西田敏行さんの死因「虚血性心疾患」、医師が指摘する糖尿病との深い関係「症状を感じ取りづらい」
日本中に大きな衝撃を与えた俳優・西田敏行さんの死去。事務所は死因は虚血性心疾患であることを発表した。
「西田さんは、2003年に自宅で心筋梗塞のため倒れ緊急入院したことがあります。ヘビースモーカーだった西田さんですが、これを機に禁煙。減量にも挑戦するなど、体調管理に気を配るようになりました。ただ、その後も2016年に自宅のベッドから転落して首を痛め、頸椎亜脱臼の手術。
術後には胆のう炎を発症し、ふたたび手術を受けるなど、ケガや体調不良に見舞われていました。2021年には糖尿病を治療するために都内の病院に通っており、自力で歩こうとすると脚がよろめくこともあると、『NEWSポストセブン』が報じたこともあります」(芸能記者)
死因とされた虚血性心疾患とはいったいなんなのか。
「冠動脈が狭窄し、心筋への血流が不足することで、心筋梗塞などの深刻な疾患を引き起こすものです」
と解説するのは、五良会クリニック白金高輪理事長・五藤良将医師だ。
「西田さんは糖尿病の持病もあったそうなので、それが大きなリスクとなった可能性がありますね。糖尿病患者は“隠れ心筋梗塞”になるリスクは高く、注意が必要です。通常、心筋梗塞になると胸が痛むといった症状が出ます。
しかし、糖尿病患者の場合、高血糖状態が長期にわたることで、神経障害を合併することが多くなるせいで、胸の痛みを感じ取りづらくなるんです。その結果、心筋梗塞が進行しても気づかず、“致命的な結果”になってしまう傾向があります。胸痛などの明確な症状がないまま重篤化することで、治療が遅れてしまうリスクが高るのです」(五藤医師)
さらに心筋梗塞は度々“筋肉痛”と誤解されることがある。
「放散痛と言って、胸の痛みがほかの部位に現れることがあるんです。特に背中や肩、腕、さらには腰などに痛みが出ることがあります。ただ、こうした痛みをまさか心筋梗塞のせいだと考える人は少ないでしょう。実際、他の疾患や単なる筋肉痛と誤認して、適切な診断が遅れることがあります。
いずれにせよ糖尿病患者や心疾患リスクのある方々は、定期的な医療チェックを受け、些細な体調の変化も見逃さないことが重要です。
軽度の息切れや疲労感、背中や肩、腰の痛みなど、通常とは異なる症状がある場合には、躊躇せず医療機関での診察を受けるべきです。特に糖尿病患者は、自覚症状が少ないことが多いため、早期発見と治療が命を救う鍵となります」(五藤医師)
どんな病気のサインも見過ごさないことが大切だ。
10/19 11:41
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