松村沙友理が演じる週末婚BBQライフ。見どころは「私のかわいさとおいしそうな料理」

7月4日(木)から読売テレビ・中京テレビで放送される連続ドラマ『焼いてるふたり 〜交際0日 結婚から恋をはじめよう〜』。本作は講談社『モーニング』で連載中の人気漫画『焼いてるふたり』を実写ドラマ化したもので、交際0日で結婚した恋に不器用な二人の“週末婚BBQライフ”が描かれている。

W主演を務めるのは、黒羽麻璃央と松村沙友理。自分に自信がないけれど趣味のバーベキューには熱い福山健太(黒羽)と、クールに見られがちだが食べることが大好きな山口千尋(松村)がマッチングアプリで運命の出会いを果たし、交際0日で結婚することになって……というストーリーだ。

ニュースクランチでは今回、千尋役を演じる松村にインタビューを実施。役作りについてや撮影現場でのエピソード、役者として感じていることなどを語ってもらった。

▲松村沙友理【WANI BOOKS-“NewsCrunch”-Interview】

本当にいい役をもらえたなと思いました

――本作のキャッチコピーが「肉と、ビールと、好きな人。」で、演じる千尋は「食べることが大好き」。まさに松村さんにぴったりな作品だと思いました。

松村:私自身も食べることが大好きなので、ぴったりと思っていただけてうれしいです。健太さん(黒羽)は調理も多くて大変そうだったんですけど、千尋さんは基本的においしく食べる担当だったので、本当にいい役をもらえたなと思いました(笑)。おいしいものをたくさん食べることができて幸せです!

――まず、千尋を演じるうえでどのようなことを意識されましたか?

松村:千尋さんは会社で「クールビューティー」と言われていて、感情を表に出すのが得意ではないタイプ。でも、好きなことに対しては一直線で、おいしいものを食べたときに、ちゃんとおいしいと思える感情を持っている子なので、クールになりすぎず不器用なかわいらしさを出そうと思って演じました。

――千尋と自分を比べて、似ている部分と似ていない部分は?

松村:私は千尋さんみたいに感情を溜め込むことはないかな。思ったことは、なんでも言えちゃうタイプなので。逆に、好きなことに一直線な部分は、すごく似ていると思いました。私、昔からずっとアニメが好きで、自分の好きなキャラクターのグッズを見た瞬間に欲しくなって、全部買ったりしていました。タペストリーやフィギュアとか、同じものが家にあるのに欲しくなっちゃうんですよ。それで、家に帰って母親に怒られたりしていました(笑)。

あと、千尋さんは出会ったばかりの健太さんに自ら結婚を申し込むんですけど、この迷いのなさもすごく似ていると思います。私も自分の直感を信じるタイプなので。

 

――では、千尋の夫・健太役を演じた黒羽さんの印象は?

松村:黒羽さんのことは、今回共演する前から俳優さんとして知っていました。顔が整っていてスラっとしているので、きっとクールな方なんだろうな、と。ただ、健太さんはクールじゃないし不器用なキャラクターだから、どうなるんだろうって最初は思っていました。

だけど、いざお会いすると、とても朗らかな方でした。近寄りがたい雰囲気はまったくなく、気さくにみんなと楽しくお話ししてくださるんです。会う前と会った後では印象が180度変わりました。

――現場も和気あいあいとした雰囲気だったんですね。

松村:そうですね。黒羽さんと私のシーンが多く、スタッフさんも少人数だったんです。しかも、最後のほうはずっと一軒家で撮影していたので、家族のようなリラックス感で(笑)。皆さんとずっとくだらない話をしながら、和やかに進んでいきました。

私の調理シーンは「殺陣みたい」

――先ほど「千尋さんはおいしく食べる担当」とおっしゃいましたが、食べるという演技をやってみていかがですか?

松村:食べ方は、普段の自分と変えたつもりはありません。ただ、食べたあとにセリフを言うのが大変でした。豪快に食べたほうがおいしそうに見せるには魅力的なんだろうけど、豪快に食べすぎるとセリフが言いづらいんです。だから、口に含む量のバランスは意識していました。

――演技として食べたものもおいしかったんですよね?

松村:はい! 何回も食べたいから「わざとNGを出そうかな」って思ったくらいです。あまりにおいしくてカットがかかったあともずっと食べていたら、監督に「ドラマっていうのは(シーンとシーンの)“つながり”があるんだよ」と怒られました(苦笑)。

――特においしかったものは?

松村:全部おいしくて、なかでもバッファローウィングはものすごくおいしかったです。いっぱい食べるシーンがあって、その日150本用意していると言われていたんですよ。「人数で割ったら1人30本くらいしか食べられへんな」と思っていたんですけど、健太さんの後輩の三船くん(金子隼也)が40本くらい食べてて「ちょっと! 食べすぎやろ!」って思いました(笑)。

――食べるだけでなく、松村さんが調理をするシーンもあるんですよね。

松村:はい、あります。調理シーンの9割くらいは健太さんがやってくれて、私は少なかったからこそ、とても緊張しました。ひとつ失敗すると最初から撮り直しになるから「絶対に失敗できない!」みたいな緊張感がすごくて、そんな私を見た黒羽さんが「殺陣みたい」って(笑)。

――料理なのに殺陣のような緊迫感があったんですね。

松村:調理シーンは、スタッフの皆さんも「絶対においしく撮るぞ!」と意気込んで撮ってくださいました。皆さんのこだわりを感じられるシーンになったと思います。

 

――いろんな料理を作ったり食べたりするなかで、気づいたことや発見はありましたか?

