ウクライナ国連大使、安保理で「北朝鮮兵１万１０００人が露東部で訓練」…派兵問題で懸念の声相次ぐ

　【ニューヨーク＝金子靖志】国連安全保障理事会は２１日、ロシアによる侵略が続くウクライナ情勢について協議した。北朝鮮がウクライナ戦線への派兵を準備しているとされる問題について、韓国とウクライナが派兵を事実と断じ、多くの理事国から懸念の声が相次いだ。ロシアは否定した。

北朝鮮の国旗

　会合で、韓国の 黄浚局（ファンジュングク） 国連大使は、北朝鮮の特殊部隊約１５００人が露軍の艦船で露極東に移動した上で、「露軍の軍服と武器、身元を隠すためロシアのＩＤカードを支給された」などと述べ、露朝の軍事協力を非難した。

　ウクライナのセルギー・キスリツァ国連大使は「約１万１０００人の北朝鮮兵が露東部で訓練を受けている」とし、１１月１日までに実戦投入に向けた準備が整う見通しだと主張した。英国のバーバラ・ウッドワード国連大使は「北朝鮮が部隊派遣に合意した可能性が非常に高い」と指摘。米国のロバート・ウッド国連代理大使は「危険で非常に懸念すべき展開だ」と語った。

　これに対し、ロシアのワシリー・ネベンジャ国連大使は「西側諸国が恐怖をあおるために作り出したデマだ」と反発した。