熊谷真実「64歳で初めて巡り合えた、3人目の夫は運命の人。妹・松田美由紀の後押しで、結婚披露パーティーを開催。ウェディングドレスを着て150人から祝福」

「夫は最初、『えー、やるの?』と渋っていたんですが、終わってみたら一番感動していましたね。(笑)」(写真提供◎熊谷さん)
2024年8月8日放送の『徹子の部屋』に熊谷真実さんが登場。夫とのなれそめをはじめ、結婚して飼い始めた愛犬との暮らしを語ります。

〈発売中の『婦人公論』8月号から記事を先出し!〉
2021年に2度目の結婚生活に終止符を打った女優の熊谷真実さん。それから3年、SNSに自身のウェディングドレス姿を投稿し、結婚の報告をしました。お相手との出会いは、そして熊谷さんにとって「結婚」とは――(構成=上田恵子 写真提供=熊谷さん)

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【写真】イベントで手作りの「真実カレー」を販売する熊谷さん

64歳の花嫁としてウェディングドレスを

先日、親しい方々をお招きして、結婚披露パーティーを開きました。64歳でウェディングドレスを着るのには気恥ずかしさもありましたが、150人もの方が祝福してくださって。おかげでこのうえなく幸福な一日を過ごすことができました。

挙式自体は昨年、伊勢の猿田彦神社で済ませていましたし、何より私は今回が3度目の結婚になります。なので当初、このようなパーティーは予定していませんでした。

でも妹(女優の松田美由紀さん)が「真実ちゃんの結婚パーティーをしてあげてください」と夫に言ってくれたことがきっかけで、嬉し恥ずかしの花嫁姿を披露することとなったのです。

会場は、私が暮らす静岡県浜松市にある結婚式場です。若い頃に共演して以来のお友達である志穂美悦子さんが前日から浜松に入り、流木をあしらった見事なフラワーアレンジメントを完成させてくださいました。

皆さん、ロビーに置かれたそのアレンジメントの前で記念写真を撮っていて、金屏風の何倍も豪華なスポットになっていました。

結婚パーティーは、私の姉や妹はもちろん、夫の母もすごく喜んでくれて。「思い切ってやってよかったなあ」としみじみ思いました。夫は最初、「えー、やるの?」と渋っていたんですが、終わってみたら一番感動していましたね。(笑)

普通に見えるけど全然普通じゃなかった彼

夫との出会いは3年ほど前にさかのぼります。離婚して独りになった私を気遣った友人が、彼女の夫のお友達を「同じ浜松の人だから何かあった時に頼りになるわよ。一度4人でご飯を食べに行きましょう」と紹介してくれたのです。

その方は私より8歳下。会社を経営している人でした。私自身、再婚はおろか、再び誰かとお付き合いすることなど考えてもいなかった時期です。

友人夫妻の勢いに押され、流れで会うことになったのですが、まさか彼らも結婚までいくとは想像していなかったと思います。

彼の第一印象は、失礼ながら「ごく普通の人」でした。道で会っても振り返らないであろう、ネクタイを締めたサラリーマン男性。私と一緒にいると、うっかりマネージャーに間違えられるくらいの普通さです(笑)。そんな彼のことが気になり始めたきっかけは、朝のLINEでした。

彼は《ももこ》という名前のわんちゃんを飼っているのですが、知り合ってから毎朝、「おはよう」とももちゃんの写真を送ってくれるようになったんですね。

ふと気づけばそれが楽しみになっていて、届かない日があると「今日はどうしたんだろう?」と物足りなさを感じるようになっていました。

とはいえ、当時の私は離婚したばかり。狭い街ですし、二人でいるところを誰かに見られて誤解されるのも嫌だったので、「会う時は4人で」と決めていました。そんなある日、たまたま二人になるタイミングがあり、じっくりとお互いの話をする機会を得たのです。

話をするうちに、学生時代はバイクで日本全国を巡っていたり、仕事の合間にボランティア活動に打ち込んだり、時間ができるとパッと海外に飛んで行くなど、ものすごくアクティブな人であることがわかって。私もあちこち行くのが仕事みたいなものなので、まずそのへんのリズムが合うなあと感じました。

なかでも興味深かったのが、世界中の子どもたちが描いた絵を繋ぎ合わせて一枚の大きな絵を作る「世界一大きな絵2024」というプロジェクトへの参加です。

今年7月、完成した絵をオリンピック開催国のフランスで披露するイベントがあって、私も彼と一緒に行く予定なのですが、とにかくこういう社会貢献的な活動をいくつもしているのです。

一見、普通に見えるけど全然普通じゃない。私が知らない世界をたくさん知っていて尊敬できる彼に魅力を感じ、さほど時間がたたないうちに「この人とずっと一緒にいたい」と思うようになりました。

彼女いない歴8年とのことでしたが、「こんなに素敵な人がよくぞ残っていてくれた。私と出会うために独身でいてくれたんだわ!」と、運命に感謝しましたね。(笑)

ずっと誰かに愛されて生きていくんだろうな

世の中には、「もう結婚という形にとらわれなくてもいいのでは?」と考える人もいます。でも私は、「好きになったら結婚したいと思うよね?それなら事実婚より法律婚のほうが、日本の場合はできることが増えるし」と考えるタイプです。

何か特別な事情があるなら別ですが、そうでないなら形式に則ったほうがいい。彼も同じ考えだったため、ごく自然に結婚という流れになりました。

もともと私は、自分一人で生きていくというイメージがあまりなく、今も昔も「ずっと誰かに愛されて生きていくんだろうな」と思ってきた人間です。

それは離婚した時も同じで、「私が不幸せになるわけないじゃん。何か理由があってこうなったに違いないんだから!」と、一切マイナスに考えませんでした。

ただ、そんなふうに言えるのは子どもがいなかったせいもあると思います。もし以前の結婚で子どもがいたら、たぶん離婚はしなかった。

というのも、うちの両親はあまり仲が良くなかったんですね。父には複数の愛人がいて、母はつらい思いをしていました。でも母が我慢してくれたおかげで、私たち姉妹は路頭に迷わずに済んだのです。そういう経験があるだけに、子どもがいる場合の離婚は慎重にしないといけないという思いがありました。

今回の出会いも、子どもがいたらまた全然違ったものになったのではないかという気がします。

もうひとつ、「どうして離婚したのに浜松にいるの?」と尋ねてくる人がいたのも意外でした。確かに浜松は前の結婚を機に住み始めた場所ですが、今やたくさんの友人、知人がいますし、離婚の際に応援してくれたのも浜松の友人たちです。

もともと自然が豊かなところで生活したいと思っていたこともあり、端的に言えば東京に帰る理由がなくなってしまったんですね。シンプルに浜松が好きで、ここにいたいからいるだけ。

これからもずっと、大好きな浜松で暮らしていくつもりです。

後編につづく

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