高校退学で話題になったグラエンサー・ちーまき「ナイトブラが欲しかっただけで…」
スマートフォンひとつで、ある日、人生が突然ひっくり返る可能性を秘めている現代のSNS文化。そのなかで、“悲運の事件”のヒロインとなったのが、約25万人のInstagramフォロワーを持つグラビアアイドル・ちーまきだ。18歳という若さで、彼女はすでに多くの人々の注目を集めている。
福井県出身の彼女がグラビアの世界に足を踏み入れたのは、ある意味、偶然だった。高校在学中、SNSでの下着のPR案件がきっかけで退学。その後、予期せぬ展開で人気週刊誌のグラビアデビューを果たす。そんな波乱万丈の経験を経て、今や彼女は新世代の「グラエンサー」として、多くのファンの支持を得ている。
華やかな世界に身を置きながらも、18歳ならではの等身大の素朴さも持ち合わせた彼女に、ニュースクランチ編集部がインタビューを敢行。あの事件の裏側から、今後のキャリアでやりたいことまで、ちーまきの素顔に迫る。
“人生初”のPR案件でまさかの退学
緑豊かな福井県から東京へ―—現役JKインフルエンサーとして活動していたちーまきは、予想外の展開を経てグラビアの道を歩み始めている。
現在、彼女の生活は東京と地元を行き来する日々だという。二つの街を行き来する生活は、多くの人にとって負担に感じるかもしれないが、本人にとっては日常の一部となっているようだ。
「東京に通ってはいますが、新幹線に座ってるだけなので、そんなに大変じゃないです(笑)。福井県の出身なんですけど、住んでるところはめっちゃ田舎ってわけでもなくて。車で20分ぐらい離れると、すぐ田舎になっちゃうけど……。私、田舎も好きなんです」
彼女のグラエンサーとしてのキャリアは、思いがけない出来事から始まった。InstagramでナイトブラのPR案件を受けたことがきっかけで、高校を退学になるという事態に直面したのだ。しかも。学生の大きなイベントである修学旅行の3日前という、最悪のタイミングでの出来事だった。
「普通にInstagramで投稿していたら、だんだんフォロワーが増えて、案件のDMが来るようになったんです。それまでは(PRの案件を)受けてなかったんですけど、例の件は、ただナイトブラが欲しかったんです。本当にそれだけで引き受けてしまったんですけど、結果的に退学になっちゃって」
この予想外の出来事が、彼女の人生を大きく変えることになった。結果として話題を呼び、SNSのフォロワーが5万人も増加。その後、グラビアデビューへとつながった。
「Instagramの投稿が炎上したんですけど、X(旧Twitter)は特定されてなかったんです。それが、週プレ(週刊プレイボーイ)さんが、普段の何気ない日常をツイートしていたXのアカウントを見つけてくださったみたいで。今日は暑いとか、学校の授業が面倒くさいとか……本当に中身のないことしか呟いてなかったんですけど(笑)。そのアカウントにDMをいただきました」
ソーシャルメディアのなかで、一つの小さな投稿が大きな波紋を呼ぶことは多々ある。ちーまきの場合も、日常のつぶやきが思わぬ展開を生んだ。しかし意外にも、実際に出版社に足を運ぶことになったのは、別のイベントがきっかけだったという。
「たまたま、BLACKPINKのライブが東京ドームであったんです。そのとき、“ついでに集英社に寄ってくれたらうれしいです”って言われました」
ちーまきはアイドルなどの可愛い女の子が好きだと公言しているが、自分のキャリアの選択肢の一つとしては捉えなかったのだろうか。
「K-POPのガールズグループは全部好き。でも、きっかけはBLACKPINKです。小学校で流行っていたし、母がBIGBANGのファンだったんです。BLACKPINKってBIGBANGの後輩なんですよ。そこから韓国アイドルに興味を持ちました。でも、自分がアイドルになりたいとは思わなかった。じつは……歌がめっちゃ下手なんですよ(苦笑)」
こうして、普通の女子高生から一転して始まったグラビアの仕事。だが、ちーまきにとって全く未知の領域だった。彼女は、カメラの前で自分の姿を晒すことについてこう話す。
「正直、最初はグラビアの仕事って恥ずかしいと思ったんです。もちろん、今でもあります。カメラの前に立つのに慣れないというか……。撮影中、つい真顔になっちゃう。でも、撮影でいろんなカワイイ水着を着られることは楽しいです。自然豊かなロケーションで撮影してみたい。海での撮影はまだしたことがないので、やってみたいですね」
お父さんには「撮ったあとでの報告」でした
グラビアの世界に本格的に足を踏み入れるにあたり、家族への報告も彼女なりの慎重さがあったようだ。
「お母さんには、集英社での顔合わせから帰ってすぐ話しました。でも、お父さんには...…なかなか言い出せなくて、撮ったあとでの報告でした。1週間くらい経ってから伝えました。でも、話してみたら、お父さんも“やりたいことがあるなら、やってみればいい”と言ってくれて」
ちなみに、ちーまきは6人いるなかでの4番目だという。グラビアデビュー時の、兄弟や姉妹からの反応も気になるところ。
「おもろいなって言われるくらいで、それ以上の深い感想はないみたいです。1つ上と3つ上のお姉ちゃんは、ダメなことはダメって怒ってくれるときも多いです。みんな仲が良くて、家族全員でディズニーに行ったりもします」
現在18歳ということで、やはり今後の将来や進路については、家族と話すこともあったそうだ。6月27日にグラビアデビューから1年を迎えた今、彼女の人生は大きな転換期を迎えている。まだ高校在学中だった1年前と、今の心境を比較して思うことを率直に聞いた。
「1年前……高校3年生になったばかりの頃は、まだ17歳でした。そのとき、お母さんと“残りの高校生活で将来の夢を見つけたい”って話してたんです。まぁ、1年あれば見つけられるかなって気楽に考えてたんですけど、気づいたら月日だけが経ってしまって……。18歳になってからは、急に年齢に危機感を覚えるようになりました。
親が経営者だったので、小さい頃は漠然と“経営者になりたい”って思ってました。でも、そのあと年齢を重ねても特に夢は見つからなかったんです。なので、SNSでの出来事がなければ、今のグラビアの仕事もしていなかったと思います」
もう中卒いじりしないでね!
