「人の心あるんか?」ジャニーズ問題取り上げた『Nスペ』SMILE-UP.補償本部長の“軽薄”対応に怒りの声続出

 

 10月20日に放送されたNHKスペシャル『ジャニー喜多川 “アイドル帝国”の実像』は、ジャニーズ事務所の創業者・故ジャニー喜多川氏による性加害事件を取り上げた。

 

「2023年10月2日、旧ジャニーズ事務所(現・SMILE-UP.)社長の東山紀之氏は、会見で『人類史上もっとも愚かな事件』と言い切りました。旧ジャニーズのタレントを数多く起用し、冠番組も制作していたNHKが、どのようなドキュメンタリーを作ったのか、放送前から話題になっていました」(民放関係者)

 

 番組では、ジャニー氏と、姉のメリー喜多川氏の生い立ちから追っていった。元フォーリーブスの江木俊夫らの証言などを経て、元NHKの理事で、現在はSTARTO ENTERTAINMENTの顧問を務めている若泉久朗氏にも取材。そして、元ジャニーズのメンバーだった中谷良氏(享年74・2021年没)の姉が登場する。

 

「1989年に『ジャニーズの逆襲』(データハウス)を書いたのが中谷さんです。少年の被害を訴えた本で、当時は黙殺されましたが、重要な証言でした。しかし事務所側の認識は、いまも違うようです」(同前)

 

 

 SMILE-UP.の補償本部長は「お金はいいから、弟に謝罪してくれるのか」と問い合わせてきた中谷氏の姉に対し、「会社を攻撃するような本を出した相手には謝れない」という反論を展開し、要求に応えようとしなかった。以下が、番組内で本部長が発言した内容だ。

 

「ただ、誰が何を謝るんだというのがちょっといま、わからなくて」

 

「本を書かれて(弊社が)痛めつけられたのは間違いないんで」

 

「会社としてはすごくつらい目にあったのは間違いないんで」

 

「何で東山が(謝罪を)しなきゃいけないのか、僕、わからないんですよ」

 

「心の底からおわびができないので、いまの話を聞いていると」

 

「ちょっと僕は納得いってないですね」

 

「なんで(現社長の)東山が(中谷氏の墓前で謝罪)しなきゃいけないのか、僕、わかんないんですよ。『メリーが謝れ』『ジャニーが謝れ』だったらわかるけど」

 

 東山は加害者じゃないから、墓参もできない、心の底からおわびができないと言い放つ本部長。後に東山は、姉と面会して謝罪したというが、本部長の対応のずさんさにはXでも多くの反発が寄せられた。

 

《被害者をナメすぎ。こんな対応されてるんじゃ、そりゃあ被害者たちは納得できないで当然だろ》

 

《何故そちらが被害者ぶる?被害者家族の傷をまだえぐるか》

 

《自分がされた事本に出すとかどんだけ大変やったとか1ミリも相手の気持ち理解出来てないよね、人の心あるんか?》

 

「ジャニー氏による性加害の被害者の救済を目的として2023年の10月に設立されたのが、SMILE-UP.です。創設を発表した会見で、同社の代表を務める東山氏は、『被害に遭われ、苦しんでいる方々の補償、救済、心のケアを最後までまっとうする』と決意を表明していましたが……。

 

 この番組での本部長との会話を聞くに、苦しんでいる方々への少なくとも『心のケア』という部分に関しては到底、東山氏の宣言とは程遠い印象を視聴者は受けたようです。本部長の口調も軽く、遺族の怒りや悲しみに寄り添っているようには感じないという意見もありました」(芸能担当記者)

 

 番組の最後に、NHKは10月16日、STARTO ENTERTAINMENTの所属タレントへの出演依頼を可能とすると発表したという旨のテロップが映し出された。一方で、「この問題はこれで終わったとは考えていません」というコメントも出されている。今後も、調査は継続されるのか。

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