『虎に翼』<大学院中退します!><普通の家庭いらない!><結婚に親の承諾不要!>。KOされた航一に視聴者「カオス回」「怒って当然では」「このドラマの核心」
9月12日の『虎に翼』
現在放送中の伊藤沙莉さん主演・連続テレビ小説『虎に翼』(NHK総合/毎週月曜~土曜8時ほか)。第24週「女三人あれば身代が潰れる?」の119回が9月12日に放送され、話題になっています。
*以下、9月12日放送内容のネタバレを含みます。
のどか(尾碕真花さん)の婚約者・誠也(松澤匠さん)が星家にやってくる。
しかし、星家では航一(岡田将生さん)と優未(川床明日香さん)が優未の進路をめぐって口論をしていた。大学院で寄生虫の研究をしていた優未は研究職を目指すことを辞め、大学院も中退すると言い出す。
昭和44年、日米安保改定を翌年に控え、全国で若者たちによる騒乱事件が多発。少年法を改正して厳罰化すべきだという声が、ますます高まっていく――といった話が描かれました。
あらためてあらすじ
ドラマ内で寅子が星家に戻ってくると、家の前には、中の様子をうかがうのどかと婚約者の誠也が。
その家の中では娘・優未と夫・航一がその進路を巡って話し合っていました。
この先にイスがない、そして寄生虫の研究を嫌いになりたくないから博士課程を終える前に大学院を中退して、すっぱり諦めたいと謝りながら話す優未。対して航一は諦めずにもがいてみては、と答えます。
そこで寅子がカットイン。「航一さん、黙って」と航一の話を制止すると「どの道を、どの地獄を進むか、あきらめるかは優未の自由です」と話します。
航一がそれではこれまでの9年が無駄になる、と述べると、さらに「はて? ムダ? 手にするものがなければ、これまで熱中して学んできたことがムダになるの?」と答える寅子。続けて「地獄を進む覚悟」を優未に確認します。
対して航一は「寅子さんは現実を見ていない。甘すぎる。この年齢で何者でもない彼女に社会は優しくない!」「いや、駄目だ。絶対に駄目だ! 僕はかわいい娘が傷つくのを見たくないんだ!」と話します。
笑い始める航一
すると今度はのどかが婚約者・誠也を連れてカットイン。
のどかは、たとえ傷ついても自分が一番で生きたほうが良い。誠也が好きだけど、普通になるなら一緒にいられない。普通の家庭も子どももいらない、自分の人生は自分のためだけに使いたい。誠也も、自分のために芸術の道を諦めて欲しくないなどと話します。
それを聞いた誠也。「それはつまり、俺が普通にならなくても、のどかはずっと一緒にいてくれるってこと?」とのどかにたずねます。
その後、誠也は、のどかは苦労するし、人が当たり前に持っているものはほぼ持っていない人生になると思うが、結婚すると宣言。さらに「大人の僕らが、親の承諾を得るものじゃないかなと」というと、のどかは「それもそうね」と答えて誠也の手を取ります。
一連のやりとりで感情が限界まで高まり、揺さぶられた航一は一周まわって笑い始めます。その様子に「あらやだ怖い」と反応した寅子でしたが、「それぞれの選択を尊重するということで」とまとめると、頼んでいたウナギがまもなく届くことを告げるのでした。
このドラマの核心
今回、優未、のどか、誠也という若い3人の<非常識>とも言えそうな発言を受けて、航一は完全にノックダウンしてしまいました。
その様子にネットでは「笑いどころとツッコミどころ満載でカオス回」「目標がないならとりあえず博士課程まで終わりにして!絵描きもどきに娘をやれるか!というのが普通の父親でしょ」「航一の言っていることは娘のため、という皮をかぶったただのエゴ」「一連の誠也の言葉から、このドラマの中でも次の世代が育っていると感じる」「このドラマの核心として、どんな選択だろうと選択をする人の意思を尊重し、最後まで応援できるか、ということをずっと問うている」といった声があがっていました。
朝ドラ通算110作目となる『虎に翼』は、日本初の女性弁護士で後に裁判官となった三淵嘉子(みぶち・よしこ)さんがモデル。昭和の法曹界を舞台に、激動の時代を描いたリーガル・エンターテインメントです。
仲野太賀さんや石田ゆり子さん、松山ケンイチさんらが出演し、尾野真千子さんが語りを担当。脚本は吉田恵里香さんが、主題歌『さよーならまたいつか!』は米津玄師さんが手掛けています。
09/12 13:30
婦人公論.jp