少女歌劇団ミモザーヌが夏公演に挑む「新体制で最大限のパフォーマンスをしたい」

「サクラ大戦シリーズ」などで知られるマルチクリエイター・広井王子が総合演出を務める少女歌劇団ミモザーヌが、夏公演『ジャングル・レビュー 〜Living〜』を8月に大阪と東京で開催する。今回も2幕構成となっており、第1幕はジャングルを舞台にした動物たちの「生きる」をテーマにした舞台、第2幕は昭和歌謡やジャズ&ポップスのミュージックバラエティーショウと、チャレンジングな内容となっている。

今回は卒団した いまもりまなかの後任として団長となった いわむらゆきねを中心に新体制として初めて挑む公演。さらに、この公演をもって1期生の すずきゆいが卒団を迎える。今回のニュースクランチのインタビューでは、いわむらゆきね・ちばひなの・さかもとりるは・みつふじまりんの4人に夏公演に向けての思い、すずきとの思い出を語ってもらった。

▲少女歌劇団ミモザーヌ(ちばひなの、さかもとりるは、みつふじまりん、いわむらゆきね)【WANI BOOKS-“NewsCrunch”-INTERVIEW】

いわむらゆきねは“おっちょこちょい&真面目”

――昨年の冬公演「Love Letter〜いまもりまなか卒団公演〜」は、これまで団長を務めてきた いまもりまなかさんの卒団公演でした。まずは前回の公演を振り返っての感想を教えてください。

いわむら:私の中では、あの公演の舞台上で団長を任命された、というのが大きな出来事でした。もともと副団長をやっていたので、もしかしたら“次は私かも?”と思っていたんですけど、事前に何も言われず、舞台上で初めて言われたので驚いて。任されたときは、もちろん頑張ろうと思っていたんですけど、やっぱり不安も大きかったです。

というのも、私はおっちょこちょいでどんくさいところがあるので、私に務まるのかな……と思っていたんです。でも、そこから今のメンバーと半年間、一緒にやっていくなかで、慣れないことも副団長のひなのがサポートしてくれるので、すごく助かっています。

――団長を任されるということは不安もあるんですね。

いわむら:団長に任命していただいたタイミングで、春から上京して東京の大学に通うことが決まっていたので、学業の傍ら、毎週、大阪に通ってレッスン。そこの兼ね合いが不安でした。

例えば、土曜日も授業に出席するとなると、土曜日のレッスンは最後の1時間くらいしか参加できないんです。みんなを引っ張っていく存在にならないといけないのに、大丈夫なのかな? と思っていました。

――団長のいわむらさんについて皆さんはどう見ていますか?

みつふじ:すごく優しくて真面目な方です。

さかもと:ゆきねちゃんは、自分でも言っていたように、おっちょこちょいなところもあって、“ゆきねちゃん、またやってるよ~”みたいなことがあるんです(笑)。でも、ゆきねちゃんの少しくだけた感じが、私はすごく心地良くて。なんでも相談しやすいですし、任せっきりではなく自分も頑張ろうと思える存在です。

――ちばさんはいかがですか?

ちば:団長だからって、別に完璧じゃないといけないわけでもないし。ちょっと抜けてるところだったりとか、メンバーとの距離感が近いという意味では、団長という線引きを変にすることなく接することができるので、ゆきねの良いところが出ていると思います。でも、ゆきねは真面目すぎて、考え込んでしまうところがあるので、そこを私がサポートしていければなって。

いわむら:ありがとう、頼りにしてます(笑)。

▲元気いっぱいのミモザーヌ

夏公演ではメンバーの動きに注目!

――これまで何度か夏公演の取材をさせていただきましたが、今回のビジュアルを見ると、ガラッと雰囲気が異なる公演になっていますね。

いわむら:いつも通りの2幕構成になっているんですけど、第1幕は動物たちがたくさん出てきて、私がたった1人の人間のハンター役を演じるんです。そのハンターと動物たちが紡ぐ、「生きるとはなんだろう」という疑問を問いかける舞台になってます。第2幕はミュージックバラエティショウになっていて、日本舞踊だったりフラメンコだけではなく、今回は詩吟とか剣舞とか、昭和歌謡にも挑戦しています。

さかもと:今回の公演はソロが多いんです。私もソロを歌わせてもらうんですけど、そのおかげで自分と向き合う時間がとても多くなってます。自分の個性を見せられるチャンスだと思っているので、“さかもとりるは”だな、と思ってもらえるようなパフォーマンスができるように頑張ります。

みつふじ:今までの夏公演と冬公演は、綺麗な立ち方とか歩き方を意識してきたんですけど、今回は動物らしい動きを意識したいなと思っています。

――動物の動きは難しいですよね。

みつふじ:いっぱい研究してるんですけど、やっぱり難しい…!

