北朝鮮、韓国とつながる道路を爆破…金正恩氏の「物理的に完全に切断」方針を実行か

 【ソウル=依田和彩】韓国軍合同参謀本部は15日、北朝鮮が同日正午頃(日本時間同)、韓国との間を結ぶ道路の北朝鮮側の一部区間を爆破したと発表した。北朝鮮軍は9日、南北をつなぐ道路と線路を遮断し「堅固な防御物で 要塞ようさい 化する」と発表しており、韓国軍が警戒を強めていた。

北朝鮮の国旗

 韓国軍の発表によると、朝鮮半島の東側と西側にある道路のうち軍事境界線の北側の一部が爆破された。韓国軍は爆破に先立つ15日午前の記者会見で「我々に(爆破による)被害が発生した場合、それに相応する措置を取る」と警告していた。現時点で韓国側に被害は確認されていない。韓国軍は14日、北朝鮮が道路を爆破する準備を進めていると明らかにしていた。

 北朝鮮は昨年末、これまでの平和統一路線の放棄を表明。1月の最高人民会議(国会)では 金正恩キムジョンウン 朝鮮労働党総書記が南北間の道路などを「物理的に完全に切断」するよう命じていた。今回の爆破はこの方針を反映した措置とみられる。

 一方、朝鮮中央通信は15日、正恩氏が国防分野に関する協議会を14日に招集し、首都 平壌ピョンヤン 上空に無人機が飛来して北朝鮮の体制を批判するビラがまかれたと主張している事案を巡り、対応を協議したと伝えた。同通信は正恩氏が協議会で「強硬な政治的・軍事的立場を表明した」と伝えたが、詳細は明らかになっていない。

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