「こんな女医より、賢い女医がいい」とネットで批判…27歳でアイドルになった“現役女性医師”が明かす、それでもアイドル活動を続ける理由

1日10時間以上勉強→偏差値45から70に爆増→1浪で医学部合格…人命救助で話題の“現役医師アイドル”(27)が語る、夢を諦められなかった学生時代〉から続く

 東京駅での人命救助動画で話題を集めた、アイドルグループ・NEOアラモードの北村舞香さん(27)。25歳でスタートした研修医としての2年間を経て、今年4月からは、医師として独り立ちしながらアイドルとしても活躍する。

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 かつてない“医師兼アイドル”としての活動では、明るく笑顔を浮かべる自身のSNSに対して「こんな女医より賢い女医がいい」と辛らつなリプライも。そんな意見があっても「気にならない」と返してくれた北村さんは、“二足のわらじ”で生きる未来を明るく見通す。(全3回の3回目/1回目から読む)

“医師兼アイドル”として活躍するNEOアラモードの北村舞香さん ©杉山秀樹/文藝春秋

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研修医を終えた27歳で再びアイドルに

――医師国家試験に合格して、25歳からは医師としての人生がスタート。当初から、芸能活動との両立を考えていたんですか?

北村舞香(以下、北村) 医師一本でいこうかとも迷ったんですけど、医学部時代からずっと両立を続けてきたし、やっぱりやりたいと思ったので兼業しました。研修医としての2年間は副業禁止と定められているので、実際、アイドルに戻ったのは27歳で医師として独り立ちしてからですね。

 医師国家試験合格に向けて頑張っていた医学部の6年次、研修医としての2年間を合わせた3年間は振り返ると、芸能活動から一番遠のいていた期間でした。

――今年4月、医師として独り立ちすると共に、アイドルグループ・NEOアラモードのメンバーとしての新生活もはじまりました。

北村 フリーランスのアイドルとして活動する選択肢もあったんですけど、ふと、グループのオーディションが目に留まったんです。今は応募して、よかったなと思います。

 プロデューサーで元タカラジェンヌのちゆ(千幸あき)さんから学ぶことも多く「ステージでいいものを届けたい」と思う、プロ意識の高いメンバーに囲まれています。医師としては研修医時代と違い、患者さんのお話を受けて自主的に決断する場面も増えて、いずれのお仕事も全力で打ち込んでいます。

「アイドルとしても稼ぎたい」“医師兼アイドル”の収入事情

――医師は収入が多く、アイドルは収入が不安定とも言われますし、仕事としては真逆な印象です。

北村 医師の収入は、担当分野によるんです。保険診療と自由診療のどちらを受け付けているかによっても変わりますね。朝から晩まで病院にいて、急遽呼び出されることもある急性期医療へと進んだ同期のように、収入があったとしても「いつ休んでいるの?」と心配になる医師もいて。

 私は、医師としては週3日程度の稼働ですが、自分を磨くためにお金をかけられるほどは、稼ぎたいんです。もちろん、プロとしてアイドルとしても稼ぎたい気持ちもあります。

――これぐらい稼ぎたいと、理想は描いていますか?

北村 ダイエット中、割高なので購入してよいかを悩むコンビニのサラダチキンとサラダを気兼ねなく一緒に買えるような、ちょっと自分を甘やかせる程度には稼いでみたいですね。

――体型維持はやはり、切実な問題でもあるんですね。

北村 アイドルには欠かせないので。じつは、4月にNEOアラモードの活動がスタートしてから、デビューした6月までの期間に、体重を10キロも落としたんです。プロデューサーのちゆさんに食事の写真を毎日送り、食生活へのアドバイスを今もいただいています。でも、医師として同僚の方から差し入れをいただくこともあり、残業中にはお菓子にもつい手を伸ばしてしまうので、間食は悩みの種ですね(笑)。

医者とアイドルの両立に寄せられる意見

――広くバズった東京駅での人命救助動画もきっかけに、認知度も高まりつつあると思います。医者とアイドルの両立について、周囲ではどのような意見があるのでしょう?

北村 私に届いていないだけかもしれないですけど「面白い」と、好意的な反応しかないです。研修医時代、救急外来の見学で看護師さんがパソコンの前に群がっていたので、何かと思ったら、私のTikTok動画を見ていたときはヒヤヒヤしましたけど……(笑)。「見たよ!」とノリよくイジっていただいたし、先輩医師の方も動画に出演してくださったり、楽しんでいただいてるのかなって思います。

――医師には崇高なイメージを持つ方もいて、SNSではまた、違った反応もありそうです。

北村 ネガティブな反応はあります。でも、気にならないですね。私がXで上げた「キラキラ女医(ちょっとちがう)きゃわきゃわ女医目指してます!!!」の投稿に「こんな女医より賢い女医がいい」という反応もあったんですけど、「たしかに」と思う程度でした(笑)。

――病院が苦手な方もいますし、むしろ、親近感をおぼえてくださる方もいるのかと思います。

北村 今年5月、医療を身近に学べるイベント「港南メディカルフェスティバル」のステージへ出演したときに、会場で「お医者さんには怖いイメージがあるけど、親しみやすいと分かれば、病院が怖いものではなくなる。必要ならば行く場所だと分かるのはいいよね」と言われたんです。当日は子どもたちもいて、注射が「怖い」と怯えてしまうお子さんもいますし、親しみやすい医師がいるのは面白いんじゃないかと、自信もつきました。

「ステージに立っていると若返るんです」アイドルの年齢問題に思うこと

――二足のわらじを履きながら、この先でどのように活躍していきたいですか?

北村 アイドルとして、医師も兼業する個性を活かして医療系の曲を歌ってみたいんです。子どもたちが気軽に病院へ足を運びたくなるような曲を、歌のお姉さんみたいに披露してみたいし、健康診断へ行かない大人に向けた曲も歌ってみたいですね(笑)。

――前途は明るくて。最後に、もう1つ。現在は27歳ですが、まもなく一部で「アイドルの壁」ともいわれる30歳を迎えますよね。その先も、続けていく意思は?

北村 そう言われて「あと3年かぁ」と思いました(笑)。不思議と、ステージに立っていると若返るんですよ。私にとって、アイドルは存在だけで誰かを笑顔にすることができるという持論があって。NEOアラモードの募集要項で「26歳ぐらい」と書いてあったのもオーディションを受けるきっかけでしたし、年齢は気にせず、人を笑顔にしながら活動を続けていきたいです。

撮影=杉山秀樹/文藝春秋

(カネコシュウヘイ)

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