――どの役をやられるんですか?

みつふじ:私はウサギをやります。ついさっき、控室で、りるはとウサギの喧嘩をやったんですよ。

さかもと:かわいいウサギじゃなくて、野生のウサギをやったんですけど……。

みつふじ:せっかくなので、私たちがやったジャングルにいる野生のウサギの喧嘩をお見せしますね。(実際に演じてみせる)

一同 (笑)。

――野生のウサギって意外と凶暴なんですね(笑)。

みつふじ:これは実際に見てもらいたい!

ちば:今回の公演では、それぞれチャレンジしてることがあるんです。1幕では動物役の全員が舞台上にいてジャングルの雰囲気を作っているんですけど、かなりの集中力が必要になってくるので、気持ちが途切れないよう、基礎を徹底するように心掛けています。

個人としては、フラミンゴをやらせていただくんですけど、『情熱フラミンゴ』※で披露させていただいたときとは違って、今回は歌って踊るだけではなくて、お芝居も必要なので、よりフラミンゴらしさを見せられるように研究していきたいと思っています。

※ミモザーヌのオリジナル楽曲

――フラミンゴって一本足ですよね? バランスを取るのが大変そうです。

ちば:そうなんです。しかも、衣装がヒールなんですよ。今までやってきた体幹とか基礎は、そこに活かしていきたいですね。

▲今年の夏公演ではメンバーの動きに注目してください!

卒団を控える すずきゆいへのメッセージ

――今回の夏公演で、すずきゆいさんが卒団となります。皆さんにとって、すずきさんはどのような存在でしたか?

いわむら:ゆいは1期生として一緒に入団したんですが、ここ2~3年で急激に距離が縮まったんですよ。去年の夏に1期生メンバーでグランピングに行ったとき、ゆいと二人でお風呂に入って、二人とも裸で、お互いの思いを語り合ったことが一番の思い出です。ゆいはダンスが強みで、普段はふわふわしてるんですけど、踊るとすごくカッコイイので、これからも多くの人の心を掴んでほしい!

さかもと:ゆいちゃんとは関東メンバーということもあって、一緒にいる時間が長いので、パフォーマンス以外の話もするくらい心が許せるメンバーなんです。その絆を最後の公演で見せられたら、すごく良いステージになるんじゃないかなと思います。

みつふじ:私はゆいちゃんとすごい年齢が離れていて……お母さんみたいな感じなんです。

いわむら・さかもと・ちば:お母さん!?(笑)

みつふじ:(笑)。お母さんくらい尊敬しているんです。前回の冬公演では、不良の役を一緒にやらせていただいて、そこから話すことが増えて、絆が深まったので、それを活かして今回の公演につなげていきたいです。

ちば:ゆいが入団したときは、お姉ちゃんみたいなイメージだったんですけど、最近はゆい自身が思ってることを話してくれたり、私からも“こうしたほうがいいんじゃん?”と思ったことを言えるようになって。

ゆいはすごく繊細な子で、周りに合わせるタイプではあるんですけど、最近はハッキリ自分の意見も言ってくれるようになって、すごくうれしかったんです。今回の夏公演は1期生で『Welcome sing,sing』という曲を披露するので、全力でゆいを送り出したいです。

――ミモザーヌのこれまでを追ってきた人からすると、その演出はたまらないですね。最後に今後の目標を教えていただけますか?

いわむら:私はこの春から大学生になったのですが、大学では演技の勉強をしているので、今年は演技力の向上に力を注いでいきたいです。

さかもと:今回の夏公演もそうなんですけど、私は役作りをもっとしっかりしていきたいなと思っています。見ているだけではわからない深い部分まで考えて、それがセリフとか役とかに反映されたらいいなと思っています。

みつふじ:私は前回の冬公演を通して、心情の移り変わりをお客さまに届けることが課題だと感じたので、今回はそれを頑張っていきたいです。

ちば:副団長になって初めての公演ということで、今まで団長のまなかの存在がすごい大きかったぶん、新体制でできる最大限のパフォーマンスを見せられるように、副団長として引っ張っていきたいです。個人としては今後はドラマや映画にも挑戦していきたいと思っているので、これから勉強していきたいです。


▲少女歌劇団ミモザーヌ夏公演2024 「ジャングル・レビュー ~Living~」

〈川崎 龍也〉

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