ソロデビューしたMASHIHOが充電期間に気づいた「自分と音楽の関係」を語る
韓国の人気ボーイズグループ「TREASURE」の元メンバー・MASHIHOが、6月26日に1stソロシングル『Just the 2 of us』でソロデビュー。7月17日には2ndシングル『Dance with me』、そして8月28日にも3rdシングル『Be mine』と、3か月連続で新曲を発表する。
数年にわたる空白期間を経たのち、満を持して新たなスタートを切ったMASHIHO。ソロデビューに至るまでの過程や、一人で活動しての実感、音楽そしてファンといった、かけがえのない存在に対する想いについて語ってもらった。
感謝をストレートに表現した『Just the 2 of us』
MASHIHOがソロアーティストとして再始動する――。その朗報に、世界中のファンが心躍らせた。
今やグローバル規模にまでファンダムを拡大して久しいK-POPシーン。その最前線を走るビッググループのメンバーとして、国境をまたぐ活躍を見せていたMASHIHOが、ステージを離れて数年が経っていた。
めまぐるしく流行りが移り変わるエンタメの世界。それでも、その存在を待ち望む声が絶えなかったのは、ひとえに彼が持つエンターテイナーとしての実力、そして人々を惹きつけてやまない魅力からだろう。
大きな期待を背負ってのカムバック、そして初めてとなるソロデビューを前に、どんな心境を抱いていたかを聞かれたMASHIHOは、キラキラと輝くまなざしで「もちろんドキドキはありましたが、普通にワクワクのほうが勝っていました」と答えた。
再始動後、初のイベント『KCON JAPAN 2024×TOKYO GIRLS COLLECTION』では、MCとして出演。念願だったファンとの再会を果たしたときの心境は、どのようなものだったのか。
「みんなの前に立ったことによって、あぁ、戻ってきて“正解”だった。そう心から感じました。その声援、まなざし、あたたかい言葉の全てが、僕にそう思わせてくれたんです」
一人での活動を選択したMASHIHO。しかし、彼にとっての“正解”は一人きりで導き出すものではなく、ファンの存在があって初めて成立するものだった。自らが作詞作曲を手がけたデビューシングル『Just the 2 of us』は、そんな彼らしさが伝わる一曲に仕上がっている。
「この曲に関しては“自分がこう見せたい”というよりも、ファンの皆さんのことを一番に考えて作りました。こちらはみんなを待たせてしまっていた側だから、まずは“待っていてくれてありがとう!”の恩返しがしたかったんです。
僕がこうやって舞台に戻ってこれたのは、ファンや仲間が支えてくれたからなので、その感謝の気持ちを届けたい一心でした」
たしかに、ポップで前向きな曲調に載せて歌われる<今すぐ飛び出して向かおうか キミが望むならいつでも I'll rush to you>といったリリックには、再会の喜びと未来への希望がストレートに表現されている。
「一人で何かを表現する」という難しさと充実感
表舞台から離れていた空白期間は、休養を取りながら静かに自分を見つめ直していたというMASHIHO。そのあいだも傍らにあったのは、音楽だった。
「本当に、音楽と共に生活しているという感覚でした。やっぱり“音楽ありきの自分なんだな”ということが実感できました」
多くの作品に触れインプットをするなか、自身の音楽的ルーツに立ち返ることもあったのだそう。
「僕はダンスミュージックをやってきたので、意外だと思われる方も多いのですが、子どもの頃からJ-ROCKをずっと聴いてきました。親の影響なんですけど、THE YELLOW MONKEYさんやTHE BLUE HEARTSさんが大好きで、休んでいる期間もずっと聴いていたんです。
趣味がシブくて、中身はオジサンなのかもしれないですね(笑)。最近は、堺正章さんや安全地帯さんといった1970年代の音楽をよく聴いています。だから、まわりの同世代とは話が合わないことも……たまにあります」
ソロデビューを経たことで、かつて影響を受けた作品やアーティストに対する見方にも変化が生まれた。
「僕がずっと憧れていて、この業界に入りたいと思わせてくれた存在が、SE7EN先輩です。ソロで活躍されているK-POPアーティストの方で、昔から曲やパフォーマンスを見てきて尊敬していました。今回、自分がソロアーティストとして、先輩と同じ立場になってみて、その偉大さを改めて理解して、さらにリスペクトの気持ちが大きくなりました。一人で何かを表現することの難しさを肌で感じたので」
