「リボンシトロン」日焼け少女・林寛子は自らの店で毎日ミニライブを開催「Tシャツにホットパンツで汗だくに」【夏のCM美女】
僕らの少年時代を彩ってくれた1970~1980年代の「夏のCM」。海外撮影も当たり前だった当時の撮影秘話を、あこがれの出演者たちが明かしてくれた!
林寛子の芸能界デビューは、5歳までさかのぼる。当時は、子役として数々の人気ドラマに出演。たびたびゲスト出演した、九重佑三子版の初代『コメットさん』(TBS系)や、主演陣のひとりだった『変身忍者 嵐』(MBS)などはソフト化や配信もされており、そのころの愛くるしい姿を確認できる。
そんな芸歴の長い林ゆえ、CM出演も子役時代からかと思いきや、14歳で歌手デビューして以降に本格化したという。林は1973年に『君こそスターだ!』(フジテレビ系)の第1回グランドチャンピオンに輝き、翌年に歌手デビューを果たした。
「同期は、さだまさしさんに中条きよしさん、麻生ようこさんや伊藤咲子ちゃんとか。咲子ちゃんとは最近も、イベントで一緒になりました。八神純子さんや太田裕美さんも、レコードデビューは1974年なのよね。CMは、それ以前には、春日井製菓の粉末の(ジュース)『シトロンソーダ』ってわかるかしら。それに、5歳のときに出たかな(笑)」
のちに小泉今日子がカバーした『素敵なラブリーボーイ』が1975年9月にリリースされ、スマッシュヒット。サッポロ飲料の「リボンシトロン」のCMに出演し、翌1976年に、初代CMガールを務めた花王石鹸「カオーフェザー・エッセンシャル」シャンプー・リンスはいまでも販売されている。
「リボンシトロンのCM撮影は、ハワイのヒロ島だったと思います。Tシャツにホットパンツで、長い坂を汗だくになって上り、最後にリボンシトロンを飲むんです。色白だったから、全身、真っ黒に日焼けメイクをしましたね。当時は高校の制服のままテレビ局入りして、歌番組用のドレスに着替えていました。私服を買いにまわる時間もなかったけど、ドラマやCM撮影ではかわいい洋服がたくさん用意してあって『どれでも好きなものを持っていっていいよ』って。大らかな時代でしたね」
CMには長嶋茂雄も同時に出ており、景品として下敷きが作られた。その復刻版を、2021年に出した写真集『林寛子 トレジャーBOX』の特典としてつけた。
「サッポロさんも、快く許可してくださったんです。札幌にあるサッポロビール博物館に行ったら、私のポスターも貼ってありました。『CMに出るタレントはスキャンダルなんか起こしちゃいけない。責任を持って取り組むように』と当時の事務所の社長に言われたのを思い出します」
息の長い商品のCMタレントを務めた林はいま、舞台や通販番組などに出ながら、2007年に開業した東京・大田区のカラオケサロン「ラブリー寛寛」で、ほぼ毎日、ミニライブを続けている。
はやしひろこ
1959年生まれ 東京都出身 1964年に子役として芸能活動を開始。『がんばれ!レッドビッキーズ』(テレビ朝日系)、映画『男はつらいよ 寅次郎春の夢』などに出演。2024年8月24日には、姉貴分と慕うあべ静枝、堀越高校で同期の大場久美子と、杉並方南歌謡祭に出演
写真・保坂駱駝、取材/文・鈴木隆祐
08/13 21:00
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