松村:この作品を通して、「料理ってそんなに難しいものじゃないんだな」と感じました。外でバーベキューをするのはちょっと難易度が高いけど、調理工程はシンプルなものが多くて。肉巻きも塩コショウだけで十分おいしかったんですよ。私の中で料理は「あれこれ用意して、あれこれやらなきゃいけないもの」だと思い込んでいたけど、そうじゃなくて、今あるものを使って自分のできることをやるだけで十分なんだと思えたのは発見でした。

――では読者に向けて、このドラマの見どころを教えてください。

松村:見どころは、私のかわいさです! いや本当に!(笑) プロフェッショナルの皆さんのおかげで、自分でもびっくりするくらいかわいく撮っていただきました。そして何より、おいしそうな料理ですよね。放送時間は深夜なので視聴者の皆さんにはツラい思いをさせてしまうかもしれませんけど(笑)。映像美は、このドラマの見どころだと思います。

――たしかに、深夜にバーベキューの肉を見せられたらお腹が空いてしまいます。

松村:ご覧いただいて、「おいしそうだな。よし、明日のご飯はこれにしよう!」みたいなルーティーンにするのもいいかもしれません。

――ちなみに松村さんは、その日の晩ご飯や次の日のご飯はどのように決めていますか?

松村:食べたいものが前日に浮かんでくるタイプですね。「明日はこれが食べたい!」って。私はあまり料理をしないし得意でもないけれど、食べたいものが浮かんだら料理サイトでレシピを調べて、必要な食材をスーパーに買いに行ったりもします。

――料理をするときは、事前にしっかり調べて買い出しに行くタイプなんですね。

松村:はい。世の中には冷蔵庫にあるものでパパッと作ったり、スーパーで食材を見ながら献立を決める人もいると思うんですけど、私はそういうタイプではないです。

――では最近、松村さんが作った料理は?

松村:それこそ、ドラマに出てくるスペアリブは自分でも作りました。スペアリブなんて、お祝いや外で食べるイメージじゃないですか。でも、けっこう簡単だったんです。ドラマで作ったのを家でマネしてみたら、めっちゃおいしかったです!

 

先のことは考えないのが私のポリシー

――さて、松村さんは乃木坂46を卒業されてから約3年が経ちました。これまでドラマや映画に多数出演されましたが、演技という仕事をどう捉えていますか?

松村:演技って難しいなと思いながら、ずっと取り組んでいます。ただ、最近感じたのは、どの世代の先輩方も皆さん悩んでいらっしゃるんです。役者という仕事は正解がないですし、ずっと悩みながらやっていくものなんだなと思うと、ちょっと安心しました。

――「先輩が悩んでいるんだから、私も悩んでいいんだ」みたいな安心感でしょうか。

松村:そうですね。以前は「こんなに悩んでいるのは自分だけなんじゃないか」と思っていました。でも、立っているだけでオーラがあって存在感のある俳優さんも悩まれていると聞いたし、それこそ70歳、80歳でも悩まれている方がいて。だったら、駆け出しの私が悩むのは当然だな、と。私自身、あれこれ考えながら取り組むのは好きですし、これからどんな役に出会えるのか楽しみにもなりました。

 

――役者以外にもタレント・モデル・アパレルブランドのプロデュースなど、松村さんの活動は多岐に渡っており、多忙な日々を送られていると思います。

松村:切り替えが大変ではあるんですけど、グループで活動していたときのほうが、もっと大変だった気がします。昔、切り替えがうまくできなくて、すごく悩んだ時期があるんです。

ドラマや舞台で悲しいシーンを演じると、そっちに感情が引っ張られちゃって。その気持ちを引きずったままステージで笑顔でパフォーマンスするのが大変でした。今でも「切り替えって難しいな」とは思うけれど、昔のように悩むことはなくなりました。

――環境が変わり、今の状況にも慣れてきたわけですね。

松村:はい。個人で活動をするようになってから“自分っぽいお仕事”が多くなったのも、切り替えで悩まなくなった一つの要因かなと思います。

 

――では、松村さんが今後の展望として思い描いていることを聞かせてください。

松村:私、先のことは全然考えていないタイプなんです。自分でも「こんなに何も考えずに生きていていいのか」と思っちゃう(笑)。今後の展望かぁ、なんだろう……(しばらく考え込む)。

――「考えないのがポリシー」とか?

松村:その言葉、カッコイイですね! でも、実際そうかも。毎年、特にこれといった目標も立てないし、自分にプレッシャーもかけないし。それが、この仕事を楽しみながら続けられている秘訣だと思うので、先のことは考えないのが私のポリシー! 今後、将来のことを聞かれたらそう答えます(笑)。

――はい、ぜひ(笑)。最後にもう1問、いま食べたいものは?

松村:焼肉! じつは今、頭の中が焼肉でいっぱいなんです。

――じゃあ今晩は焼肉ですね?

松村:はい、食べます。真っ白いご飯と焼肉と、あとスープも欲しいな(笑)。


〈左藤 豊〉

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