『虎に翼』「どうして…人を殺しちゃいけないのか」美佐江の疑問に答えられない寅子。50年代という時代背景を前に視聴者「ここにも戦争の影」「優未を捉えた時の表情が怖すぎ」「広島平和記念式典と一続き」

(『虎に翼』/(c)NHK)

8月6日の『虎に翼』

現在放送中の伊藤沙莉さん主演・連続テレビ小説『虎に翼』(NHK総合/毎週月曜~土曜8時ほか)。第19週「悪女の賢者ぶり?」の92回が8月6日に放送され、話題になっています。

*以下、8月6日放送内容のネタバレを含みます。

新潟市内で事件が発生。

森口(俵木藤汰さん)の娘・美佐江(片岡凜さん)がその事件に深く関わっているのではないかという疑惑が持ち上がる。

赤い腕飾りのことが気にかかる寅子は正面から美佐江と向き合って話そうとするが、寅子の対応は完全に失敗しーーといった話が描かれました。

あらためてあらすじ

売春に関わったとして女生徒たちが補導された事件。関与した女生徒二人は鑑別所に送られるも、美佐江は一緒にいただけと供述、釈放されました。

その後、家裁の面接官に会うことになったという美佐江が寅子のもとを訪問。

一緒にいた女生徒も赤い腕飾りを渡す特別な存在だったのか、と寅子がたずねると、美佐江は答えをはぐらかし、部屋を出ていこうとします。

その美佐江に対し、寅子のもとに来た理由をたずねると、美佐江は自分が様々な面で恵まれており、人を惹きつける魅力があることを自覚していると話し始めます。

そのうえで、法律の本を読めば、悪いことをすれば罰せられる理屈や量刑の決め方はわかるが、それがなぜ悪いことに定義されるのかが分からない、と話し

「佐田先生は心から納得する答えが出せます? どうして悪い人からものを盗んじゃいけないのか。どうして自分の体を好きに使ってはいけないのか。どうして…人を殺しちゃいけないのか」

とたずね、寅子は答えに窮します。

寅子はさらに美佐江を廊下で引きとめ、一緒に話して答えを考えてみることを提案したところで娘・優未が登場。優未を前に、美佐江の表情に変化が起きたのをみとめた寅子はとっさに優未を抱きしめます。

その様子を見た美佐江はそのまま立ち去るのでした。

ネットの声

こうした寅子と美佐江のやり取りについて、ネットでは「さんざん敵を叩け、と言われた戦争がまだ影を落としている1950年代。時代背景を考えると、現代の十代が抱えうるそれと意味が大きく違う」「優未を捉えたときの美佐江の表情が怖すぎ。この人の特別な存在がここにいる、寅子は私のものにならない、とあらためて気づいた瞬間の…」「なぜ人を、と疑問を投げかけたドラマの後が、広島平和記念式典。まるで一続きの番組のよう」「寅子の前に立ちふさがった立場と法の限界。この話は解決するのだろうか…」といった声が交わされていました。

朝ドラ通算110作目となる『虎に翼』は、日本初の女性弁護士で後に裁判官となった三淵嘉子(みぶち・よしこ)さんがモデル。昭和の法曹界を舞台に、激動の時代を描いたリーガル・エンターテインメントです。

仲野太賀さんや石田ゆり子さん、松山ケンイチさんらが出演し、尾野真千子さんが語りを、脚本は吉田恵里香さんが担当。

主題歌『さよーならまたいつか!』は米津玄師さんが手掛けています。

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