また今年5月には、N高等学校の卒業証書を持ったブレザー姿の写真を公開したことでも話題を呼んだちーまき。「下着案件退学jkは卒業できました」とユーモアを交えた投稿でコメント欄を賑わせた。
「たくさんの人から、“卒業おめでとう!”と言ってもらえたのはうれしかったです。転学したのに、“中卒でこれからどうするの?”って言われることがすごく多かったので。高校の3年間は、5人分くらいの人生を生きた気がします」
普通の女子高生から人気インフルエンサーへ、そして予期せぬ退学を経てグラビアデビューという劇的な展開。確かに、彼女の高校生活は波乱に満ちている。
「グラビア×インフルエンサー=グラエンサー」という肩書については、自分を「インフルエンサーとは特に思っていない」とコメントした彼女だが、Instagramのフォロワーが約25万人となった今、SNS上での影響力は確実に大きくなっている。ファンからの声が日々届くなかで、彼女自身はその状況をどのように受け止めているのだろうか。
「ネットだと見た目の雰囲気からなのか、気が強そうって言われることが多いんですけど、実際そんなことはないです(笑)。でも、(SNSのやりとりで)普通の人が気にするところがあんまり私は気にならなくて。逆に普通の人は気にしないところで、気にするかもしれないです」
その“普通じゃない”部分こそが、多くのフォロワーを惹きつける魅力なのかもしれない。その意図をさらに掘り下げるべく、SNSで気になる部分について質問を重ねてみた。
「気になるのは、プロフィールも書いてないような、裏垢っぽい初期設定のままの人からのDMです。パッと見てプロフィールがわかる感じの人からの中傷なら、ブロックして気にしなければいいと思っていて。でも、匿名性が高いと、誰が発信してるかわからない怖さがあるので。最悪、身内の可能性もあるし……」
グラビアならではの自分のイメージと、実際の自分とのギャップに対しての悩みもあるようだ。
「フォロワーさんに爪やネイルのこととか、コメントをもらうこともあって。でも、そういう声はあんまり深く気にしないというか、逆になるべく取り入れるようにしています。“ハイトーンの髪やめて”とか“ネイルをもっとナチュラルにして”とか。
やっぱり、求められるイメージはどうしても清楚系なので。そういう意味では、自分の好みと違って少しだけ苦しいこともあります」
多くのインフルエンサーにとって投稿の内容は命だ。その多くは、細心の注意を払って投稿を作成し、フォロワーの反応を常に気にかけている。ところが、ちーまきの投稿のマイルールについて尋ねてみると、意外な答えが返ってきた。
「普段のSNSは特に統一感など気にしていないです。気分屋なので、SNSも更新しないときは本当に更新しないし、するときはするって感じです。同い年とかやったら、まだここまでフォロワーがいる子も少ないと思うので、自分の強みとしていけたらいいなとは思ってます」
そんな彼女の素朴な素直さが、逆説的に多くのフォロワーを惹きつけているのかもしれない。最後に、将来の夢を尋ねてみると、またしても彼女らしい意外な答えが返ってきた。
「やってみたい仕事は、食レポです。一番好きな食べ物はキュウリです。あと、辛いものも好きですね。偏食なんですけど、挑戦してみたいです」
18歳という若さで25万人ものフォロワーを持つインフルエンサーでありながら、普通の女の子としての等身大の魅力も失わないちーまき。グラビアアイドルとして多方面での活躍が期待される彼女の言動は、SNSが人生の転機になる時代を生きる多くの若者たちにとって、ひとつのロールモデルとなるかもしれない。
(取材:すなくじら)
08/26 18:00
WANI BOOKS NewsCrunch