「パナップ」初々しい笑顔を見せた芳本美代子は大学教授に! 「CMに出ている自分も宣伝されていた」アカデミックに分析【夏のCM美女】

アイスを口に含んで破顔一笑する芳本美代子

 

 僕らの少年時代を彩ってくれた1970~1980年代の「夏のCM」。海外撮影も当たり前だった当時の撮影秘話を、あこがれの出演者たちが明かしてくれた!

 

 1986年放送の「パナップ」など、江崎グリコのCMで笑顔を見せた「みっちょん」こと芳本美代子は、いまでは大学教授。

 

 2023年より、大阪芸術大学短期大学部メディア・芸術学科舞台芸術コースで演技を教えているのだ。だからか、CMについても分析的に語った。

 

 

「私がデビューしたころのアイドルは、ずっとテレビに出ずっぱりでした。歌番組にバラエティにドラマ……。その出演番組で、自分が出ているCMが流されることが多く、出ている人も宣伝されていたんですよね」

 

 デビュー当時の芳本にかけられた期待は、出演CMでもわかる。グリコ製品では、「パナップ」「アイスの実」などの看板アイスのほかにも、「クリームコロン」など、多数のCMに出演した。

 

 歴代のCMタレントは松田聖子に石原さとみ、吉高由里子とスターが顔をそろえる。だが、CM撮影について、出演した当の本人は「あまり覚えていない」と笑う。

 

「新人のときは、わからないですよ。たくさんの大人に囲まれて、ただ言われるがままでした。パナップでは海外ロケをしたはずですけど、別に舞台は海辺とかではないですし(笑)」

 

 パナップのCMで画期的だったのは、BGMだ。モーツァルトの歌劇『魔笛』中の歌曲『パパゲーノとパパゲーナの二重唱』をアレンジし、「パパパパナップ」と商品名を印象づけた。以降、小沢なつきや牧瀬里穂がこの曲を歌った。

 

「でも、私は歌わずに、お嬢さんの格好で澄ましているだけですもんね(笑)。当時はちょっと高級なイメージがあったのかな。私といえば、地元では食べやすくて手ごろなスティックタイプのアイスばかり食べてました(笑)」

 

 取材の際、現行品のパナップを持っていったところ、CMの再現をしてくれた芳本。そしてひと口、パナップを口に運ぶと、思わずうなった。

 

「口当たりが軽~い。あのころは、もっと甘かった気がする。私の舌も大人になったのか、それともアイスが進化したのか……」

 

 アイスを口に含んで破顔一笑。愛されキャラ「みっちょん」の面影は、昔もいまも変わらない。

 

よしもとみよこ
1969年生まれ 山口県出身 1985年、『白いバスケット・シューズ』でデビュー。可憐なルックスと安定した歌唱力で絶大な人気を博す。YouTube公式チャンネルは「みっちょんINポッシブル」

 

写真・安藤青太、取材/文・鈴木隆

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