安室奈美恵ら育てた「マキノ正幸氏」逝去、“登校拒否”から救われた「元DA PUMP」が教わったこと

　6月28日、「沖縄アクターズスクール」の創設者であるマキノ正幸氏が亡くなった。享年83。

　マキノ氏が校長を務めた「沖縄アクターズスクール」は、アーティスト養成学校として、絶大な知名度を誇る。

　1990年代には、安室奈美恵、知念里奈、当時10歳にも満たなかった三浦大知といったアーティストを輩出。ダンスアンドボーカルグループでもDA PUMP、MAX、Folderといった面々が”アクターズスクール育ち”だ。

　元DA PUMPメンバーのYUKINARIも、その一人だ。YUKINARIはアクターズスクールに通い出したころ、「登校拒否をしていた」と、当時を振り返る。

「初めて校長とお会いしたのは、中学1年生の正月でした。当時、登校拒否をしていた自分にエンターテイメントというきっかけを与えてもらったと思っています」

　アクターズスクール開校後、多くの指導者が離れていき、マキノ氏が独学で演技やダンスの知識を学び、指導に生かしたことは語り草として、知られている。

　YUKINARIはマキノ氏の指導について、こう振り返る。

「ふだんは笑顔で子供たちに優しく接しても、いざ舞台となると真剣な顔で演者として向き合ってくれたのを印象に残っています。

　校長とアクターズスクールに出会えたことで自分と向き合い前向きに生きること、努力することを教えてもらいました。

　デビュー前の話ですけど、エンターテインメントに真剣な人なので、パフォーマンスに関してのことや、向き合い方で怒られることもよくありました。

　褒められることもありましたが、僕らからすると“雲の上の存在”という方だったので、大変嬉しかったことを覚えております」

　1997年6月、YUKINARIはISSA、SHINOBU、KENとともに「DA PUMP」としてデビューすると、『Rhapsody in Blue』で、1998年の日本レコード大賞優秀作品賞を受賞。

　そして、2000年には『if…』が最大のヒットシングルになる。

「デビューした当時、DA PUMPが沖縄でのイベントに出ることがよくありましたが、そのときにマキノさんがわざわざ会いに来てくれました。必ず笑顔で『頑張れ！』って言ってくれたのが印象的です。

　感謝という言葉しかありません。ありがとうございます。心からご冥福をお祈りいたします」（同前）

ゆきなり

1978年11月5日生まれ　沖縄県出身　1997年、DA PUMPのボーカルとしてCDデビュー。2008年に同グループ脱退。現在は、YouTubeチャンネル「YUKINARI BIYORI CHANNEL」でも活躍中