「お姉ちゃんに歌ってもらった」シリーズが大バズリ! あの歌ウマな子は誰?

YouTubeやTikTokなどで音楽やショート動画を発信し、多くの人の心を掴んでいる人気クリエイターの雫。「お姉ちゃんにアイドルの最後歌ってもらった」というショート動画は、現在までにYouTubeショートで739万回再生を突破。TikTokの再生数も合わせると、1000万回再生近くの人気動画だ。そして、動画でみせる自然体な姿が多くの反響を呼んでいる。

だが、雫の存在はまだあまり明かされていない。一度は企業に勤めた彼女が、どのようにクリエイターの道を歩んできたのか。ニュースクランチのインタビューでは、雫の素顔に迫った。

▲雫【WANI BOOKS-“NewsCrunch”-INTERVIEW】

ジャズやプログレなどいろんな音楽に触れてきました

彼女の肩書きはアーティスト兼クリエイター。クリエイティブな世界に飛び込んだ理由について、少し緊張した面持ちで明かしてくれた。

「これっていうのはないんですけど……もともと会社員としてIT企業で働いていたのですが、もっといろんなことに挑戦したいと思って、ずっと夢だった音楽制作や動画制作を始めました」

幼少期の雫は好奇心旺盛で、何事にも興味を示す子どもだったそう。

「小さい頃から創作活動をしていました。絵を描いたり、工作したり、あと漫画とか小説を書いたり……創作が何よりも楽しいものでした。3歳からピアノを始めて、その頃から音楽は身近なものになっていたと思います。短いワンフレーズのものでしたけど、歌のようなものは当時から作っていました。

作曲はmidiキーを使ってDTMで行っていますが、ギターやベースも触っていました。でも、人前で弾けるレベルではないです(笑)」

雫の音楽遍歴を聞いてみると、興味深い答えが返ってきた。

「中学と高校はピアノを家で習っていたので、部活には入らず、家に帰って何時間も練習するみたいな感じでした。

幼稚園ぐらいまではクラシックがメインでしたが、小学校では周りで流行っているJ-POPを聴き始めて、高校でロック、大学ではジャズやプログレなど、いろんな音楽を聴いていました。

大学生になってからは軽音楽部に入りました。コピーバンドだったんですけど、東京事変さんとか、いろんなアーティストをコピーしていましたね。それこそアニソンからメタルまで、幅広い楽曲を演奏していました。洋楽のポップスに手を出したのは大学卒業後です」

学生時代にピアノを習い、幅広い音楽に触れてきた彼女だが、音楽を仕事にしようとは考えていなかったらしい。

「大学の専攻は人文系でした。哲学、社会学、美術といった分野を学んでいました。卒業後は現在のような活動をしようとは一切考えておらず、普通に就職しようと考えていました。音楽とずっと一緒に生きてはきたものの、趣味の範疇というか……お仕事にするのは現実的じゃないなって」

▲こうして音楽を仕事にするとは考えていなかったらしい

YouTubeにアニメソングのカバー動画を投稿するきっかけを聞いた。

「小学生の頃の友達がオタクだったんです。それで漫画とかラノベとかを貸してもらって、そこからどんどん沼にハマっていきました。これまで見てきたなかで一番好きな作品は『コードギアス 反逆のルルーシュ』。もう10周以上見ましたし、設定資料集とかもいっぱい集めていました。

やっぱりアニメが好きだったからというのが大きかったです。これまでは聞く側であることが多かったので、発信する側になりたいと思って、大好きだったアニソンのカバーを始めました。

衣装とか髪型とかをキャラの雰囲気に寄せてみたところ、いろんな方から反響をいただいて、びっくりしました。最近はアニソンカバーを上げられてないんですけど……」

偶然から生まれたドライブ動画で注目を集める

アニソンカバーとは別に、ショート動画でも大きな反響を呼んでいる。ドライブ動画はどのようにして生まれたのか。

「ショート動画のほうが見られやすいというか、目に触れる機会が多いことを感じていたので、多くの人に知ってもらうために始めました。よく投稿している『お姉ちゃんに〇〇してもらった』という動画は、もともと普通にドライブしている様子を撮りたいなと思っていたところ、偶然に生まれたものなんです」

▲『お姉ちゃんに〇〇してもらった』は人気コンテンツに

最近は作詞やオリジナルアニメMV、CGモデリングにも挑戦している彼女。すべて0からの挑戦だったという。

「アニメ制作とCGモデリング初めての挑戦だったので、めちゃくちゃ苦戦しました。素人なので1か月はかかったと思います。ネットで調べると、なんでも出てきてすごい便利だなと思いました(笑)。

作詞はこれまで一度もやったことはなかったんですけど、自分の世界観を発信したいと思って挑戦することにしました。じつは『クラリティ』には裏設定があって、それを概要欄に書いたら、ファンの方がいろいろと考察してくれて、それを読むのが楽しいです」

これまで雫が発表している楽曲は3曲。『クラリティ』と『Bloom』については、どんな思いで作り上げたのだろうか。

「『クラリティ』のテーマとしては、困難にぶつかっても諦めないような心があります。テーマは一応あるものの、物語を読むような感じで、皆さんには自由に楽しんでいただけたらと思っています。

2曲目の『Bloom』もそうですけど、私の経験が歌詞に反映されていることはなくて、とにかく空想の世界を楽しんでもらいたい。私が一人ですべて作っているからこそ、一体感のある世界観になっていると思います」

彼女自身のパーソナリティに迫るべく、趣味について聞いてみると、笑顔でこう話してくれた。

「アニメを見ることが大好きです。それ以外だと旅行が好きで、去年の秋には妹と美術館とか建築を見るために、トルコとイギリスとドイツに行きました。

国内外問わず、いろんな街を見るのが好きなんですけど、日本は47都道府県、全て周りたいなと思っていて、残すところ青森県だけです。

基本の性質としてはインドアで陰キャなんですけど、海外に行くのも楽しいというか、しがらみから逃れられる感じがするんです。まだ海外では行ってない国がたくさんあるので、いつか世界一周したいです」

▲インタビューの質問に丁寧に答えてくれた

好きなことを挑戦し続けている彼女だが、今後の目標についてこう語った。

「定量的な目標は定めてないですけど……今の一番の目標は、自分の作品や世界観をもっとたくさんの人に知ってもらいたいです。そして、また新しいことに挑戦していきたいと思っています」

(取材:川崎 龍也)


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