【独自】浮かび上がる「恐怖の性奴隷システム」大衆演劇界で起きた「全裸脅迫事件」の全貌

 

 SmartFLASHが11月18日に報じた大衆演劇劇団「橘菊太郎劇団」の総座長・橘菊太郎(63)による9年にも及ぶ性加害。被害者が告発したのは、観劇に来た女性客を食事に誘い、酩酊させ、劇団のひいき客との性交を強要させる、という前代未聞の「性奴隷」の実態だった。

 

 だが、被害者は一人ではない。もう一人の被害者の話を聞くと、橘菊太郎劇団が主導した「恐怖の性奴隷システム」が、浮かび上がってきた――。

 

 今回、本誌に新たに性被害を告発する女性が、最初に橘菊太郎劇団と接点を持ったのは、友人に誘われて行った演芸場でのことだったという。

 

 

「私はもともと関西に住んでいて、舞台を観に行くのが好きでした。2018年ごろ、友人が大衆演劇を観に行かないかと誘ってくれて、演芸場に行ったのが最初です。これまでとは演劇の種類も違い、観たことがなくて面白いと思ったのです。チケット代も安かったので、それ以来、何度か行くようになりました。

 

 そのうち、『この後飲み会があるけど、どう?』って誘われました。一緒に行っていた友人と一緒に参加しました。劇場から離れた場所で、ほかの女性ファンやご年配の方まで来られていました。

 

 菊太郎さんの常連のお店のようで、貸し切りのようでしたね。菊太郎さんとは無礼講のようで、大衆演劇の話をしたり、世間話をしたりして、連絡先の交換もしました。その日は飲んでおしまい。楽しかったなと思ったのです」

 

 何度も飲み会への参加を重ねるうち、2次会や3次会にまで足を運ぶようになる。ここからの経緯は、本誌が前回報じた告発の内容と酷似している。まるで、女性を性奴隷に貶める巧妙な手口が、マニュアル化されているかのように……。

 

「2次会は菊太郎さんが行きつけのスナックでした。1次会とは違い人数も限られ、とにかく一気飲みばかり。『乾杯したグラスは空にしなくちゃいけない』と言われ、仕方なく飲みました。役者さんの飲み方ってこうなんだなと思いました。

 

 かなり酔いましたが、まだ最初のころは、翌日の仕事の心配をしてくれたり、タクシー代を渡してくれたりしたので、危ないと思っていなかったのです。

 

 ところが、ある日の2次会で、突然意識がブツっと切れ、記憶がなくなった。気がついたらホテルで私は裸にされ、男性2人に弄ばれていました」

 

 その日は「お酒で失敗したんだ」と思い込んだという女性。だが、のちに橘から「お前から客を誘っていた」「お前が嘔吐したことで衣装が汚れたので、借用書を書いておいた」などと言われたのだという。そして、女性の裸の写真を見せて脅迫してきた。しかも、「お前の実家はこのあたりだよなあ」と実家の住所を把握していることをちらつかせてきたという。それ以来、橘は態度を豹変させた。

 

「もう行くのはやめようと思いました。でも、橘はぐちぐちと『なんで来ないんだ。お前、断れると思ってんのか。写真ばら撒かれたいのか』と脅してくるのです。しかも『演劇には来なくていいんだよ。そのあとの飲み会に来い。借用書のカネは体で払え。親御さんに請求するぞ』と言われました」

 

 演劇が楽しみで通っていたはずが、裸の写真とカネで脅され、「性行為要員」として出席を強要される日々が続いた。警察に行こうとしたが、「証拠も持っていないし、こんなことは友人にも話せない。親にも絶対に言えない」と周囲に相談することすらできなかったという。

 

 Bさんはそれ以来、橘の「性奴隷」として、月に数回、多いときは1週間に数回も太客の相手をさせられた。

 

「関西に住んでいても、突然関東に来いとか、言われるがままでした。でも、もう何とかしたいと思うようになったのです。警察に相談したほうがいいのでしょうが、いちから説明するのは精神的にダメージが大きくて。できることなら、なかったことにしたいです」

 

 今回、本誌は新しく証拠写真を入手。上機嫌で飲み会に臨んでいる橘菊太郎のほか、裸の女性が風呂場やトイレで横たわっている様子の写真もあった。

 

 告発した女性によれば、裸にさせられ、シャワーを強制的に浴びせて恫喝されるのだという。写真のなかには、裸の女性の目がうつろになっているものもあり、酩酊して意識がおぼろげな様子も伺える。

 

 こうした、女性を性奴隷に貶める手口は、本誌がすでに報じた内容とまったく同じだ。前回、性的な呼び出しや脅迫、性加害などについて橘菊太郎劇団に質問状を送ったところ、「いずれの事実もありません」との回答が返ってきている。

 

 だが、橘菊太郎の胸中は穏やかではないようだ。本誌がこの被害を初めて報じた18日以降、橘は告発した女性の “犯人捜し” に躍起になっているという。演劇関係者がこう話す。

 

「橘は、ほかの劇団や行きつけの店に電話して、誰が告発しているのか、ほかの写真が出回っていないかなど聞いて回っているようです。また、本誌の報道を否定するように指示された人もいます。

 

『太客のなかにマスコミが潜入していたのかもしれない』などと詮索しているとも聞いています。しかし、『あなたがやってきたことがばれたのだから仕方がない』と忠告されることもあるようです」

 

 Bさんらを支援するNPO法人の理事長は、すでに弁護士を通じ橘に緊急の警告書を出すことにしている。

 

「現在Bさんと同じような被害を受けている女性を10人以上把握しています。集団訴訟を準備しているところですが、一刻も早く橘に、こうした卑劣な行為をやめさせなければなりません。警察に被害届を出して、早急に彼女らを救わないといけません」

 

 彼女たちの悲痛な叫びが届き、「性奴隷システム」の被害の全容が解明される日は来るだろうか。

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