ジャニーズ性加害当事者の会が解散へ 平本淳也氏、石丸志門氏らが本誌に明かした現在の胸中「やれるだけはやったが、十分だとは思ってない」

会見する「当事者の会」。左から志賀泰伸氏(退会)、中村一也氏、平本淳也代表、石丸志門副代表、大島幸広氏(退会)

 

 ジャニーズ性加害当事者の会の元代表、平本淳也氏と副代表の石丸志門氏は、9月3日に同会の解散を発表した。発足から1年2カ月が経過し、SMILE-UP社との間で500人程度が補償の合意に至ったことが主な解散理由だという。本誌は平本氏、石丸氏から、今回の解散について話を聞くことができた。

 

「2023年の9月7日に、旧ジャニーズが、ジャニー喜多川氏による性加害を事実認定し、謝罪しました。あれから1年目の9月7日をもって会を解散することにしたのです。会としてはこの1年余り、やるだけのことはやりました。ジャニーズ事務所は無くなり、芸能界を正すことはできたと思っています。達成感はありますが、これで十分だとは思っていません」(石丸氏)

 

 会は終わるが、救済はまだ十分ではない――。この主張は、平本氏も訴えている。

 

 

「わずか1年余りで、520人にまで性被害者の補償を積み重ねてきました。そのことの意味は大きいと思っています。補償までいく道筋を作るのは大変でした。いまだにメールで性被害の相談がきます。この1年で心筋梗塞にもなり、心臓も3分の1が壊死した。体と精神を酷使した1年でした」

 

 SMILE-UP社のHPによると、8月30日時点で、性被害の申請者は996人。そのうち事実認定をし、補償内容を通知した人は520人に上る。《被害を申請された方のうち、約96%の方に補償に関してご連絡済みであり、約94%の被害者の方に補償金をお支払い済みです》とあり、会の活動が一定程度の役割を果たしていると認識しているという。石丸氏が続ける。

 

「それぞれの被害者は、補償が終わったら一段落して、その後に活動を続けていく人はほとんどいなくなりました。なので、会としての存在意義がなくなってきたと思っています。これまでは国会や国連への要請など、会じゃないとできないことがありましたが、今後は個人でできることが多くなった。個人の自主性を尊重し、会として縛っておく必要もなくなりました」

 

 だが、冒頭にあるように、救済はいまだ十分というには程遠い状況だ。しかも、新たな問題も起きているという。これについては、石丸氏と平本氏は今後活動を止めるわけではないと語った。

 

「まだ私に対しての誹謗中傷は続いていて、警察にも相談しています。それに今後もSMILE-UP社との交渉は続けます」(石丸氏)

 

「SMILE-UP社のHPにもありますが、ジャニー喜多川氏を名乗って、街頭で声をかけられ性被害に遭った人からの相談が来ています。渋谷や原宿、新宿で声をかけられた事例が多いのです。そうした相談に引き続き応じていきます。被害者代表として交渉は続けます」(平本氏)

 

 社会を揺るがせた性加害問題は、まだ終わりが見えているわけではなさそうだ。

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