一人だからこそ実感した難しさ。しかし。その一方で確かな充実感もある。
「作詞作曲だけでなく、アイデアやコンセプトを考えるところから制作に携われるようになって。もちろん、そのぶん大変ではありますが、達成感も大きいです。僕は完璧主義とまではいかないけど、人任せにできないタイプでもあるので、あまり気負いすぎず、でも実現したいことがあったら突き詰めていきたい。そう思っています」
「3曲が紡ぐストーリー」にも注目してほしい
ここで少し質問を変えて「最近印象的だった出来事は?」と聞くと、こんな答えが返ってきた。
「IMP.の佐藤新くんと6年ぶりに再会して、一緒に『Just the 2 of us』のダンスチャレンジ動画を撮ったことですね。高校のときからの友人で、当時は毎日のように会っていたんですけど、僕が韓国に行ってからは向こうも忙しいし、なかなか会えなくなっちゃって。
久々に顔を合わせて、お互いに“変わってないなあ”とか言い合って、好きな音楽についてとか、またちょくちょく会おうかっていう話をしました。
当時は、新くんも僕も仕事の話というよりは何気ない会話ばっかりで、単純に友達って感じだったけど……今、こうして会えて“頑張ってるね”“あのときから頑張ってきてよかったよね”って話せるようになったのが、すごくうれしかったです」
偉大な先輩たち、そして同時代にカルチャーシーンの最前線を走る仲間の存在。そこから大きなインスピレーションを受けているMASHIHO。その飽くなき創作意欲は、デビューから3か月連続というリリースだけでなく、それぞれが異なったテイストを持つ楽曲であることにも表れている。
「1stの『Just the 2 of us』は、“始まり”にふさわしい明るく爽やかなサマーソングでしたが、2ndの『Dance with me』は打って変わって、エモーショナルなR&Bナンバー。セクシーで大人っぽい雰囲気とともに、心地良さも感じ取っていただける曲だと思います。
3rd『Be mine』には、さらに深い感情が込められていて、かなり攻めたスタイルにもなっているだけに高い技術が必要とされるので、自分へのチャレンジという意味合いで作った曲です。
……ここだけの話、僕自身も出来上がって初めて“この3曲のストーリーって、つながっている”と気づいたんです。すごく不思議ですよね。なので、皆さんにはそういった連続性も意識してもらいつつ、楽しんでくれたらうれしいです」
ソロアーティストとしての道のりは始まったばかり。これからの活動に向けて、日々ソングライティングに励んでいるMASHIHOは、ある意外な場所を“お気に入りの作業スペース”として明かしてくれた。
「歌詞を書くときは基本、お風呂なんです。すごく落ち着くし、集中できるんです。湯舟に2~3時間浸かりながら、ずっと考えて。なんでお風呂なのか、自分でもよくわからないんですけど(笑)」
CLOVERに驚きと喜びを味わってもらいたい
これから先、CLOVER(ファンネーム)とやりたいことは? そう聞くと、「たくさんありすぎて」と頭を悩ませたMASHIHOの口から、こんなアイデアが飛び出した。
「僕、サプライズが好きなので、CLOVERの皆さんにも驚きつつ喜んでもらえるようなことをしてみたい。これは計画されているものとかじゃなくて、ただの妄想なんですけど……たとえば新曲がリリースされたタイミングで、カラオケで歌っているCLOVERのところにサプライズで現れて踊っちゃう、フラッシュモブのようなイベントとか。
あと、もしも海外でツアーができたら、CLOVERが移動するための飛行機を貸し切ってライブをしちゃうとか、実現したら楽しそうですよね。夢みたいな話ですけど(笑)」
最後に、9月1日(日)に大阪なんばhatch、9月6日(金)に横浜のKT Zepp Yokohamaで開催される初ファンミーティング『MASHIHO presents, 1st Fan meeting “4 my clovers”』について、ニュースクランチのインタビューにだけ、ネタバレを少し明かしてくれた。
「9月のファンミーティングまでに公開される僕のオリジナルソングは、3曲なんですけど……ですけど!? ……ここまでにしておきます(笑)。たくさん楽しんでいただけるように準備中なので、期待していてくださいね」
(取材:菅原 史稀)
08/29 12:00
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