントが27日、都内で行われ、出演した萩原利久、藤堂日向らと舞台あいさつに立った。

 ポエトリーラッパー・不可思議/wonderboyの同名楽曲を原案にした作品。北村監督は21年3月に同作の構想がスタートしたと明かし「こんなにたくさん脚本を読んできたのに、いざ自分が書くとなると難しいというところからスタートして。役者としての立場にも立ちながら、自分の口でしゃべりながら書いてました。難産でしたね」と脚本執筆の舞台裏を明かした。

 メインキャストに起用した萩原と藤堂は、共演を機に知り合いプライベートでも親交のある勝手知ったる間柄。北村監督は「日向の抱えている芝居への渇望を撮りたいなと思ったのが一番最初。書いているうちに主人公の彼方がどんどん自分になっていって、自分みたいな役者は誰だろうってなったら利久しかいなかった」とキャスティングの背景を説明した。

 作り手の視点に立ってみると「2人がそろった段階で、ある意味では自分のやれることは完成してるんだなと、2人に本読みをやってもらって思った」と新たな発見があったという。「役者をしていると監督に『出会った時にもう大丈夫だと思った』とか言われると『そんなわけあるかい、芝居も見てないのに』とか思っていたんですけど、本当にその感覚が訪れた。役者が揃うってすごいんだなっていうのを感じました」と振り返った。

 萩原によると北村監督の演出は「余白」が特徴的といい。「もうほぼ放置されてるんじゃないか、ってぐらい無限に時間をくれちゃうんです」。撮影初日には、いきなり「生きて」と言われて本番がスタートしたことを明かし「『おはようございます。じゃあやろう』みたいな感じで。『あそこはお風呂、ここ洗面所ね。ソファーでゆっくりしてくれてもいいから、生きて』って。本当にガチで俺、シャワーしてるんです、あれ使われると思ってなかった」と振り返った。

 今後の展開について、萩原は「匠海と役者として出会って友達になって、そこからアーティスト・北村匠海を知って、今回、監督・北村匠海に出会うことができた。無限にこの肩書って匠海は増えるんじゃないかなと思ってて…」と多彩な才能を評価。「芝居を一緒にするだけじゃない、ありとあらゆる北村匠海という人間とまた仕事したい」と語った。

 新たな肩書について、北村監督は「祭りで焼きそば作るとかも憧れあります。ずっとやりたいのは助監督さん。エキストラの皆さんに芝居をつけるのに特化した仕事をしてみたい」と告白。「2人ともいろんな関わり方で出会いたい。例えば自転車で日本を一周する旅番組のドキュメンタリーを撮りたいって僕が事務所までわざわざ企画書を渡しに行くとか…」と野望を語っていた。

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