北朝鮮兵のロシア軍派遣、ゼレンスキー氏「世界の不安定さと脅威増す」…国際社会の対応求める

北朝鮮兵が露極東の訓練場で装備品を受け取っているとされる動画(中央の文字は18日に公開したウクライナ当局の名称)=SNSの映像から

 【ソウル=小池和樹】ロシアの侵略を受けるウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は20日、北朝鮮兵が露軍に派遣されていることを示す「明確な証拠がある」と述べた。「北朝鮮が現代的な戦争の手法を学べば、世界の不安定さと脅威が増すことになる」と警告し、国際社会の対応を求めた。

 北朝鮮兵の派遣を巡っては、ウクライナ文化情報省の傘下組織が20日、露軍が装備品支給のため、帽子や軍服、靴のサイズを尋ねる調査表を用意していたとSNSで発表した。

朝鮮語で書かれた軍服などのサイズを尋ねる調査票=ウクライナの戦略コミュニケーション・情報安全保障センターのSNSから

 タス通信によると、露大統領報道官は21日、「関係強化は我々(露朝)の権利だ」と述べ、北朝鮮兵の派遣について否定も肯定もしなかった。一方、ロイター通信によると、米国のオースティン国防長官は19日、派遣が事実ならば「懸念される」と述べた。

 韓国の 尹錫悦ユンソンニョル 大統領は21日、北大西洋条約機構(NATO)のマルク・ルッテ事務総長と電話で会談し、韓国情報機関が北朝鮮兵約1500人の派遣を確認したと説明した。ルッテ氏は韓国とNATO、ウクライナ間での安全保障面での意思疎通の強化を希望するとした。さらなる情報共有のため、韓国がNATOに代表団を送るという。

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