卓球・早田ひなの「行ってみたい」発言で注目の知覧特攻平和会館 担当者は「ありがたく思っております」

早田ひなは平和会館に行きたい理由を「生きているのと卓球ができているのが当たり前じゃないことを感じたい」と語った(写真・JMPA)

 

 8月13日、パリ五輪・卓球の男女日本代表6人が、羽田空港着の航空機で帰国、都内で記者会見を開いた。

 

 その質疑応答で、大会期間中に左腕を痛めながらもシングルスで銅メダル、女子団体で銀メダルに輝いた早田ひな選手(日本生命)が、「帰国して何がしたいか」と問われ、「アンパンマンミュージアムと、鹿児島の特攻資料館(知覧特攻平和会館)に行ってみたい」と語り、居並ぶ記者を驚かせた。

 

 知覧特攻平和会館は、鹿児島県南九州市にある、第二次世界大戦末期の沖縄戦においておこなわれた、爆装した飛行機もろとも敵艦に体当たり攻撃する「特攻」をした陸軍特別攻撃隊員の、遺品や関係資料が展示されている。

 

 2001年4月には、首相就任2カ月前の小泉純一郎氏が訪問。特攻隊員の絶筆を目にして大粒の涙を流したことでも知られている。

 

「早田選手の発言が意外に受け止められていますが、これまでも、女子スポーツ選手は訪れています。女子バレーの日本代表も、眞鍋政義監督の『オリンピックで日の丸を背負う覚悟を感じてほしい』という思いから、訪れています」(週刊誌記者)

 

 

 2022年4月30日に配信された「文春オンライン」で、眞鍋監督は《家族に思いを募らせながらも、国を守るため、空に散ったいたいけな少年たちの史実に、選手らは改めて気がついた。自分たちが好きなバレーが出来る環境は、こんなにも悲しい犠牲の下に成り立っているんだと》と語り、《あれから選手たちの目つきが変わりましたからね。日の丸の重みの意味を肌で感じてくれたんだと思います》と振り返っていた。

 

 昨今、平和会館への来訪者に10代、20代の若者が目立つようになったと言われている。今回の早田選手の発言で、さらなる変化はあったのだろうか。平和会館に聞いた。

 

「早田選手が『アンパンマンミュージアムに行きたい』とおっしゃっていたことは存じておりましたが、あの場で(平和会館の)名前が出て、『まさか』と思いました。修学旅行などで訪れる学生の方々以外にも、10代、20代のみなさんの来館はとても多くなっております。早田選手の影響ですか? (発言が)昨日のことなので、いまのところ問い合わせはマスコミの方ばかりです(笑)。ただ今後、若い方にも特攻の史実を知っていただく機会にもなり、とてもありがたく思っております」

 

 Xにも《早田さんはオリンピックを戦ってとても大事な事に気づかれたんですね》《日本人にとってとても大切な場所だと思う》《若い世代にも注目されることになるかもしれませんね》などの声がポストされていた。

 

 早田選手の訪問が、選手としての飛躍につながることを願いたい。

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